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僕は初めて自分の主義に反する

今回は光晃が自分の主義に反します

光晃の主義って一体何なんでしょうか?

では。どうぞ

「「…………」」

「はぁ~、岩崎君、小谷先生」


 田中と呼ばれる女性教師が余計な事をしてくれたせいで僕と真理姉さんは現在、校長室にいる


「校長先生!!この2人に何とか言ってください!!生徒と教師が恋人同士なんて不潔です!!」


 この女は確認もせずに校長室に駆け込み、校長も校長で僕と真理姉さんの関係を訂正しようとしたけど、このバカ教師は聞く耳を持たずに癇癪を起し続けて現在に至る


「田中先生、落ちつて下さい。岩崎君と小谷先生は恋人同士ではありません」


 こんなバカな教師が多く存在する北南高校のトップであるこの人はある意味では可哀そうになってくる


「嘘です!!恋人同士じゃなければ一緒に登校するはずないじゃないですか!!」


 本当に人の話を聞かない女だ。どうして登校中に会ったとか思わないんだろう?一緒にいるだけで恋人同士と言うなら同性でもそれが成立する事になると思うんだけど……


「真理姉さん、この人っていつもこうなの?」

「うん、田中先生は異性関係にはかなりうるさく、委員会で男女が一緒に歩いてるところを見ても恋人だなんだと騒ぎ立てるよ」


 僕と真理姉さんは小声で田中先生について話し合っていた。いや、僕が田中先生について聞いてるだけなんだけど


「そこ!!私が真面目な話をしている時に何をヒソヒソ話をしているんですか!?」


 この人の渾名は今から癇癪の田中と呼ぶ事にしよう。思い込みが激しいだけなら寛大な僕は笑って許せるけど、思い込みが激しく、人の話を全く聞かない。それだけならまだしも、説明しようとすると顔を真っ赤にして怒る。まるで子供の癇癪だ


「別に、ただ、田中先生は本当に人の話を聞かないなぁと思いまして」


 癇癪の田中には少しお灸を添える必要があるみたいだね。というか、北南高校って別の学校で問題を起こして飛ばされた教師の巣窟なんじゃないかな?


「な、何ですって!?」


 事実を言っただけでこれだよ……この人はよく教育実習合格したよね。実習生がこんなだったら僕は嫌だ


「事実でしょ?小谷先生が僕との関係を説明しようとしても話を聞かないし、校長先生の話すら聞かない。それでも人の話はちゃんと聞いている、私は悪くないって言えますか?」

「聞いてるわよ!!少なくとも指導しようとした教師を片っ端から退職に追い込んでいる岩崎君よりはマシだと思うけど!?」


 自分のしてきた事だから言い訳はしないけど、少なくとも僕に絡んできた教師は指導をしようとしていただなんて思わない。あれはストレス解消か、教師に反抗している生徒を更生させたというステータスを得る為の何かだと思う


「指導ね……口がダメなら暴力に訴えるような指導────ヤクザよりも質が悪い絡みかたをされて迷惑しているんですけど?」


 男性教師なら少し言えば暴力に訴えようとするけど、女性教師は癇癪を起す。うん、僕は今日学んだ


「そ、それは岩崎君が私達に逆らうからでしょ!?」


 この女も学校は教師の為にあるとか思っているタイプの人間か……


「た、田中先生!!さすがに今のは言い過ぎですよ!!」


 真理姉さんの怒声が校長室に響く。ここは音楽室じゃないし、朝から怒鳴り声を聞かされる身にもなってほしいんだけど……


「小谷先生、田中先生、落ちつて下さい」


 校長が落ち着いていてくれて助かった。校長まで冷静じゃなくなってたら僕は何も言わずにこの部屋を出て行くところだった


「「しかし!!」」


 真理姉さんも田中先生も冷静ではないのは明らかなんだけど、傍から見てると子供の喧嘩よりも質が悪い


「校長先生、僕はもうよろしいでしょうか?」


 真理姉さんと田中先生の子供の喧嘩以下のやり取りにうんざりだし、教室に行って寝たいしとまぁ、結論から言うと僕がこれ以上ここにいる理由なんてない


「そうですね、小谷先生と田中先生が無駄なやり取りをしているだけなので退出して頂いて構いませんよ」


 校長も教師同士の不毛な争いをこれ以上僕に見せたくないのか退出を許可してくれた


「では、失礼します」


 僕は校長先生に一礼して校長室を出ようとした。だけど────────


「岩崎君!!話は終わってませんよ!!」


 田中先生によって止められてしまった。先程まで真理姉さんと言い合いしてなかったっけ?この人


「何ですか?僕としては小谷先生との関係を校長先生が把握しているだけで十分なんですけど?」


 田中先生が僕と真理姉さんの関係を知る必要はない。校長と教頭が知っていてくれているだけでいい。そもそも、生徒の家族を教師が知らない時点でどうかと思うけど


「私だって教師です!岩崎君と小谷先生の爛れた関係を見逃すわけにはいきません!!」


 従姉弟同士のどこが爛れた関係なのか教えてほしいんだけど……っていうか、そろそろウザい


「人の話を聞かず思い込みだけで判断し、挙句、校長先生にまで迷惑かけているバカな女教師の話を僕はこれ以上聞きたくないって言ってるの理解できないのかな?」

「なっ!?岩崎君!!教師に向かってなんて口を利いてるの!!」


 教師に向かってねぇ……学校って生徒がいて初めて成り立つものじゃないの?生徒がいなければこの学校だって存在すらできない。つまり、この学校の教師の仕事がなくなるって自覚ないのかな?


