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僕は教師と何度目かの対立をする

今回は光晃が何度目になるかわからない対立をする話です

今回で12日目が終了します

では、どうぞ

「岩崎……これが終わったら別室に来い。この授業の振り返りをする」


 真理姉さんによって僕は別室に呼び出されてしまった。今回は生徒指導室じゃないところを見るとこの授業の振り返りという名の教師と巡回指導による実習生イジメが行われるという事か……まぁ、いいや。水沢先生の印象を悪くしない方向でコイツ等もイジメてやろう


「わかりました」


 僕の了解と共に授業が終了した。恨むなら僕じゃなくて授業中に割り込んできた野呂を恨んでね。僕は関係ないから


「さて、岩崎。野呂先生に失礼なもの言いをした言い訳はあるか?」


 別室───正確には視聴覚室に連れて来られた僕と水沢先生。水沢先生はともかくとして、どうして僕まで……教育実習生じゃないのに


「はぁ、言い訳ですか……」


 高校の教師としては来校者に無礼を働いた生徒を指導しなきゃいけないみたいだけど、北南高校の教師ごときに指導される僕ではない


「そうだ。何か言いたい事があるなら今のうちに聞いてやる」


 上から目線の真理姉さん。そして、僕に集まる教師共の視線。教師達の視線が言っている。今ならいつも歯向かう岩崎を指導できると。真理姉さんはともかく、僕は他の教師にハメられたという解釈でいいのかな?


「そうですね。言い訳を聞いていただけると言うなら遠慮なく言わせていただきましょうか?」


 僕としては野呂も気に入らないけど、生徒を犠牲に大学の人間を潰そうとし、恩を着せるつもりはないけど、助けようとした生徒を掌返しとも取れる指導。遊び道具には持って来いの人間達だね


「いいぞ。何でも言ってみろ」


 身内といえど容赦はしないけど、その辺りは理解してもらいたいね


「じゃあ、言いますね。まずは高校の教師陣にですけど、教育実習生を指導するのは本来なら教師の仕事なはずですけど、1人の実習生の指導───主に指導案作成ですが、それを添削、指導もせずに生徒に丸投げし、1人の実習生の指導は前任の担当が急病により入院した。そこは構いません。教師だって人間ですから。ですが、その教師の後任も決めずに実習生を放置し、生徒に指導案作成を手伝わせる。職務怠慢もいい加減にしろよ?このゴミ教師共」


 僕の言い訳───不満に何も言えなくなる教師陣。そりゃ当たり前か。こんな事が外に漏れれば北南高校の入学希望者も実習希望者も大幅に減るし、信用にも関わる。主に指導力的な意味で


「い、言い訳はそれだけか?」


 どうにか持ち直した真理姉さんが問いかけてくる。水沢先生はさっきから不安そうに僕の方を見ているけど、この学校を退学になったら僕は海外へ行くつもりだし、水沢先生が実習を打ち切りになったらそれこそ僕はこの人を連れて行く


「そうですね。高校の教師陣に対する不満は今日のところはこれくらいにして、次は大学に対する不満に行きましょうか。僕は実習が打ち切りになったあの人が北南大学から来た実習生だって今日初めて知りました。それを込みで言いますが、北南大学では実習先の学校で自己判断で生徒を指導しろと教えているんですか?口がダメなら暴力に訴えろと?生徒に人権はないと教えているんですか?どうでもいいですけど、北南大学の教職課程を教えている人間は何をしているんですかねぇ?」


 大学への不満に黙り込んでしまう野呂。ネットに書かれていた書き込みや僕の持っている動画や音声がどれくらい本当かは知らないけど、野呂からしてみれば自分の今までの行いを高校の教師や生徒にバラされたんだ。今日は踏んだり蹴ったりだね。全く興味ないけど


「い、岩崎君、今のは言い過ぎなんじゃないかな?」


 この期に及んで教師陣と野呂を庇おうとする水沢先生。お人好しにも限度があるんじゃないかな?


「水沢先生。こんな仕事もしない、自分の立場が学生の人生も左右しかねない立場だって自覚もない連中に容赦するなんて僕はしませんよ」

「で、でも……」

「僕は正義感が強い方ではありません。ですが、仕事もしない、立場を利用して学生を脅すような連中に指導されたくないから言うんです」


 僕を指導したいなら仕事しろ。自分の立場を理解しろ。僕が言いたいのはそれだけなんだけど


「岩崎君!!」

「わかりましたよ。この教師連中と野呂先生が使い物になる程度に済ませておきますよ」


 水沢先生が悲鳴のような声で僕を呼び、今にも泣きそうな表情で僕に懇願してくるので再起不能になるまでは勘弁して、ゾンビのようになるまでくらいにしておこう


「そ、それならいいよ」


 言いたい事はいろいろあるけど、仮にも自分が実習をお願いした高校の教師陣と自分の指導を担当して頂く人間が潰されるという事については止めないんだ……


「さて、水沢先生からお許しが出たんで続けますが、教師は仕事をサボり、大学の巡回指導は詩文の立場を利用するなんて……アンタ等は子供以下だな。子供だって自分のするべき事はするし、年下には優しくするぞ?まぁ、時々年下の子を苛めて遊んでる奴もいるけどね。僕が言いたいのはこの場にいる指導者を名乗る奴等はバカだっていう事なんですけど、それについて言い訳か何かありますか?」


 言い訳をする側が言い訳を聞く側になった瞬間だった。さて、ここからどう切り返してくるのかな?


