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【文化祭準備編11】僕は優奈から衝撃の事実を聞く

今回は優奈から衝撃の事実を聞かされる話です

光晃にとって優奈は何?

では、どうぞ

「へい、らっしゃい!」


 飲食店に入るなんていつ以来だろう?休みの日は基本的に家から出ない。出たとしても葵衣とデートする時くらいだけど、自分の住んでいる街じゃなく、駅を1つ超えた街に行く。別に自分の住んでる街でもいいけど、それだと同じ学校の人間に見つかった時が面倒だ


「おじさん、2人ね」


 親しげな口調で人数を伝える優奈。この口調からして来てるのは1回や2回じゃないんだという事がわかる


「おう!優奈ちゃん!デートかい?」


 店主と思われる人物も優奈と親しげに話しているところを見ると優奈が常連なんだという事がわかる。この店は本当に優奈の行きつけの店なんだ……


「ま、まあね」


 親しげに話している優奈と店主(?)の会話を遮ったら悪いと思うからあえて何も言わないけど、デートじゃないんだよなぁ……


「ん?君は……そうか、君が()()……」


 僕の顔を見て納得したような表情の店主(?)。でも、どういう事だろう?『あの』って何を指して『あの』なんだ?


「『あの』って言われても困るんですけど……」


 僕は昨日、この町に来たばかりだ。その僕がこの店の店員や店主と知り合いになるチャンスなんてないし、僕が知る限りじゃ優奈がどこかへ電話していた様子はない


「あれ?優奈ちゃんから聞いてないのかい?」

「何をですか?」


 優奈から聞いてないのか?と言われても何の事かわからない。


「お、おじさん!」


 優奈が突然大声を上げた。どうしたんだろう?


「わ、悪ぃな、これはまだ秘密だったな」

「そうだよ!まったく……」


 平謝りする店主(?)とプリプリと怒る優奈。秘密?何を?


「悪い悪い、で、注文は?」

「醤油ラーメン2つ!」

「了解!」


 秘密について質問する暇も僕のリクエストも聞かずに話を進め、醤油ラーメンを注文する優奈。別に醤油ラーメン嫌いじゃないけど


「優奈、さっき言ってた秘密って何?」


 カウンター席に座った僕と優奈。そこで早速さっき言ってた秘密について聞いてみた


「な、何の事?」

「いや、さっき店主さんと話してたでしょ?それに、僕を見て『あの』って言ってたのも気になる」

「そ、その話は後でもいいかな?」


 どうしても今聞きたいとは言わないから別に後でもいい。内容によってはこれから食べるラーメンが不味くなるかもしれないし


「後でもいいけど、ちゃんと話してね?」

「うん、わかってるよ」


 優奈の隠し事は今はいいとして、せっかく優奈がおススメのラーメン屋に来たんだ。それを楽しむとしよう


「優奈は化粧とかしないの?」

「え?何?急に」

「いや、優奈の家って旅館じゃん。客前に出る事だってあるのにお化粧とかしないのかなって思って」

「あー、お客さんの前じゃ一応はお化粧するけど、お仕事をしてない時までお化粧しようとは思わないよ」

「そうなんだ……」


 僕の周囲にいる女性陣────真理姉さん、葵衣、紅葉さんは常に化粧をしている。化粧と言ってもナチュラルメイクだけど。それに比べて優奈は聞いての通り今はスッピンに近い状態だと思う。僕は化粧した優奈の顔を見た事がないから何とも言えないけど


「あ、でも、一応、これでもお化粧はしてるんだよ?さすがにガチのスッピンでは出歩けないし」


 どうやら僕の聞き方が悪かったみたいだ。優奈だって女の子なんだからナチュラルメイクくらいするか。メイクしてるところを僕は見た事ないけど


「そう。でも僕は優奈が化粧しているところを見た事ないけど?」

「そりゃ、着替える時にパパッとしたからね。その時、光晃は後ろ向いてたでしょ」

「道理で優奈の化粧シーンを見なかったわけだ」

「見たいなら見せてあげるよ?」

「いや、いいよ」


 女性の化粧している姿を望んでみたいとは思わないし、化粧して顔が変われど中身まで変わるわけじゃないし


「そう?でも、嬉しいな」

「何が?」

「光晃が私に興味を持ってくれた事」


 明らかに変だ。どうして僕みたいな冴えない奴が化粧の事を聞いただけなのに嬉しいんだろう?


「別に、僕の従姉とかは常に化粧してるから聞いただけだよ」


 興味が全くないって事はないけど、真理姉さん達以外で初めて親しくなった女性だ。気に触らない範囲で女性の事をいろいろ聞きたくなっただけ


「そう。従姉()()ね……」

「うん」


 優奈には何か裏があるように思える。それこそ僕の人生を左右するような何かを隠しているような気がしてならないんだけど……僕の思いすごしかな?


