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プロローグ
少しですが、流血表現入ります。苦手な方はお控え下さい。(途中、シリアスなども入ります)一応、中世風恋愛ファンタジーを予定してます! 更新スペース遅いです……頑張ります!
──月の、綺麗な夜だった。
『お姉ちゃん?』
私を抱きしめたままで動かない姉に、恐る恐る呼び掛ける。
『ねぇ。お姉ちゃ……』
姉の頭の下に、どんどん広がっていく、黒いシミ。
地面に染み込みながらも大きく拡大していくソレは、月の光に照らされて私の目の前まで、来た。
──コレは、何だろう?
子供特有の好奇心に駆られ、そうっと手を伸ばす。
ぬるり、と指先に伝わってきた生温かい感触。
その瞬間──ゾッ、と背筋が瞬く間に粟立った。
『……お、お姉ちゃん?』 起きて、と小さな腕で懸命に揺さぶるが、ピクリともしない。
──ふと、自分の肩が湿っている事に気がついた。
つ、と焦れる様な緩慢な動きで視線を移す。
『──あ』
そこ──姉の胸には大きく、長い剣が。
『あああああぁああああッ!!』
深々と、突き刺さっていた。