異変 〜森田凛視点〜
土日の存在を完璧に忘れていました。多少強引なのは勘弁を…
昨日は収穫がたくさんありました。
侑士様としっかり顔を繋げることができましたし、同じ部活に入ることもできました。
これからどうやって彼と距離を詰めようかと考えるだけで夜も眠れなくなります。全ての景色が輝いて見えます。気がつけば彼のことばかり考えていてもうすっかり恋する乙女です。
しかし彼の周りには女の人が多いですね。皆さん彼のことが好きなようですし、女の私から見ても可愛くて強力なライバル達です。
それに私はまだ出会ったばかりで皆さんと比べるとすごく出遅れています。
それでも諦めるわけにはいきません。だって初恋なのですから。なんとしてでも彼と付き合いたい。彼に命を助けられて私はすっかり彼の虜です。
あぁ、早く彼に会うのが待ち遠しい。そしていつの間にか眠りについていました。
次の日、朝起きると今日も彼にしっかりとアピールしなければと考えていると衝撃の事実に気づいてしまいました。
今日は土曜日でした。それに気づいた時の絶望感は半端ではありませんでした。
それでもどうにかして彼に会いたかった私は考えた結果私は思い至りました。ならば彼に直接会いに行けばいいのではないかと。
昨日のうちに彼に発信機は取り付けてありますから家はわかります。
好きな人のことなのですからこれくらい当たり前ですよね?
そうして私は着飾って彼の家に向かうことにしました。好きな人には少しでも可愛い私を見て欲しいですから。
彼の家が見えてくると、彼の家にだれかが入っていくのが見えました。あれは北山先輩でしょうか?
北山先輩は美人で学校では有名人です。
確か侑士様の幼馴染だとか。小さい頃から一緒にいれるとか羨ましい限りです。家も隣のようでますます羨ましいです。彼の隣を独占していたのでしょう。
そして彼の家の前に到着すると、インターホンを押しました。
ああ、彼の顔を見るのが楽しみで仕方ありません。
そして出てきたのは北山先輩でした。
「あら、貴方は昨日の…凛ちゃんだったっけ?どうしたの?」
北山先輩がそう尋ねてきました。彼の家から出てくる感じも違和感なくて嫉妬してしまいます。
「侑士様と遊びたかったので家まで来てしまいました。侑士様はおられますか?」
私はそう答えた。
「それが、ユウは出かけているみたいなの。あんな足でどこに行ったのかしら。」
どうやら無駄足だったらしい。
私はスマホを開いて彼の現在位置を確認する。
すると彼は街の方へ向かっているらしい。
「そうですか…それは残念です。それでは出直しますね。」
「あら、そう?じゃあまたね。」
「はい、わざわざありがとうございます。」
私はそう言って彼の家をあとにした。
ふふっ、北山、私は会うのを諦めてなどいませんよ。侑士様のいるところならどこまででもお供します。
いざ、彼の元へ!北山先輩、彼の隣は私が貰うのであしからず❤️
お読みいただきありがとうございます。