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ーキミノイナイセカイヘー  作者: 片山水月
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Vanillaーピアスの意味

トムが訊いた。


「ナツ、お前いつも男だけでいるけど女とかいないのか?今日はXmasだってのによ」


今日もいつもの四人でVanillaに溜まっている。


ナツはホープに火を着けながら苦笑いした。


すると南が


「コイツ女いつも3、4人はいますよ。でも本気で付き合わないんすよ。なぁ?」


「ん?別にそんなんじゃねーよ」


そう言ったナツの左耳に4つのピアスが光る。


ナツは今迄女に告白した事がなかった。


全て告白されて付き合うのだが、そのうちフラれてしまう。




「ヤサシスギル」




それが共通した理由。



別れの時フラれるのはナツなのに、いつも相手が泣いていた。


「何で何も言ってくれないの?」


「何で怒ってくれないの?」


「ホントにアタシのこと好きだったの?」


咎められながら背中を見送ってきた。


左耳のピアスはその度に1つまた1つと開けてきたのだ。


最近では付き合わずにある程度のキョリを保って女と接するようなった。


「付き合ってよ」


言われる度に曖昧にはぐらかしながら流してきた。


そうすればフラれることはないから


「俺は酒がありゃ何もいらねぇの!なぁコヤジ〜?」

「その通〜り!!」


そう言ってコヤジはワンカップに口を運ぶ。


コヤジ―本名は宏児。


かなりの男前なのだが、たいぎがりで口癖が

「面倒臭ぇ」。


手にはいつもワンカップが必需。


携帯のメロディは『東京砂漠』


そんなだからオヤジの一歩手前のコヤジになった。


「コヤジの恋人は本酒だろ?俺のラバーは薬物だね(笑)兎にも角にもブッ飛べるんなら何でもオッケー!リーガルもイリーガルも上等よ」


こう言う南は根っからのジャンキーだ。


四六時中何かしら効かしている。


部屋の押し入れでは大麻を自家栽培してるくらいだ。


今吸っているのも煙草じゃなく、ジョイントした大麻に決まっている。


その証拠に店内のBGMのテクノにご機嫌な様子で音に引き込まれ1人の世界に突入して行った。



サリーは向こうの方で1人、トムに借りたアコギを弾いている。


「ナツ、アイツがギター持つと様になるよなー!?」


カウンター越しにトムが話し掛けた。


ナツも丁度そう思っていた所だった。



16歳のXmasはこんな感じで過ぎて行った。

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