「へい!醤油ラーメン2つ!お待ち!」


 僕の思考を遮るような形でラーメンが来た。


「おおっ!待ってました!」


 嬉しそうにラーメンを見つめる優奈。確かに美味しそうなラーメンだけど、優奈さん?食い意地貼り過ぎじゃないでしょうか?


「おう!そっちの坊主も!」

「あ、ありがとうございます」


 ラーメン屋独特のノリやテンションにはついて行けない時がある。こういうのはどちらかというと秀義の領分なんじゃないのかな


「光晃、食べよう!」

「う、うん」


 ラーメンを前にした優奈はまるでエサを待っている犬みたいだし、早く食べないと伸びてしまう


「「いただきます!」」


 僕と優奈はラーメンを啜る。優奈のおススメだけあって美味しい。話をする事を忘れて箸が進んでしまう程に


「「ごちそうさまでした!」」


 僕と優奈はあっという間にラーメンを食べ終えた。さて、この後はどうしようかな?


「おう!優奈ちゃんは相変わらずいい食いっぷりだが、そっちの坊主も優奈に負けず劣らずの食いっぷりだな!」


 優奈はお淑やかな女の子だと思ってたけど、意外と男勝りなところもあるんだな


「おじさん!お勘定!」

「あ、僕が払います」

「いいよ、私が払うから」

「いや、さすがに連れて来てもらった上に奢ってもらうなんて悪いから僕が払うよ」


 僕は高校生だけど、これでも男だ。それなりに男としてのプライドがある


「でも……私の方が年上だし、ここは私が」


 僕には男のプライドが、優奈には年上のプライドがある。僕もそうだけど、優奈も譲る気はないみたいだ


「優奈ちゃん、坊主も男だ。ここは坊主にカッコつけさせてやりな」


 僕達のやり取りを見て思うところがあったのか、会話に割って入ってきた


「お、おじさんが言うなら」


 店主の鶴の一声により支払は僕になった


「優奈、先に出ててくれない?」

「え?どうして?」

「ちょっと店主さんと話があるんだ」


 僕はこの店主と話がある。主に優奈が隠してる秘密についてね


「じゃあ、私も残るよ」

「いや、男同士の汗臭い話だし、女の子が聞いても面白くないよ?」

「それでもいいよ」

「あ、でも、下ネタも話すし」

「いいよ!」


 言葉のチョイスをミスったかな?下ネタで優奈が過剰な反応を示したし


「優奈ちゃん、この坊主は優奈ちゃんに買うプレゼントで俺に相談があるみたいなんだ。ここは引いちゃくれねぇか?」


 この店主は察しがいいな。接客業を長年やってると察しがよくなるのかな?


