Vanillaーハンター
「ヨシッ!今日は差別テロで行こうか。ノルマは呑み代も足して1人25,000円。5時間後の6時にココな。じゃ、手当たり次第Go、Go、Go〜ってことで、気をつけて。ホイジャッタラ」
ナツにそう言われ、それぞれ散って行った。
サリー達はいつも感心してしまう。
ナツは人を上手く乗せて操る才能が長けていると。
「俺達も気合い充分でいきますかぁ」
ナツ達は今年最初のアウトローハントに出掛けた。
街に入るとすぐに派手な3人組を見付けた。
すると珍しくサリーが1番偉そうなデブに近付いていき、いきなり蹴りを入れた。
「テメェ!何してんだいきなり!」
「ん!?眠たい」
どうやらサリーは眠気から虫の居所が悪いらしい。
「訳分かんねぇこと言ってんじゃねぇぞコラァ!」
「俺さぁ、人間だから豚の言葉分かんねぇんだわ」
言うなりサリーは3人をアッという間に片付け、22,000円回収してきた。
怒ったサリーは誰よりも強い。
「22,000しかなかったから自分で3,000出すわ。コレでノルマクリアね。眠いから先帰るわ」
サリーは帰っていった。
残された3人はそれぞれ見回して
「頑張ろっ」
と又カモを捜索しだした。
狙うのは世間で言われる
[ロクデナシ]
「そこ行く浮かれたお兄さぁん!」
南は気合いの入ったモヒカンのパンクスに近寄っていく。
すると逆に殴られてしまった。
本気でキレた南は
「ドラ〇も〜ん、あれお願い!」
と叫ぶ。
「任せてよ、の〇太君。チャラララン。ふつうのバット〜」
ナツはドラ〇もんの真似をして南に渡す。
するとモヒカンの顔色が変わった。
「チョッ、チョット待てよ。それで殴られたら痛いぞ、普通」
「今更遅いぜ、モヒカンベイベェ」
南はモヒカンの左足をフルスイングで打った。
倒れ悶えるモヒカン。
南は気にもとめず財布を取り、物色をする。
現金4,000弱。
「ふざけんなよっ!死ね、モヒカンマン」
「ガハっっ」
倒れてるモヒカンに蹴りを入れる。
しかし、財布の奥にアルミホイルで包まれた紙[LSD]を見付けると
「お"ぉ"。良いの持ってんじゃ〜ん♪ん!?ミッキーかぁ。早く言えばいいのに、モヒちゃ〜ん」
「ちゃんと冷やしとかないと駄目よ〜」
南は独り言を言いながらウエストバッグから携帯ブラックライトを取り出し紙を照らした。
すると、南は突然嵐の様にキレてモヒカンを蹴り始めた。
「横ハゲェ!テメェ、ダミー握らされてんじゃねぇよ!」
どうやらブラックライトでの反応がなかったみたいだ。
「クソッ。ぬか喜びさせやがって」
手に入れたのはたったの4,000円。
捜索は続けられる。