異変3
翌朝、俺は歩いて学校のに行こうとすると、陽子さんがまだ家にいた。
「そんな足で歩いて行くなんてダメ!送って行くから車に乗りなさい!」
彼女はそう言って俺を車に乗せようとした。しかし、陽子さんは仕事で忙しいのにそこまでしてもらうわけにはいかない。
「いえ大丈夫です。陽子さんにそこまでしてもらうわけにはいきません。」
実際に昨日も歩いて帰ろうとしていたし、大丈夫なはずだ。
「お願い、これは私がしてあげたいことなの。」
彼女は泣きながらそう言った。俺にはその涙の理由はわからなかったが、俺が泣かせてしまったようだ。
「すいません、ではお願いしてもいいですか。」
俺がそう言うと、彼女は泣きながら笑った。
「結奈も乗せて行くから起こしてくるわね。」
彼女はそう言って結奈さんの部屋へと向かった。
それからあまり時間が経たず、結奈さんが急いで降りてきた。
「ごめん!お兄ちゃんちょっとだけ待ってね!!」
彼女はそう言ってバタバタしながら身支度を整えていった。
結奈さんの準備が終わると、俺達は学校に向かうために車に乗り込んだ。
「じゃあ出発するわよ。」
彼女のその声とともに車が発進した。
車の中では結奈さんが積極的に話しかけてきた。
「お兄ちゃん、足は大丈夫?」
「ええ、心配ありません。」
「そう…痛みとかはないの?」
「はい、大丈夫です。」
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「ついたわよ。侑士くん、帰りも電話してね。迎え行くから。」
俺は断ろうとするも、また、陽子さんが泣き出すのは嫌なので、
「わかりました。よろしくお願いします。」
「はい、いってらっしゃい。」
「「行ってきます。」」
俺達はそう言って校舎に向かった。
「あんまり無理しないでね。困ったことがあったらなんでも言ってね!」
教室の前まで送ってくれた彼女はそう言って自分の教室へと向かっていった。
教室に入ると薫さんは既に友達と談笑していた。そして入ってきた俺に気づくと一目散に走ってきた。
「ユウ、足、大丈夫!?」
「はい、大丈夫です。」
「そっか、よかった。これからは私がなんでも手伝うから絶対無理しないでね!」
彼女はそう言って俺の腕を肩に回してきた。そして歩くのを手伝ってくれた。
「俺なんかのためにそんなことする必要ありませんよ。」
「いいの!ユウを支えるのは私の役目なの!」
彼女はそう言って、実際に学校生活の至る所で補助してくれた。その度に俺は、彼女に俺なんかのために時間を使う必要はないと断りを入れるが、決して聞き入れてはもらえなかった。
そうして、昼休みになり部室に向かおうとすると、薫さんがやってきた。
「ユウ、今日は足を怪我しているんだから、今日はここで一緒に食べよ?」
俺はそう言われ、今日は教室で食べることになった。部員の皆んなには申し訳ないが、薫さんからの頼みを断るわけにはいかない。そこで部員の皆んなに連絡をいれ、よければ教室で一緒に食べないかという旨を送った。
そうすると、文芸部の皆んなご教室にすぐにやってきた。
そうして唐突に修羅場が始まった。
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