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我が生涯の始まりの話

 晴れやかなる日。わたくしの日々は麗らかで清らかでどこまでも自由に満ちておりました。

 聖ロベスピエール学園での生活は満ち足りて、神なる精霊たちとの加護により私たちの生活は守られ、わたくし達の国は栄華を誇り健やかに育ってまいりました。

 そんな国をわたくしは絶望に突き落とす事に何のためらいがありましょうか。

 わたくしが生まれ育った国の民はわたくしを売国奴、破滅の女(ファム・ファタール)、魔女と呼びます。しかしながらわたくしはそんな事は全然ありません。わたくしはただ悪魔の声にその心を傾け、この者の断罪の為に働いたにすぎません。

 わたくしが嗤い声をあげて、わが子を供物に捧げたのも悪魔を苦しめる為の代償であり、この子もきっとわたくしめに感謝するでしょう。悪魔を肉の檻に閉じ込める大役を得たのだから涙を流して喜ぶでしょう。

 わたくしめが悪魔の目の前で人々を殺める姿を見せつけて、苦しむ姿を神なる精霊たちは祝福するでしょう。悪魔がその心を砕くのだから誰も恨みはしないでしょう。悪魔を苦しめる手助けを出来たのだから涙を流し心を震わせるでしょう。

 悪魔を殺せるなんて精霊たちはわたくしになんて大きな役割を与えてくれたのでしょう。

 わたくしはただの小娘でしかなかったのにこの様な大役を与えてくれた神々に、精霊に膝を折り祈りを捧げましょう。

 わたくしはロベリア。ロベリア=アスロックと申します。

 今ここにわたくしとわたくしに宿った悪魔との生涯を語らせていただきます。

 わたくしは踊りましょう。勝利へのロンドを、悪を葬る悪なる物語を。

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