同居生活4
夕方、夕食を作り始めようとすると、インターホンがなった。
「誰でしょうか?」
そうして九条さんが玄関に向かった。
「あら、生徒会長に、北山さんに、あなたは確か侑士さんの妹さんではありませんか?どうされましたか?」
「今日侑士が学校を休んでいただろう。それで何があったのか心配でな。様子を見にきたのだ。」
「そうだったんですか。それは心配をおかけしました。侑士さんは何もなく元気ですよ。」
「そ、そうか…それで侑士は?」
「侑士さんは今夕食の準備をされてますよ。」
「ユウと話をしたいから呼んでくれる?」
かすかにそのような会話が聞こえてくる。ままなくして、
「侑士さん、きていただけますか。」
そう九条さんに呼ばれたので玄関に向かおうとすると雪さんと飯塚さんも後ろをついてきた。
「ユウ、こんにちは。」
「こんにちは、皆さんお揃いでどうされたんですか。」
「お兄ちゃん今日お休みしてたでしょ。お昼にお兄ちゃんの教室に行ったけど居なかったもの。それでどうしたのかなと思って会いにきたの。」
「そうなんですか。俺なんかが心配を皆さんにかけてしまってすいませんでした。」
「ううん、何もなかったのならいいの。」
そして奇妙な沈黙が流れる。薫さん達は何か探るような視線をこちらに向けていて雪さん達はニコニコしている。
「そういえば何故九条さんの他にも柴田さんや飯塚さんがいるのですか?」
薫さんが聞いてきた。
「それはここに4人で住んでいるからですよ。」
「「「えっ!!!」」」
九条さんがそう答えると3人が一斉に声を上げた。
「ど、どういうこと!?」
薫さんが慌てて問い詰めてきた。
「どう言うことと言われても…」
詰め寄られた九条さんが途方にくれていた。
「親御さんと一緒に暮らしていないのか?」
薫さんを諌めた麗華さんがそう聞いてきた。
「私の家に仕えているのが雪さんのところなんですわ。それで穂波さんは一人暮らしですの。それで私が一人暮らししたいと要望したところこのような形でと両親に言われたので今のような状態になっているんですわ。」
九条さんがそう説明した。色々と端折っているが嘘は言っていない。
「年頃の男女がそれでいいと思うんですか?」
結奈さんが尋ねた。
「?何も問題ありませんわ。それとも、貴方達は侑士さんのことが信じられないと?」
「!そ、そうは言ってません!ただ年頃の男女が一緒に暮らすのは世間一般的にどうかと…」
「問題が起きないのなら問題ないんじゃない?それぞれの親からも了承はとっているのだし。」
そうしてまた気まずい空気が流れた。
「…それでは私達はこれから夕食の準備があるので失礼しますね。」
そうこうしているうちに九条さんがそう言って俺に中に入るように促してきた。
そうして麗華さん達に頭を一度下げて家の中へと向かった。
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