「学校は教師の為に存在するんじゃないよ?まぁ、君が異性関係にやたら目くじらを立てているのは彼氏ができないからとか、学生時代、男性に酷いフラれかたをしたからだと思うけど……アンタの恋愛事情や過去なんて関係ないか」


 このバカ女の恋愛事情や過去なんて今は関係ないけど、僕にとってはこの上なくどうでもいい。興味ないし


「きょ、教師に向かってタメ口なんて!!君は一体どういう教育を受けてきたの!!」


 どうやら僕の言った事は図星だったらしく、話をすり替えようとしている


「僕がどういう教育を受けてこようと関係ないでしょ?そっちこそ親に人の話はちゃんと聞けって言われなかった?」


 人の話を聞かないバカにどういう教育を受けてきたかなんて言われたくない


「あ、あなたは教師に逆らう気ですか!!」


 あ、これ以上話をしていても無駄なタイプだ。これ以上話をする気はないけどね


「そうですよ。そもそも、僕が指導しようとした教師を退職に追い込んでいる事を知っているなら逆らってくる事なんてわかりきっているでしょ?これ以上は無駄なようですね」


 これ以上話をしていても無駄と判断した僕は校長室を出ようとした。しかし──────


「待ちなさい!!」


 バカ教師に肩を掴まれ、それを阻止されてしまった。僕としては女性に手をあげるのは主義に反するんだけどな……言ってわからなければ仕方ないか


「待つもなにも僕には話なんてないんですけど?肩を離してくれませんか?」


 男性教師にしつこく絡まれる事はあっても女性教師は大抵が口で言ったら解放してくれる。だけど、このバカは違うみたい


「ダメです!!まだ指導は終わってません!!」


 自分の意見を一方的に押し付ける事のどこが指導なんだか……そう思っているのは本人だけだって自覚はないんだろうかね?


「指導していると思っているのはあなただけで僕は指導されているとは思ってません。絡まれて迷惑しているとは思ってますけど」

「なっ!?」

「意外ですか?自分は指導していると思っていて生徒も同じ事を思っていると、本気でそう思っていたんですか?そうだったらとんでもない思い込みですね」


 あくまで僕個人の意見だけど、この調子で絡まれている生徒は多分、僕と同じように思っているだろうと思う


「生徒達だって同じ思いです!!私が指導して良い方向に向かっているはずです!!」

「それは君の思い込みだよ。っていうか、いい加減に香水臭いから離してくれない?」


 自分はいい匂いだと思って香水をつけているけど、他の人からしたら悪臭でしかないなんてよくある話だ


「ダメです!!話が終わるまで離しません!!」


 意見を押し付けるだけの話し合いがあってたまるかと思うけど、この人は本気でそう思っている節がある


「いい加減離せよ。このバカ教師」

「きゃっ!?」


 そろそろ本気でうっとおしいので僕の肩を掴んでいる手を振りほどく


「じゃあ、僕はこれで失礼します」


 どうやら僕の主義に反する事をしないで済みそうだ


「待ちなさい!!」


 無理やり手を振りほどかれたというのにそれでも僕に向かってくるバカ教師。教師って学習能力がないのかな?


「しつこい」

「グエッ!!」


 主義に反する事をしなくて済みそうだという言葉は取り消したい。僕はしつこく絡んできたバカ教師に腹パンを1発入れた。女性という事で顔は止めておいたけどね


「女だから顔に蹴りを入れる事はしなかった。腹パンで助かったね。ま、これに懲りたら少しは人の話を聞く事と僕に絡んで来ない事以上」


 倒れたバカ教師をそのまま放置し、僕は校長室を出た。校長室を出る前に校長に教師に腹パンした事に対し罰がないのかを聞いたところ─────


『今回のは話を聞かなかった田中先生に非がありますから。ですが、無闇に人に手をあげてはいけませんよ』


 との事で、校長による注意だけで終わってしまった。本当は女性を手をあげるのは主義に反するんだけどね


「朝から疲れた……」


 思い込みが激しく、オマケに人の話を聞かない教師に絡まれたせいで僕はHRどころか授業を受ける気にすらならない


「サボるか」


 昨日も授業をサボったけど、今日は別の理由でサボりたい。よし、サボろう


「サボるのはいいけど、保健室とサボりスポットのどちらに行こうかな?」


 サボりスポットに行けば真理姉さんに見つかる可能性がある。だけど、保健室に行けば水沢先生(長女)と嫌でも顔を合わせる事になる。どちらを取るか……いや、サボりスポットには地下室があるから真理姉さんに見つかる事もないか


「サボりスポットに行ったら地下室に籠ろう」


 サボりスポットに着いたら地下室に籠る。真理姉さんに見つからず、平和にサボれる!


「結論が出たところで急ぐとしよう」


 今日の僕は調子が悪い。保健室に行くのも億劫になるほどに。そうなった原因は教師の方にもあるからこれくらいは許されてもいいと思う

今回は光晃が自分の主義に反しました

校長がある意味で適当な性格で助かった部分が・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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