「ぷ、プレゼント……」


 プレゼントという言葉が優奈の琴線に触れたのか、顔を赤くしてしまった


「優奈、先に出ててくれるかな?」

「うん、外で待ってるね」


 優奈は僕の要求通りに店の外に出て行った


「さて、優奈ちゃんも出たところだし、坊主────光晃の話を聞こうじゃないか」


 優奈が外へ出て店の扉を閉めた瞬間、店主の表情は真剣なものへと変わった


「そうですね、じゃあ、お聞きしますが、どうして僕がこの店に入って来た時にあなたは僕を知っているような口ぶりで話したんですか?」


 優奈の隠し事はともかく、店主から感じている違和感はここで解消しておきたい


「何だ、そのことかい。そりゃ、俺がお前さんの事を知っているからに決まってるだろ」


 知っている?僕は過去、1度たりともこの店に来たことはない。それどころか大海町に来る事自体が今回初めてだ


「知っている?僕は今日、初めてこの店に来たんですよ?あなたと僕は初対面のはずです」

「お前さんはそうだが、俺はお前さんと1度会っている。と言ってもお前さんはまだ小さかったからな。覚えてないのも無理はない。聞きたい事はこれだけか?」


 なるほど、僕が小さい時に来たのなら僕が知らないのも無理はない


「もう1つ、優奈にとって僕はどんな存在なんですか?」


 本来ならこれは優奈本人に聞くべきなんだろうけど、教えてもらえる保証はない


「その質問に答えてもいいが、その答えは優奈ちゃん本人から直接聞きな」


 優奈が隠している事を知っているようだけど、その答えばかりは教えてくれなかった。だけど、この人は優奈の秘密を知っているみたいだ


「わかりました。さっきの質問の答えは優奈本人に聞きます」

「おう!で、お代は2人分で600円だ」

「え?」

「聞こえなかったのか?お代は2人分で600円だ」


 お代が聞こえなかったわけじゃない。金額がおかしいから聞き返したんだ


「いや聞こえましたけど、いいんですか?2人分で600円なんて」

「いいんだよ!優奈ちゃんの笑顔を見れたし、懐かしい奴にも会えたしな!」

「はあ、まぁ、お店の人が言うなら……」


 僕は財布から600円を取り出し、店主に渡した


「ごちそうさまでした」

「おう!まいど!あ、坊主」


 店の扉を開けようとして店主に引き止められた


「何でしょうか?」

「優奈ちゃんへのプレゼントはネックレスがおススメだ!」

「わかりました。参考にします」


 ネックレスなんて抽象的なアドバイスを受けたけど、ネックレスだけじゃわからない。だけど、あんまり優奈を待たせるのも悪いので扉を開けて優奈の元へ


「お待たせ、優奈」

「ううん、待ってないよ」


 扉の前にいた優奈に一声掛けた。待たせたのに何もないってのはさすがに悪いし


「またどうぞ!」


 扉越しに店主の声がした。優奈はいつでも来る事ができるけど、僕はそうもいかない。


「さあ、次はどこへ行く?」


 歩いている途中で優奈にどこへ行きたいか聞かれたけど、どこへ行こうか?


「アクセサリーとか置いてある店かな」


 僕はラーメン屋で店主から教えられたアドバイス通りに優奈へプレゼントを買いたいけど、アクセサリーが売っている店なんて知らないからね。それに、利用するみたいになってしまうけど、優奈は基本的に僕の事を疑うなんて事しないし


「アクセサリー?光晃が行きたいならいいけど、光晃ってオシャレに気を使ってたの?」


 優奈にはオシャレに興味ないって言ったんだっけ?


「せっかく観光に来たんだから形に残ってそれでいて邪魔にならないものを買いたくてね」

「そう、じゃあ、行こうか?」

「うん」


 僕は優奈に案内され、アクセサリーが置いてある店へと向かった。


「ここが観光客がよく来るアクセサリーショップだよ」


 優奈に案内されたアクセサリーショップに来た。さて、優奈に怪しまれずに優奈へのプレゼントを選んで購入しますか


「さて、優奈の分、葵衣達の分と念のために僕の分のネックレスも買ったし、出ますか」


 僕は優奈に怪しまれずに目的のものを買う事ができた。


「買い物終わったの?」

「うん」

「じゃあ、出ようか?」

「うん」


 僕と優奈は店から出て駅前に向かった。商店街ともあって駅前に向かう途中、いろいろな店に立ち寄った。途中買い食いもしたし、2人で喫茶店にも入った。駅前に来た時にはすでに夕方になっていた


「光晃、本当に最後に来る場所は駅前でいいの?」

「うん。田舎で夕方の駅前だったらほとんど人がいないから話をするのにはちょうどいい」

「話?話なら家でもできるでしょ?どうして駅前で?」


 優奈の言う通り、話をするだけなら優奈の家や部屋でもできる。だけど、何となくここで聞きたいと思った


「夕日を見ながら優奈と話がしたかったんだよ」

「そう。それで?話って何かな?」


 さて、いよいよ本番だ


「僕と優奈は昨日出会ったばかりだけど、それにしては優奈は僕に対して警戒心がなさ過ぎるし、それに、優奈は僕の意見を1度たりとも否定しなかった。そう、まるで夫を立てる妻みたいにね。優奈、君は僕にとってどんな存在なのかな?」


 人の意見を否定しない人は探せば世の中にたくさんいるだろう。男に対して警戒心がない人もたくさんいる。だけど、髪は女にとって命とも言える。何とも思ってない異性に対して髪を簡単に触らせるなんて僕からしてみれば変だ


「…………それってどうしても言わないとダメ?」


 優奈にとっては言いたくない事なのかな?


「できれば聞きたい。このままだとギクシャクすると思うし」


 優奈が言いたくないのなら僕はそれでいい。だけど、できれば聞きたい


「別に隠す事じゃないからいいよ。光晃にとって私がどんな存在か?だよね」

「うん」

「光晃と私は許嫁。つまり、光晃にとって私は将来のお嫁さん」


 夕暮れの駅前で僕は衝撃的な事を聞いた。僕にとっては昨日であったばかりの女性が実は許嫁だなんて……どうなってるの?







今回は優奈から衝撃の事実を聞かされる話でした

光晃にとって優奈は許嫁でした!衝撃の事実を聞かされた光晃はどうするのか?葵衣と付き合っていながら優奈という許嫁がいる状態!みなさんなら現在付き合ってる彼女と許嫁、どちらを取りますか?

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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