同居生活3
翌日、今日は朝から再び病院に行くことになっていた。
先日の足の怪我の件だ。経過が順調なら今日で包帯が外れて普通に生活できるようになる予定だ。
もっとも、すでに痛みもなく、昨日も心配されたが普通に歩けていたので問題はないはずだ。
「侑士さんは今日は病院ですね。雪さんが車を出してくれますから私たちも付き添いますよ。」
九条さんがそう言ったが今日は学校がある。
「いえ、俺なんかには構わずに皆さんは学校に行ってください。」
俺が遠慮しようとするも、
「侑士さん、契約の事忘れたんですか?」
そう言われた。確かに誰かが常にいることが条件にあったが学校を休んでまでわざわざ俺なんかに付き添う必要があるのだろうか?
「…ですが、学校に遅れてまで俺に付き添ってもらわなくても…」
「私達がしたいからするのです。学校なんかより侑士さんの方がよっぽど大切なので。」
そう言われては俺に拒否はできない。
「…わかりました。よろしくお願いします。」
そう言って見事に全員が病院まで付き添ってくれることとなった。
「もう大丈夫ですね。」
医者にそう言われ晴れて自由に動けるようになった。包帯も外されて、綺麗さっぱりである。
しかし何日かの間、包帯を巻いた状態だったのでお風呂に入りたいというのが本音だ。
「じゃあ侑士君、一回家に帰りましょうか。お風呂に入りたいでしょう?」
そう思っていると雪さんが察して言ってくれた。
「いいんですか?」
そう尋ねると彼女はにっこりとして頷いた。
「もちろんよ。侑士君は何も遠慮なんてしなくていいのよ。一緒に暮らしているのだから家族みたいなものなんだし。」
流石にそれは違うと思うが俺なんかにそんなに優しくしてもらって感謝しかない。
「ありがとうございます、それでは家までお願いしていいですか?」
そうして一度家まで戻ることになった。
お風呂から上がるとすでに昼過ぎになっていた。
「お昼ご飯用意しといたわ。」
そう飯塚さんが言った。机の上にはすでに料理が並べられていた。
「わざわざありがとうございます。本当なら俺がやるべきでしたのに。」
そう言うと、
「雪さんも言っていたと思うけど遠慮なんてしないで。私達の方がやりにくくなるわ。」
そう言われたが、俺は雇われて住まわさせたいただいている身なのでそういうわけにもいかない。
「いえ、ですが本来俺のやるべき仕事ですので…」
「皆んなで家事は分担と言ったでしょ?それが家のルールよ。」
そう言われると俺から言える事は何もない。
「じゃあ皆んなで食べましょうか。」
そうして飯塚さんが作ったご飯を食べることとなった。
食べ終わって片付けをするとすでに一時を回っていた。
「もうこんな時間なのね。今日はお休みしようかしら。」
「俺のせいですいません。」
そう謝ると、
「ダメよ。それに侑士君のせいじゃないわ。私達がついていくと言ったのだし。」
そう気遣ってくれた。
「ありがとうございます。」
そうしてそれから何をしようかと言う話になったのだが、
「じゃあ侑士君の服買いに行かない?」
そう言われてそれに決まった。昨日結局俺の分は買えなかったからと遠慮しても聞いてもらえなかった。
そうして昨日に引き続き同じ複合施設にやってきた。
「せっかくだし色々なもの着てみてね。」
そう言われて俺は彼女達に色々な店へと連れて行かれ様々な服を着せられ買うことになった。
給料から引いておいてくださいと言ったが却下された。必要経費なのだそうだ。
そうして1日は過ぎていった。
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