同居生活1
朝食を食べていると飯塚さんがやってきた。
「おはよう。」
「あら、おはよう穂波ちゃん。」
「おはようございます」
そう挨拶を交わす。彼女を見るとスーツケースを引いてきて大荷物だ。
「その荷物はどうしたんですか?」
「聞いてない?私もここに住むことになったから。」
「そうなんですか?」
雪さんに尋ねると彼女は笑顔で首肯した。
「でも家のこととかはいいんですか?」
「私の家、父親が単身赴任で母もついて行っているのよ。だから実質一人暮らしなのよ。」
ということらしい。確かに部屋も余っているしそれならば問題ないのだろうか?
「うん?飯塚さんはどこで寝るんですか?」
「?みんなと同じ所だけど?」
「俺も同じ所で寝ることになっているんですが大丈夫ですか?そもそも一緒に俺なんかと暮らすのはいいんですか?嫌ならすぐに出て行きますけど。」
「もちろん大丈夫よ。(むしろそのためにきたのだもの。)」
「みなさんおはようございます。…あら穂波さん、いらっしゃってたのですね。」
「おはよう、真紀ちゃん。今日からよろしくね。」
そうしてみんなで朝食を食べた。飯塚さんのぶんもあらかじめ雪さんが作っていた。
「今日はこの後荷解きをしましょう。侑士さんは怪我していますから後で私達も手伝いますね。」
どうやら荷物は既に部屋に運び込まれているらしい。
「いえ、俺の方こそ皆さんのお手伝いしますよ。俺は私物は少ないですし。」
俺の私物はほとんどない。もともと家族に迷惑をかけないようにしていたので欲しいものもなかったからだ。
「侑士さんは乙女の私物を触るのですか?」
しかしそう言われてしまった。
「す、すいません。そんなつもりでは。」
「ふふっ、冗談です。では、もし侑士さんの荷解きが終わればよろしくお願いしますね。」
「はい、わかりました。」
そうして今日の日中は荷解きに時間を費やしていった。
お昼頃には俺の分の荷解きは終わった。
部屋には、自分の私物が少し置かれたが、どこかそれでも有り余る広さで落ち着かない。
なので部屋を出ると、みんなのためにお昼を作ることにした。
どうしようか考えたが、冷蔵庫にはまだ物が少ない。なので手軽に食べられるサンドイッチにすることにした。
簡単に野菜などを詰めてサンドイッチを作っていく。
そうしてできたサンドイッチをみんなの部屋に持って行くことにした。
ドアをノックすると、
「はい、どうぞ。」
と声が帰ってきた。
「あら、侑士さん、どうしたんですか?」
「サンドイッチを作ったのでよかったら。」
「まぁ、ありがとうございます。せっかくですのでみんなで食べましょう。」
そう言って他の2人も呼んでリビングで食べることとなった。
「侑士君はもう終わったの?」
「はい、もともとものが少なかったので。」
「そうなの。私ももう少しで終わりそうよ。」
他のみんなももう少しで終わるらしい。どうやら事前にある程度ものを運んでいたそうだ。
「なら終わったら買い物に行きましょうか。色々必要なものもあるし。」
「そうですわね。そうしましょう。」
そうしてまた片付けに戻っていった。
2時間ほど過ぎると、みんな片付けが終わったようだ。
そのため全員で出かけることとなった。
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