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僕は巡回指導に問いかける

今回は巡回指導のした事をバラす話です

大学の人間相手にどう動くのか?

では、どうぞ

 水沢先生の授業を妨害しただけではなく、僕を嘘吐き呼ばわりしたんだ。それ相応の責任を取ってもらおうかな?僕にとってはこの学校の教師もこのオッサンもどうなろうと知った事ではない


「さて、プロジェクターの準備もできた事ですし、貴方がしてきた事をここで公開しますね。止めるなら今のうちですけど、どうしますか?」


 今は研究授業の途中であり、教師と生徒が見ている。このオッサンはこの映像と音声を流された後でも同じ態度でいれるかどうか見ものだね


「別に私には疚しい事なんて1つもないから別に構わないがね?君はいいのかね?」

「何がですか?」

「今から流す音声と動画が私じゃなかった場合は君を名誉棄損で訴える事になるけど、それでもいいかと聞いているんだよ」

「別に構いませんよ?」

「後悔するなよ?」


 自分のした事が証拠として残っているはずがないと高をくくっているのか、オッサンは余裕の態度だ


「しませんよ」


 このオッサンの評判はある程度聞いているし、それに生徒に暴力を振るおうとした奴の方を一方的に信じている辺り僕が負ける事はない


「そうかね!では、流したまえ!」


 僕の態度が気に入らないのか、声に怒気が混じっている。さて、どうなる事やら……


「そんなに声を張り上げなくても流しますよ」


 僕はデスクトップに保存してある動画を流す。ま、デスクトップだけに保存してないけど、それは言う必要ないよね


 動画と音声の内容を前もって確認していた僕だけど、改めて見聞きしても酷い内容だった。主な内容としては、単位を盾にして女子学生に強引に関係を迫る、立場を利用して学生の卒業を脅かす。主な内容としてはこんな感じだけど、やり方が狡いのと被害に遭った人数が多かったというところだ


『の、野呂先生、私が先生とデートしたら卒業させてもらえるんですよね?』

『ああ、もちろんさ。私と1日過ごしたら卒業論文の単位はあげるよ』


 今のはこのオッサン───野呂(のろ)が学生にした事の本の1部だけど、なんて言うか三流以下の悪党みたいだ


「これは貴方で間違いありませんよね?野呂先生?」


 このオッサンを先生とは微塵も思ってないけど、皮肉の意味を込めて先生と呼んだ。今朝、真理姉さんからセクハラ、パワハラで有名だという事を聞いていたけど、この映像を見た時に僕が感じたのはコイツは質の悪い子供だ。そう、権力という名のオモチャを手にしてはしゃいでる子供だ


「こ、これは私ではない!!」


 野呂は大声で否定してみせる。だけど、音声だけなら合成とかいくらでも言い逃れができただろうけど、これは動画だし、僕のような高校生や一介の大学生では動画関係や音声関係に詳しくない限りは合成はできない。遠目だから完全に本人と断定するのは難しいけど、慌てている様子を見る限りじゃ本人で間違いないだろうけど


「違うのならどうして大声でしかも汗までかいて否定しているんですか?」


 動画は全てが遠目から撮影されたものだから絶対に本人だという確証はない。音声は動画とは違いハッキリと聞き取れるものが多かったけどね


「あ、いや、私も一応は大学でそれなりの立場にある人間だし、岩崎君達の学年で我が大学に進学しようって思っている生徒も中にはいるとだろ?大学のイメージを考えると全力で否定したくもなるさ」


 大学のイメージを守るという事で筋は通っている気がしないでもないけど、動画と音声で被害に遭ったであろう学生はバッチリ野呂って言っているし、音声に至っては野呂の声がモロ録音されているので今更になって取り繕っても遅いと思うけど?


「ですが、この動画や音声ではバッチリ先生の声が入っていますし、遠目からですが、姿が貴方ですよ?それについてはどう弁明するつもりですか?」


 別に違ったら違ったで別の方法を考えるからいいけどね


「そ、それは……そう!世の中には私と似た体形の人間なんて五万といるだろ?動画だって別の先生を私と間違えてるだけだよ!」


 どこまでも言い訳するつもりか。ま、僕としてはそっちの方が張り合いがあるからいいけどね


「そうですか。では、実際に被害者達の声を実際に見てみるとしましょうか?」

「は?被害者の声?君は実際にウチの大学に知り合いがいるのかね?」


 被害者達の声を見てみると言った瞬間、野呂は強気に出てきた。僕には北南大学に知り合いはいないけど、北南高校も北南大学もそれなりに有名だから知り合いなんていなくても大学の評判やそこに通っている学生が何を感じているかなんて簡単に調べられる。


「知り合いはいなくても調べるだけならできますよ?」

「は?調べる?君は何を言っているのかね?」


 なるほど、コイツはインターネット関係にはあまり詳しくないクチの人間か


「まぁ、見ていてくださいよ」


 僕は動画と音声ファイルを一旦閉じ、ネットに接続し、検索サイトでとあるワードを検索する


「どんな事をしても君が私に関する事を調べるなんて不可能だと思がね。まぁ、せいぜい頑張りたまえ」


 このオッサンは僕が大学のデータベースか何かを検索しようとしていると思っているだろうけど、データベース?そんな仰々しいものにアクセスなんてしないよ?するのは─────────


