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僕は葵衣に質問する

今回で本編は最終回です

今回は多分、イチャイチャするだけです

では、どうぞ

 僕、岩崎光晃は混乱している。その理由は彼女ができたその日に半同棲が決定したからだ。どう転べば付き合ったその日に同棲が決定するのか教えてほしい


「いつの間に半同棲が決定したの?」

「え?小谷先生に光晃と付き合うことができたら私も一緒に住んでいいですか?って聞いたらいいよって言ってくれたよ?」


 なるほど、真理姉さんが原因だったか……だけど、葵衣のご両親はそれでいいのかな?


「真理姉さんがいいなら僕はそれでいいけど、葵衣のご両親はいいの?」

「え?うちの両親は基本的に放任だし、小谷先生と両親が電話で話してOKしてくれたよ」


 どうやら僕の外堀は知らないうちに埋められていたらしい。でも、僕が振ってたらどうしてたんだろう?


「万が一にも失恋してたらどうしてたの?」

「それも込みで小谷先生に聞いたけど、光晃なら私を振ることなんてないって言ってたよ?」


 そりゃ、真理姉さんに僕が葵衣の事が好きだって話した記憶はない事はないけどさ


「はぁ……もういい」

「あ、荷物は明日届くからよろしくね!」

「はいはい」


 本当はいつアパートを引き払ったかとか、いつの間に引っ越しの準備をしたか等、いろいろ聞きたい事はある。だけど、なんかもうめんどくさいや……葵衣と真理姉さんの間で勝手に話し合って勝手に決めたみたいだし


「むぅ~、なんか投げやり~」


 そりゃそうだ。告白したその日に半同棲が決定し、僕が告白する前に外堀が埋められていた状態で投げやりにならない方がおかしい。特に僕の思考が追い付いていかないという意味で


「だって、僕の知らないところで勝手に半同棲の話が進んでいたんだから思考が追い付いてこないよ」

「でも、嬉しいでしょ?」


 そりゃ好きな人と一緒にいれるのは嬉しいけど、僕に何の相談もなく決めてしまうのはねぇ……


「そりゃ嬉しいけど、着替えとか日用品とかどうするの?」

「着替えは光晃のを借りるし、日用品は1日だけ借りて明日からは自分のを使うから。下着とかは持ってきてるし」


 僕の恋人は恐ろしく用意周到みたいだ。僕はもう何も言えないよ……まぁ、ここは真理姉さんの家だから僕は何かを言えた立場じゃないけど


「着替えとかはそれでいいとして、どこで寝るの?」


 この質問も無意味だなぁとは思うけど、その時になっていきなりじゃ困る。僕だって心の準備とか必要だし


「当然、光晃の部屋!」


 何が当然かは知らないけど、葵衣の中では僕の部屋で寝るのは決定事項みたいだ


「了解」

「あれ?驚かないんだね?」

「僕の知らないところでいろいろ決定してるのに今更驚かないよ」

「そ、そう……」


 葵衣もそうだけど、真理姉さんも帰って来たら仕返ししてやろう


「さてっと、葵衣ともう少し一緒にいたいけど、夕飯の用意しなきゃね」

「あ、それなんだけど、小谷先生が今日の夕飯は出前でいいって言ってたよ」

「あ、そう……」


 真理姉さん……ここまで狙って計画を立てられるなら普段もそれくらい考えて行動しようよ


「光晃?疲れてない?」

「大丈夫だよ」


 本当は疲れているけど、彼女に弱音を吐くわけにはいかない。僕は高校生で葵衣は女子大生だけど、僕は葵衣の彼氏だ。見栄くらい張りたい


「本当に大丈夫?」

「大丈夫だよ。大丈夫だけど、確かめたい事があるから葵衣とベッドで横になりたい」

「え……?」


 意外そうな葵衣。ひょっとして他にしたい事でもあったのかな?


「い、嫌なら別にいいんだけど……」

「嫌じゃない!光晃と一緒に寝たい!」


 ちょっと?葵衣さん?捉え方を間違えると誤解を招く言い方は止めてもらえる?


