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三章 ケルベロス

 バルト達は朝食を終え、ギルドに向かうことにした。


「話の続きなんだけどいいか?」


 バルトが歩きながらクリスに話しかける。


「いいよ、なんだい?」


「Eランクに上がったって本当なのか?」


 バルトは、にわかには信じられなかった。

 ランクは上位1000ギルドしか登録されない。


 何万とあるギルドの中の無名ギルドが、簡単に辿り着けるようなレベルではないはずなのだ。


「本当だよ。詳しくは分からないけど、昨日バルト君が帰った後にギルドで放送あったから間違いない」


「そんな簡単に上がれるのか?ランク入りってだけで普通は上手くいって15年とかはかかるんだぞ?」


 うーん、やっぱり信じられない……


「簡単かどうかは分かりませんが、普通ならあり得ないってギルドの方々が話してましたわ」


「まぁ、いい……どちらにせよ俺達にとっては追い風だ。ありがたく利用させてもらおう」


 ギルド前に到着したバルトは気合いをいれた。





「おい……ケルベロスだぞ……」


「目を合わすなよ……殺される……」




 ギルドに入るとバルト達を避けるようにして、ギルドメンバーが噂話をしていた。


 ケルベロス?なんの事だ?


「昨日騒ぎ過ぎたかな?みんな僕らを避けてるね」


 クリスが辺りをキョロキョロ見回している。


「お前達どんな騒ぎ方したんだよ……頼むからこれ以上目立つ事はやめてくれ……」


 バルトは依頼の掲示板を見ながら、ため息をついた。


 これがきっかけで、集団パワハラとかされたら…………

 なるべく目立たないようにしながら、依頼を受けてギルドから早く出よう。






「おい!バルトはいるか!?」



「おい!」じゃねぇ!言ってるそばからやめてくれ!どこの馬鹿野郎だ!


 バルトが声をした方を見ると1人の男が立っていた。


 真っ白な軍服に、金髪ロングのイケメンが変なポーズをしている。


 …………めんどくせぇー!!


 バルトは明らかにめんどくさそうな状況に眩暈(めまい)がした。


「お!いるではないか!返事をしろ!」


 変なイケメンがバルトを見つけ近づいてきた。 こいつ俺を知ってるのか?


「まさか貴様がバルトとはな!俺はキースだ!少し顔をかしてもらおう」


 キースと名乗った男はバルトに話しかけてきた。 


「おい……俺はイケメンが嫌いだ。話しかけるな」


 バルトは手を払いのけ、キースを睨みつける。

 周りが色々ざわついてるが関係ない。


 バルトにはこの世に許せないものが3つあった。


 1つは辛くないキムチ。


 2つ目はパクチー味のチョコ。


 3つ目は自信家のイケメンだ。


 何故嫌いかって?


 嫌いなものは嫌いだからです。そして俺は嫌いなものは受け入れないと決めている。


「ずいぶんなご挨拶だな…………普通に悲しいぞ」


「だから話しか……え?」


「悲しいからやめてくれと言っている。2度も言わせるとはいい度胸だな」


 え?なんでこいつ話し方高圧的なのに、内容は普通なの?


「なんか、ごめん……それで何ですか?」


「ふん、聞き分けがいいのだな。まぁ貴様に聞かない選択権はないがな!ギルドの奥に来てくれないか!?」


 なんだこいつ……残念イケメンとかいうやつか?


 まぁ、残念イケメンは自信家イケメンとは別の人種だから良しとする。


「なんの話かだけ先に聞いてもいいか?」


「バルト、貴様に重要な任務を命ずる!拒否権はないが、丁寧に説得してやるから安心して覚悟しとけ!」


「安心して覚悟ってなんだよ……ちなみに報酬は良いのか?」



「貰えるだけありがたいと思え!かなり奮発したらしいぞ」


「キース君、早く行きましょう」


 バルトはキースの提案を受け入れ、ギルドの奥に向かった。









「おい、今の騎士団幹部キース・ヘミングだよな?」


 バルト達がいなくなったギルドのロビーで数名のギルドメンバーが話していた。


「あぁ……あんな実力者にまで目をつけられてるなんて……あのガキ何者だ?しかもケルベロスのリーダーなんだろう?」


「謎だよなぁ……あのガキ自身は普通の冒険者らしいけど……」


「なんにせよ、俺らはラッキーだ。なんもしなくてもギルドランクが上がって依頼の数も増えるからな」


「だよな!それに二つ名付のパーティーが、俺らのギルドから出るなんてすげぇじゃねぇか!ギルド本部から二つ名がつけられるのなんて8年振りだぜ?」


  「確かに……敵にするよか、味方の方が都合が良いに決まってる」


「出来るだけあいつら応援してやるか……」


「おう」「そうだな」「そうするか」


 ギルドメンバーが口々に声にする。


 バルトの不安は知らないうちに解決していたのだった。

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