「ま、当然あるとは思ってたけど、本当にあるとは……」

「何があったのかね?」

「見ればわかりますよ」


 北南大学スレ。大学のホームページだったり、口コミサイトだったら具体的な事は書いてないけど、スレなら割と詳しい事が書いてある


「なっ!?これは……」

「そう、北南大学のスレッドですよ。貴方は僕がネットで検索している最中に止めませんでしたが、それは検索ワードの意味が理解できなかったからでね?まぁ、教師も理解できないと言った感じでしょうが、生徒達の中には理解できた人がいたみたいですよ?さて、理解できた人がいるかとかは置いておいて、随分と評判悪いみたいですね。野呂先生」


 検索で『北南大学 スレ 野呂』というワードで検索した結果、北南大学のスレが出てきたのはいいけど、北南大学野呂被害者スレが出てきたのはビックリした


「な、何だね!?これは!!」


 今までは引きつった笑みを浮かべたり、余裕の態度だったりの野呂だったけど、いよいよ余裕がなくなってきたのか声を荒げた


「何って貴方が単位を盾に関係を迫ったり、強引に言う事を聞かせてきた結果ですけど?」


 このスレができたキッカケはおそらくだけど、在学中の学生が野呂の行いについて大学側に相談した。だけど、大学の方では何の対処もしなかった。行き場を失った不満や野呂に対する怒りをぶちまける場所がほしい。そんなところかな


「わ、私はこんな事していない!!」


 僕の持っている動画や音声よりも掲示板の書き込みの方が酷かった。『野呂に関係を迫られて、従った結果、彼氏と別れた』『野呂に逆らうと暴力を振るわれて従うしかなかった』『逆らったら殺されるから逆らわないほうがいい』等の書き込みが多々あったけど、スレ民の意見は総じて『早く辞めてほしい』という書き込みが多かった


「こんな事をしてないならどうしてこんな書き込みが存在するんでしょうかね?」


 人間関係において多少の不満はあるだろうし、人前に出たり、小説とかをネットに公開したりしているとアンチが湧いてくるのもわかるけど、多くの人が辞めてほしいと願うような人間に僕は出会った事がない


「そ、それは……」


 このオッサンに答えられるわけがない。教師もそうだけど、いざとなれば学生を身代わりにして難を逃れようとする。教師の場合は生徒だけどね


「答えられませんよね?自分がしてきた事が学生にとってどれだけ嫌だったかなんて考えた事なさそうですし」


 このオッサンもこの高校の教師も自分のしてきた事を振り返る事なんてしないだろうから自分のしてきた事が悪い事だったり、学生や生徒にとっては酷い裏切り行為になるんじゃないか?とは思わないみたいだし


「わ、私は学生の事を第一に考えてきた!」


 スレッドの書き込みを見てもなお学生の事を考えてきたと言う野呂。だけど、学生からしてみればそうではないというのはスレの書き込みが証明してくれている


「そうですか。じゃあ、学生と貴方の間に認識の違いがあったのでしょうね。まぁ、この音声と動画は大学に送らせてもらいますからそのつもりで」


 僕は北南大学に進学する予定は今のところないし、このオッサンがしてきた事が表に出てニュースになろうが、それが原因でこのオッサンが大学をクビになろうが知った事ではないし、最悪、大学が潰れようとも僕には何の関係もない。


「そ、それは止めてくれないか?」


 いい歳をしたオッサンが高校生の僕に縋りつく。この場にいる人間全員が情けないと思っているだろうね。だって、冷めた目で野呂を見ているし


「うーん、どうしましょうかね?僕は別に貴方がどうなろうと全く興味ないんですけどね。あ、でも、僕はさっき貴方に嘘吐き呼ばわりされましたっけ?」

「そ、それは謝る!だ、だから、大学に報告するのは止めてくれないか?」


 このオッサンにとっては動画や音声が存在する事やネットで悪く書かれている事は何とも思ってないだろうけど、その動画や音声を大学の方に送られるのはマズイみたいだ


「でも、水沢先生の授業を妨害した挙句、実習先の学校の生徒を嘘吐き呼ばわり……まぁ、大学に送らないって選択も僕にはありますが、そうですね。水沢先生が無事に教育実習を合格したら僕は全てを黙っていてもいいと思っています」

「ほ、本当かね!?」

「ええ、水沢先生が無事に教育実習を合格したらですけど」


 水沢先生に教員としての素質があるかどうかなんてわからない。だけど、この学校では指導案は教科指導担当が本来なら指導案の作成指導をするはずなのに生徒である僕がやった。今回の研究授業では授業終了まで残り少ない時間ではあったけど、妨害してまで教育実習生をイビった。他の生徒は今回の事だけ知っていると思うけど、僕は全てを知っている


「だ、大学には私から水沢先生の授業は大変すばらしいものだったと報告しておこう……」

「そうですか。ですが、そんな賄賂みたいな形で教育実習に合格して水沢先生は満足するでしょうか?」


 野呂の根本的なところは変わっていない。自分の保身の為なら学生を犠牲にする。それが学生にとって有利なものか、不利なものかの違いだけであって



今回は巡回指導のした事をバラす話でした

光晃が今回相手にしていたのは大学の人間なのでこのような形になりました。処刑って程のものではなかったようにも思えます。ネットの掲示板の書き込みは半分信じて半分信じないといった感じでしょうか

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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