異変4
「侑士さん、足は大丈夫ですか?」
教室に入ってきた九条さんはそう言って俺を心配してくれた。
「はい、大丈夫です。」
「どうしてそんなことになったんですか?」
彼女にそう聞かれたので俺は昨日あったことをかいつまんで話した。
「なるほど、そんなことが。許し難いですわね。」
彼女はそう言った。
「いえ、俺なんかの怪我で1人の命が助かったのならよかったです。」
そう言うと、
「たしかにその子も無事でよかったですけど、なによりも貴方が無事でよかったですわ。」
彼女はそう言った。
「では、ご飯を食べましょうか。」
部長がそう言った瞬間、空気がピリついた。
「そもそもあんた達、なんで教室に来たの?部室で食べてればいいじゃない。」
と、薫さんが喧嘩腰に言うと、
「あら、私達は侑士君に誘われたのよ。貴方こそ他の人と食べれば?」
部長が反撃すると、
「ユウは今日から私と食べるの!彼の好きなものも作ってきたし。」
と薫さんも負けじと言い返した。さらに、
「侑士、何か困ったことはあったか?」
「お兄ちゃん、一緒にご飯たべよ?」
「弟君、こんにちは〜。」
と麗華さんに結奈さん、萌乃さんがやってきた。
「あらあら、先客がいるようね〜。じゃあ皆んなで一緒に食べましょうか〜。」
萌乃さんは続いてそう言った。それに対し、
「ユウは私と食べるの!邪魔な人たちはどっか行ってください!」
と、薫さんが、再び威嚇した。それに対して、
「そうです。彼に呼ばれたのは私達なので私達以外は他を当たってください。」
と、普段、部室でしかあまり話さない、飯塚さんが反論した。
「私達は家族だ!彼が怪我をしたなら面倒を見るのは当然だろう!」
と、麗華さんが言い、ギャーギャーギャーギャーと話が纏まらない。
「言い合いして弟君に迷惑をかけているのは本末転倒だよ〜。それなら皆んなで食べようよ〜。」
と萌乃さんが言ったことにより、全員が渋々ながらもその案で決着した。
そして、周りの机を寄せて食べることにしたのだが、また問題が発生した。
「萌乃!何故お前が侑士の隣に座っているのだ?」
と、麗華さんが言うと、
「そうよ!私がユウを1番初めに誘ったのになんであんたが隣なのよ。」
と、薫さんも言った。
そうして次は座席を巡ってギャーギャーと、言い合いが始まった。
そうしてようやく話がまとまりかけた時、1人の少女が教室に入ってきた。
「あ、見つけました!!!」
彼女はそう言って俺に一直線に向かってきて抱きついた。
「「「「「「「はあーーーー!!??」」」」」」」
全員が一斉に大声を上げた。
お読みいただきありがとうございます。ファンタジーものも書いていくことにしました。よければそちらもよろしくお願いします。