新たな動き2 〜九条真紀視点〜
学校に着くと雪さんに今朝のことを伝える。
「あら、そう。そこで侑士君に執事をしてもらうということ?」
雪さんがそう尋ねてきたので、
「ええ、そうですわ。穂波さんも加えてそこで彼を徐々にこちらにひきこんでいきますわ。」
と私は答えた。私はお嬢様だから監視はついているだろうが、雪さんは両親から信頼厚いので、男の子が執事として家に来るくらいでは何も問題になることはないだろう。
「じゃあ穂波ちゃんを待ちましょうか。」
今日は部室で侑士さんを除いたメンバーで朝早くから集まろうということになっている。何故かというと近況の調査結果の報告会をするためだ。
暫くすると最後の穂波さんがやってきた。
「お待たせしました。」
と彼女は言って席についた。そうして報告会が始まった。
「じゃあ私から報告しますわね。」
私は今朝に親から了承をとった内容について話す。
「今朝に親から1人暮らしをすることの了承を取りましたわ。条件として1人サポートをつけることになりましたわ。そしてそれは雪さんになりましわ。雪さんは代々家に仕えてくれている家系で私の親からも信頼厚いのですわ。家などはまだ決まっておりませんがすぐに決まると思いますわ。侑士さんにはそこで執事をしてもらう予定です。」
私はそう伝えた。それに対して雪さんには事前に伝えていたのでうんうんしているが、穂波さんはポカンとしていた。
そしてはっとなって、
「うん、ちゃっと待ってね。えーとまず真紀さんと雪さんにそんな関係があったのね。びっくりだわ。それで家を用意したのね。うん、だいたい理解したわ。」
と言った。理解が早くてたすかりますわ。
「じゃあ私ね。私はまず北山さんのことかしら。彼女、あの裏切りの後から信頼を取り戻そうと必死になっているみたいね。朝は迎えに行って、最近は私達が彼とお昼を食べているけど弁当を作ったりとか。」
穂波さんは続けてそう言った。さらに、
「それと、周りの反応だけれど、変わらずね。問題は田中ね。彼、あの後から北山さんとどうも以前より距離を取っているようね。」
とのことだった。なかなか意味が分かりかねますわね。北山さんが目的ではなかったのかしら?
「うーん、最後は私ね。と言っても私は特に報告するようなことはないかしら。」
彼女はそう言った。この短期間ならそこまで相談されることもなかったのだろう。
「報告はこんなところかしら。うーん、何を考えているのかよくわからないわね。」
雪さんさんはそう言った。わからないというのはあいつのことだろう。浮気女は考えていることはだいたいわかる。明らかに元鞘狙いだろう。
「もう少し情報を集める必要があるみたいね。今日はこのくらいにしましょうか。」
雪さんはそう締めくくった。そうして今日の報告会は幕を閉じた。
それにしても本当に何を考えているのだろう。被害が今回限りならどうでもいいが、狙って彼を攻撃しているのなら早急に対処が必要だ。場合によっては処分する必要もあるだろう。いずれにせよ、もう少し情報が必要だわ。そうして私達はそれぞれの教室に向かった。
お読みいただきありがとうございます。沢山の感想ありがとうございます。返せてないですが読ませて頂いています。ちょっとラブコメしてないなと自分も考えているのでタイトル考え中です。