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同居生活8

次の日、俺たちはシーの方に来ていた。


こちらの方はランドとは違って親子連れなどが多く、すごく落ち着いた雰囲気がある。


「さぁ、侑士さん、どれから行きたいですか?」


九条さんにそう尋ねられたがきたことがないのでさっぱりわからない。


「すいません、自分にはよくわからなくて。九条さん達にお任せします。」


俺がそう答えると、


「見た感じでもいいのよ。」


と言われたので近くにあったものを指す。


「ではあれで。」


そう言うと、


「わかりました。では行きましょうか。」


そうして俺達は様々なアトラクションをまわった。



「そろそろお昼にしまょうか?」


雪さんがそう言う。


「私あれ食べたい。」


そう言って飯塚さんが指さしたのはチュロスやドーナツが売っているサイドメニューの店だった。


「いいわね。そこにしましょうか。」


そうして俺達は思い思いに商品を購入した。


「じゃあいただきます。」


「「「いただきます。」」」


テーブルに座って購入した商品を食べる。ちなみに俺はターキーレッグを注文した。


「侑士くん、あーん。」


ターキーレッグにかぶりついていると、雪さんがそう言ってチュロスを差し出してきた。


俺が戸惑っていると、


「食べてくれないの?」


と悲しそうな顔で言われたので心を無にして食べることにする。


「ありがとうございます。」


若干の気恥ずかしさがあったが、俺は雇われている側なので雇い主の命令に忠実に従うだけである。


「じゃあ今度はあーん♪」


と次は雪さんが口を開けて待っている。


??


「もう、侑士君が食べさせて。」


そう言われたので口元にターキーレッグを持っていく。


「あむ。美味しいわね♪」



その後もちろんのこと飯塚さんも九条さんにも同じことをした。


「そろそろ帰りましょうか。」


雪さんの声で俺達は帰宅の途に着くことにする。


あたりは空が少し赤らんできていた。


「侑士、楽しかった?」


飯塚さんがそう来てきたので、


「はい、はじめてのところだったので楽しかったです。」


俺は素直に気持ちをつたえた。


「そう、よかった。これからもこの4人で色々なところに出かけようね。」


彼女はそう言った。


今日は楽しかった。今まで見たことのない目新しいものばかりで翻弄されることが多かったがこの2日を振り返って素直にそう思えた。


そう言えばこんなことはいつ以来だろうか。友達と出かけて遊びに行く。誰からも好かれない俺には二度と訪れない時間かもしれない。


「そうですね。機会があれば是非。」


俺はそう答えた。


例え社交辞令だったとしてもそう言ってもらえただけで嬉しかった。


ただ友達と遊ぶ。たったそのことが感情のわからない俺の心を知らない間にほんの少し暖かくしていた。

お読みいただきありがとうございます!


私はシーには行ったことないので想像で書いていますので実際と違ってもご勘弁を汗

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