表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/214

【文化祭編2】僕は文化祭でもサボりスポットへ行く

今回は文化祭編2です

光晃は学校でバレずにいられるのか?

では、どうぞ

 葵衣が持ってきたウィッグの中から顔がバレにくいもの選び、着用して僕は北南高校文化祭へ葵衣、優奈と共に来ている


「どうかバレませんように」


 校門で僕はバレない事を祈っている。バレたら僕はクラスに引きずられ、女装させられる。そんな事になったら僕は葵衣と別れ、優奈と結婚する為に僕は家を出るだろう


「光晃、大丈夫だよ!絶対にバレないって!」


 自信満々の葵衣。見た目はそうだけど、名前を呼んでる時点でアウトなんだけどなぁ……


「葵衣、見た目ではバレないかもしれないけど、名前を呼んでいる時点でアウトだよ」


 変装していても僕の本名を呼んでいる時点でアウト。こんな事なら家を出る前に偽名くらい決めてくればよかった


「光晃……いや、(あきら)


 晃?ああ、僕の事か。優奈は多分『光晃』って名前から『光』をとって『晃』って文字だけを残した結果、『あきら』って名前が出たんだと思う


「優奈、晃ってのは僕の事?」

「そうだよ。『光晃』の名前から『晃』の1文字を取ったんだけど……ダメだった?」


 目をウルウルさせながら聞いてくる優奈。本名で呼ばれないだけマシだからいいんだけどね


「いや、ダメじゃないよ。本名で呼ばれるよりはマシさ」

「よかった……」


 優奈が名前を付けてくれたから気に入ったとかじゃない。僕はバレて女装させられなきゃ僕は名前なんて何だっていい。それに、僕はこの文化祭が終わったら北南高校から去るつもりでいるし


「そういうわけだから葵衣も今だけ僕の事は『晃』と呼んでくれる?」

「う、うん……」


 渋々了承した葵衣。どうしたのかな?


「校門前で話し込んでいても仕方ないから入ろうか?」

「「うん!」」


 校門を潜り、校内に入ると至る所に装飾が施され、華やかになっている。そして、校舎内に入ると各教室が出店になっていた。焼きそば屋、おでん屋、他にもいろいろある


「3人で固まって行動するよりも各自で行きたい場所に行かない?」


 葵衣達と行動するのが疲れたと言っているつもりはないけど、僕はクラスメイトに見つかりたくない。特に秀義や理沙に見つかったら強制連行されるし


「私は構わないけど……1人で帰ったりしないでよ?」


 優奈は疑いの目を僕に向けてくる。僕だって今回ばかりは1人で帰ったりしないよ


「優奈と葵衣を置いて帰るはずないでしょ。僕は幼馴染やクラスメイトに見つからない場所へ避難するんだよ」


 優奈と葵衣がいるのに黙って帰るなんて事はしない。ただ、僕は秀義と理沙に見つからないようにいつものサボりスポットへと非難するだけなんだから


「そ、それならいいけど……」


 優奈と同じで僕を疑うような目で見る葵衣。でも、僕はサボりスポットに行くだけで帰るつもりはない


「僕は見つからない場所へ避難するだけで帰るつもりはない。じゃ、そう言う事で」


 優奈と葵衣の返事を待つことなく僕は2人の元を去る


「さてっと、全く、どうして僕が北南高校ごときの文化祭に足を運ばなきゃいけないんだか……」


 別に生徒の努力を嘲笑っているわけではない。ただ、女装なんて人によっては本気で毛嫌いするような事を平気で要求するような連中が創ったものがいいものとは言い切れない


「サボりスポットがなければ僕は絶対に来なかったよ」


 学校の中に心落ち着ける場所がなければ僕は絶対に学校へは来なかった。従姉がいるから?それだけの理由で僕は自発的に学校へ登校するなんて事はしない


「ここへいたら見つかる恐れがあるし、地下室へと移動するか」


 秀義や理沙に見つかる事ばかりに気を取られていたけど、真理姉さんもそうだ。僕の意思などお構いなしに教室へ強制連行し、女装させられる。部活動の強制入部が人権違反だなんて騒ぐバカがいる。実際は学習指導要領には部活動の強制入部が人権違反になるだなんて書いてない。そんな事はどうでもいいけど、生徒が嫌がるような事を強制的にさせると言うのは教師としてじゃなく、大人としてどうかと思う


「さて、ゲームでもしよう」


 僕は適当にソフトを選び、それをゲーム機に入れる。


「はぁ……1度やった事のあるゲームは余程の事がない限りは飽きてしまうのが早いな」


 ゲームを始めて10分で飽きてしまった。この辺は退屈な授業と同じだ。自分の得意教科であっても授業をする教師の話が詰まらなければすぐに飽きて居眠りを始めてしまう。


「授業も詰まらない、改善の兆しすらない、何より居眠りをした生徒は自分を振り返る事なく指導する。この場合は指導というよりも憂さ晴らしだろうけど」


 僕は北南高校の悪いところを挙げていく。悪いところを言ったらキリがないけど、北南高校に限って言えばいいところが1つもない


「今の僕にとって優先させるべきは葵衣だ。葵衣と一緒にいれれば転校してもしなくても同じだ」


 北南高校を転校するにあたり優先させる人間の候補を考える。秀義、真理姉さん、理沙、葵衣といる中で誰の事を最優先で考えるか?そんなの決まっている。葵衣だ。葵衣は僕の彼女だから優先させるのは当たり前だ