「やっぱり狭いね」

「あうぅぅぅ~」


 僕と葵衣は僕のベッドに2人で寝ているけど、元々1人用のベッドだから狭い。まぁ、2人で寝る用じゃないから仕方ないけどさ。それにしても、付き合う前には毎回僕のベッドに潜り込んできたクセにどうして今更真っ赤になっているんだろう?


「付き合う前には僕のベッドに潜り込んできてたクセにどうして今更赤くなるのかな?」

「だ、だって、あの時は小谷先生も一緒だったし……今更って言われても私1人で光晃と一緒に寝るのなんて初めてだし……」


 言われてみればそうだ。付き合う前は真理姉さんと葵衣の2人で僕のベッドに侵入してきたことはあっても葵衣1人でっていうのはなかった。つまり、真理姉さんと一緒だと恥ずかしくないけど、1人だと恥ずかしいというわけですか


「真理姉さんと一緒に侵入してきた時は僕にかなり密着していたくせに」

「あうっ!ひ、1人じゃ恥ずかしいけど、2人なら平気なの!」

「どういう理屈なの?」


 1人じゃ恥ずかしいけど、2人なら平気だっていう理屈がよく理解できない。酔っぱらった状態で抱き着くのは平気だけど、素面だったら恥ずかしいって言われた方がまだ理解できる


「と、とにかく!私1人で光晃と密着しているとドキドキするの!」


 これでもかというくらい顔が真っ赤な葵衣。そんな葵衣を見て僕にちょっとした悪戯心が生まれる


「そう?じゃあ、もっとドキドキしてみようか」

「え?え?ちょ、ちょっと、光晃!?」


 僕は真っ赤な顔をしている葵衣を抱き寄せた。ほんの数センチ顔を動かしたらキスできるんじゃないかというくらいに顔が近い


「どうしたの?葵衣?顔が真っ赤だよ?」

「そ、そういう光晃だって顔が赤いよ?」


 葵衣の最後の抵抗なんだろうけど、ここで誤魔化したり言い訳したりしたら葵衣に主導権を握られてしまうかもしれないから素直に言っておこうかね


「僕の顔が赤いのは葵衣と密着してるからだよ」

「そ、そっか……えへへ~」


 付き合う前で実習期間中とは違い、表情が緩みきっている葵衣。元々どこか抜けている部分はあると感じていたけど、付き合ってわかった事がある。それは、葵衣は自分の好きな人に対しては甘え癖があるという事だ


「真理姉さんと3人で寝ていた時にも思ったけど、このベッド狭いね」

「それはそうだけど……」

「ん?どうしたの?」

「むぅ~!彼女といるのに他の女の名前を出さないでよ!」

「ご、ごめん……」


 僕の彼女は独占欲が思った以上に強かったみたいです。


「全く!光晃は……」

「ご、ごめん」

「もう知らない!」


 どうやら葵衣は本気でヘソを曲げてしまったようだけど、どうしよう……


「キス……」

「キス?」

「キスしてくれたら許す……」

「わかった。じゃあ、こっち向いて」

「うん……」


 僕と葵衣は互いに見つめ合い、そして────────


「「痛ッ!」」


 唇を合わせたけど、互いに歯が当ってしまってファーストキス失敗。


「失敗……したね」

「うん……」

「ファーストキスはレモン味だってよく言うけど、違ったね」

「うん、私達のファーストキスは唇の痛さだったね」


 ファーストキスの味はレモン味なんて言うけど、僕達の場合は唇に痛みを感じただけだった。だけど、僕達にはこれからがあるし、キスする事だってたくさんある。焦らずゆっくりいこう