 結論から言うと教師陣も野呂も黙ったままだった。どうしてコイツ等は言い訳の1つもできないのかねぇ……


「ダメだと思ったら沈黙ですか……それで水沢先生の実習日誌には『一般常識に欠ける部分があります』とか『字が汚いです』とか書いてると思うと呆れますね。一般常識に欠けているのはアンタ等教師じゃないのかな?」

「岩崎!!」


 真理姉さんが僕を怒鳴りつける。怒鳴られたところで怖くも何ともないんだけどね?


「さっきから小谷先生以外の先生は口を開かず、小谷先生は口を開いたと思ったら僕を怒鳴る。底が知れてるというか、器が小さいというか……まぁ、いいです。野呂先生?貴方は言い訳しなくていいんですか?」


 教師と話ていても埒が明かない。野呂に言い訳してもらおうか?


「わ、私は……自分のした事や自分が教えてきた事が間違いだった事に気が付いた……第三者から聞かされると本当に情けない事をしていたんだと実感させられる。今更言い訳はしないさ」


 この場を凌ぐ為に言っているのか、それとも、心から言っているのかは知らないけど、僕に向かってくる気力は感じられない


「そうですか。まぁ、思い上がりのバカに実習を受けさせるような大学の人間ですからね。その言葉も信用できませんが、それは置いておきましょう」


 指導力皆無の奴を実習に出す大学から来た人間だから信用はできないけど、それは置いておいて、そんな奴でも役に立つ事がまだ残っているし


「…………そ、そうか」


 野呂の表情は教室とは打って変わり悲しそうな表情をしており、その視線は憐れむようなものだった


「野呂先生の事はいいとして、教師の皆さんはどうします?自分達に指導力がないって言われてまだ続けますか?」


 野呂が抵抗を止めたので残るは教師陣だけだ。さてどうする?できればもう僕には構わないでほしいんだけど?


「ふう、これは先生方の生徒・教育実習生の指導について1度話し合わなければならないみたいですね」


 校長がこのピリピリした空気でようやく口を開き重い腰を上げた。


「こ、校長先生、それはどういう意味でしょうか?」


 真理姉さんの隣りに座っていた男性教師が口を開く。どういう意味って、そのままの意味でしょ。北南高校の教師が指導力に乏しいからその話し合いをしましょうねって事でしょ


「そのままの意味ですよ。岩崎君の話を聞いてる限りじゃ教育実習生の指導は先生方じゃなく岩崎君がしていたみたいですし、私の不手際とはいえ、教育実習生を指導する先生が倒れて後任を決めていなかった事についても改善しなければならないようですし」


 なんて滑稽なんだろう。僕を指導する目的でこの場に呼ばれたはずなのに逆に教師の不祥事が発覚し、それについての話し合いをするハメになるなんて


「そ、それはちょっと……」


 真理姉さんでさえ校長の提案にたじろいでいる。まぁ、水沢先生のサポートという名目で教育実習生の指導を押し付けてきたんだし、当たり前の事だけどさ


「これは決定事項です!異論は認めません!」


 校長の一喝により真理姉さんを含む教師陣は何も言い返せなくなったしまった


「水沢先生、今回の研究授業よかったですよ。指導案を拝見しましたが、とてもよくできたと思います」

「あ、ありがとうございます!野呂先生!」


 具体的なアドバイスは何かないのか?だなんて空気の読めない事は言わない。それに、早く終わるのは僕にとってもいい事だし


「何かいい感じで終わりそうなんで僕はこれで失礼してもよろしいでしょうか?」


 教師関連のゴタゴタに巻き込まれる前にさっさと退散してしまおう。じゃないと全く身に覚えのない濡れ衣を着せられる。僕はアタフタしている教師達と野呂先生と話し込んでいる水沢先生を残し、視聴覚室を後にした


「全く、勘弁してほしいよ……」


 本当に勘弁してほしい。この学校の教師は何も学習しない。ちゃんと指導するとか、責任を持って何かをすると口では言っても所詮は口だけで結果が伴っていない


「野呂が水沢先生の評価をどう下すかはわからないけど、まぁ、自分のしてきた事が事なだけに変な事はできないだろうね」


 授業を妨害したんだから水沢先生の実習が不合格だったら僕は野呂のした事を大学の事務に言いつけてネットに拡散しようと思う


「水沢先生を合格させてくれる事を祈るよ。野呂先生」


 誰に聞かせるわけでもなく1人呟く。水沢先生だけではなく、羽山先生の実習も合格にさせてほしい。だけど、それは巡回指導員次第だ。


「はぁ……教師の指導力を考えたら入学する高校を完璧に間違えたなぁ」


 僕は入学する高校を間違えた。いや、真理姉さんに言われ何となく従った僕もどうかしていた。だけど、真理姉さんを含めて北南高校の教師が人として、教師としてここまで怠け者だとは思わなかった


「今からでも本気で転校を考えるかな」


 真理姉さんに本気で転校を相談しよう。水沢先生の研究授業が終わった昼下がり僕は転校を考え、家に帰ったら真理姉さんに相談しようと思った。この後の授業を受けたかどうかなんて僕はいなかった。そして、家に帰ったら真理姉さんとは互いに一言も口を利かなかったという事を補足しておこう

今回は光晃が何度目になるかわからない対立をする話でした

今回で12日目が終了し、次回からは13日目になります。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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