「さて、優先するべき人間も決まった事だし、寝るとしよう」


 僕は目を閉じ、今回の文化祭準備から今日に至る文化祭までの事を考える。最初の出し物を決める時に僕は女装する事を強要された。そして、それが嫌で僕は逃走したけど、今度はそれを知った葵衣に文化祭準備に参加しろと言われた。僕はそれが嫌で優奈のいる大海町に気軽な1人旅に出た


「あれ?僕は文化祭準備にほとんど参加してない……ま、別にいいか」


 僕にはクラスとの団結やクラスの人間と協力して何かを作り上げたという達成感なんて必要ない。僕に必要なのは退屈しない授業と必要以上に干渉してこない教師。それだけだから


「結局、北南高校は僕にとって必要のないものだったか……」


 北南高校の人間は僕に必要のないもの。文化祭という普段とは違う服装になる機会のある行事を通じて理解した。


「ん?葵衣と優奈から?」


 携帯が鳴り、着信が入った。通知を見ると画面には『メールが2件あります』と表示されており、メールを開くと葵衣と優奈からだった


「2人とももういいんだ」


 葵衣と優奈からのメールには『満足したから帰ろう』という内容のメールが入っていた。


「満足してくれたのはいいけど、集合場所を決めてないじゃん……」


 集合場所を決めてないので帰りの待ち合わせをしようにもできない。どうせ帰るだけなら校門でいいか


「校門で待ってるっと」


 僕は葵衣と優奈へ校門で待っている旨のメールを送り、校門へ向かう。


「北南高校最後の文化祭も来る時は嫌だったけど、帰る時はあっけなかったな」


 この学校に来る事は2度とない。校門前で僕は2度と来る事のない学校を見て何かを感じる事はなかった


「光晃、お待たせ」

「光晃、待った?」


 葵衣と優奈がこちらへ向かって来た。パッと見たところ秀義と理沙、真理姉さん影はないから安心だけど、北南高校から完全に離れるまで油断はできない。葵衣と優奈を信用してないとは言ってないけど


「いや、そんなに待ってないよ。ところで葵衣は秀義や理沙、真理姉さんに余計な事は言ってないよね?」


 葵衣を信じてないわけじゃない。だけど、葵衣は口が軽いところがあるから警戒はする。それだけの話だ


「言ってないよ!私って信用ないの!?」


 葵衣は信用されてないと思ってるらしいけど、それは違う。葵衣を信用してないんじゃない。葵衣の情報を元に真理姉さん達が僕の元へ突撃してこないかが心配なだけだ


「信用してないんじゃなくて葵衣の情報を元に真理姉さん達が僕の元へ突撃してこないかどうかを心配してるの。葵衣の事は信じてるさ」


 ただし、優奈もそうだけど、葵衣が僕を裏切るような真似をしなければの話だけどね


「本当?」


 上目遣いで僕を見る葵衣。葵衣は実習生の頃から僕の事が好きだって言っていたし、実習生が来ていた頃は葵衣を少なからず意識した。それが好意に変わり一緒にいたいと思ったから葵衣に告白した。


「本当だよ。僕は葵衣を信用している。だけどね、どれだけ信用していてもその周囲の人間がダメだったら葵衣を信用したところで意味はないんだよ」


 葵衣を信用していようとも周囲の人間が裏切ったら僕は葵衣に何も言わない。絶対を求めているわけじゃないけど、人には干渉されたくない部分がある。それを理解しているのかどうかだ


「それって水沢さんを信じてないってこと?」


 優奈の解釈では僕が葵衣を信じてないって事になっているけど、それは違う。葵衣を信用していないんじゃない。葵衣の周囲に集まる人間を信用していないって言っているんだ


「違うよ。葵衣を信用してないんじゃなくて葵衣の周囲にいる人間を信用しないって言ってるんだよ」


 そもそもが僕には葵衣と優奈がいればそれでよくなってきている


「そ、そっか……私は信用されているんだ……」


 僕と付き合って葵衣は僕に似てきたかな?自己中じゃないけど、目的の為なら人を平気で利用しようとするところとか。今のところは僕と一緒にいるためにだけだけどね


「うん。葵衣は僕の事を裏切ったりしないでしょ?それに優奈も」

「当たり前だよ。私は光晃の彼女だよ?どうして彼女の私が彼氏の光晃を裏切らなきゃいけないの?」

「裏切る理由なんてないか」

「うん」


 葵衣は満面の笑みで頷いた。本当に僕に似てきている


「で、優奈は?僕を裏切るの?」


 別に優奈に裏切られても僕は何とも思わない。許嫁だって知ったのは最近だからいなくなったところで大した痛手にはならないし


「裏切らないよ。許嫁を裏切るはずないでしょ」


 僕と一緒にいてくれる葵衣と優奈を傷つけない方法はないものかな?っていうか、今まで僕は葵衣と優奈の事ばかりに気を取られていて僕は自分の事を忘れていたけど、僕はまだ結婚できる年齢じゃないし、将来やりたい職業もない。つまり、僕は海外に留学なりなんなりをしてもいいと言う事になる


「うん。じゃあ、僕は葵衣と優奈を傷つけない方法を考えないとね」


 複数の異性に好意を持たれ、告白されたとする。その場合は1人を選んだら他の大勢を傷つける事になるし、それは避けて通れない道だ。だけど、優奈はバカな親が勝手に決めた許嫁だ。負わなくていい傷を負う必要はない。綺麗事だと思うけど、関わってしまった以上は僕は葵衣も優奈も全力で守る



今回は文化祭編2でした

学校でバレすにいられた光晃ですが、葵衣と優奈を傷つけずにどうにかすると言う事を決めたようです。もちろん、光晃本人もそれは綺麗事だっていう自覚はあるみたいですが

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