「もう1度する?」

「うん」


 僕達は再び唇を合わせた。今度は互いに歯が当らないように、それでいて互いの感触を確かめあうように─────────


「キス……しちゃったね」

「そうだね……」


 僕の唇には葵衣の唇の感触がほんの僅かに残っていた。葵衣の唇……柔らかかったなぁ


「光晃、顔、赤いよ?」

「そういう葵衣だって顔が赤いけど?」

「2人揃って顔が赤いって事だね」

「そうだね」


 僕は葵衣と付き合っても付き合う前と同じでいられる自信があったけど、実際のところは違った。葵衣と付き合ったら僕はキスしただけで顔が赤くなるほどの初心だったらしい


「キスもしちゃったし、これからどうしようか?」


 付き合った初日に行為に及ぶカップルもいるらしいけど、僕は責任も取れないのに行為に及ぶ気はない


「もうすぐ小谷先生が帰ってくるみたいだし待とうか?」

「そうだね。今日は出前でいいって言ってたし、夕飯の用意をしなくていいから楽だけどやる事がないって暇だなぁ……」

「だね……」


 夕飯の用意をする必要がないからやる事がない。やる事がない時は寝るに限るか


「やる事がないなら寝るしかない」

「光晃って寝るの好きだね」

「まぁね。僕の周囲って接してると疲れる人が多いから」

「そっか……ねぇ?光晃?」

「何?」

「膝枕……いる?」


 葵衣の膝枕は魅力的だけど、今は膝枕よりもほしいものがある


「膝枕はいらないけど抱き枕ならほしい。って事で」

「きゃっ!こ、光晃!?」

「ん?何?」

「い、いきなり抱きしめられるとビックリするんだけど……」


 いきなり抱きしめられたらビックリするだろうけど、葵衣の場合はこうでもしないと後ろ向きな考えをしそうだし


「不意打ちでもしなきゃ葵衣がネガティブ思考に陥るでしょ?」

「何も言い返せない……」

「それに、僕はこうして葵衣を抱きしめているだけで幸せだよ?」

「私も……」


 付き合う前にも思ったけど、女の人ってどうしていい匂いがして柔らかいんだろう……葵衣は特別太っているわけじゃないけど、柔らかい


『ただいま~、光晃?葵衣さん?』


 下から真理姉さんの声がした。声がしたって事は帰ってきたのか……もう少し葵衣と2人きりの状態でもよかったけど、真理姉さんが帰ってきたからには仕方ないか……


「真理さん、帰って来たね」

「だね。降りよっか」

「うん」


 僕と葵衣は真理姉さんを出迎える為に1階に降りた。真理姉さんに『ただいま』と報告をする為に


「「つ、疲れた……」」


 夕飯が終わり、風呂に入って寝るだけの状態の僕と葵衣。僕と葵衣の疲労はピークを越えていた。それというのも夕飯の時に真理姉さんに散々追及されたからだ。例えば、『葵衣さんは学校でした告白に返事をしたか?』と聞かれれば葵衣が『その告白はフラれてしまいました』と答え、それによって僕へ被害が来る。僕に被害が来たと思ったら今度は僕への質問として『私が家にいない間にちゃんと告白したの?』って聞かれたら葵衣が『はい!ちゃんと告白してくれました!』と答えた。それによって告白の言葉を真理姉さんが葵衣から聞き出すという負の連鎖に陥ってしまった


「光晃っていつもこんな感じで学校の先生に絡まれてたんだね……」

「そうだよ……真理姉さんはまだマシだけど、他の教師は念頭に自分が僕を更生させる、指導してやるって思いがあるから余計に疲れるよ」

「実習が終わって振り返ってみると北南高校って割と問題児しかいなかったんだね」


 実習が終わり、僕と恋人になった葵衣。付き合う前は控えめな方だったけど、付き合ってからの葵衣は僕に似たのか、教師に対して若干辛辣な意見を述べていた。ペットは飼い主に似るって言うけど、彼女は彼氏に似るのかな?


「そうだよ。ところで葵衣」

「ん?何?」

「教育実習生に告白されて断ったけど何か質問ある?」

「失恋に終わったらいっぱい質問したけど、光晃と付き合えたから質問なんてないよ!」

「そう」


 今日は疲れたし、このまま葵衣と2人で寝てしまおう……後の事は明日考えればいい。学校にバレた時には真理姉さんと僕の両親、葵衣の両親と口裏を合わせて言いくるめてしまえばいいしね。


今回で本編は最終回でした。

後は後日談をやったり光晃と真理の約束とか、教師や教育実習生が嫌いになった理由とかをやります!

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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[一言] ファースト…キス?前にしてなかったっけ?
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