僕だって人並みに恋をする
今回は光晃が理想の女性像について語ります
ようやく光晃が普通の男子高校生になってきました
では、どうぞ
「今日も1日頑張るかな」
昨日は羽山先生の指導案作成と水沢先生の授業練習という2人の教育実習生の手伝いをした。本来であれば指導案作成は実習生とその学校の教師がやるものだし、授業の練習だって教科指導が見るものだと僕は思う。だけど、それを生徒にやらせるとは……この学校の教師は本当に仕事をしないな
「光晃!」
教室について早速うるさい奴に話し掛けられた。昨日といい、今日といい最近の僕は本当についていないと思う。
「何かな?秀義」
どうせまたくだらない話だろうとは思うけど、一応は返事を返しておく。別に無視してもいいんだけど、無視したらうるさいし
「今日で教育実習生がきて10日目だが、誰かいい人いたか?」
何を言っているんだ?コイツ?教育実習生を恋愛対象として本気で見ているのか?バカじゃないのか?
「言ってる意味がよくわからないけど病院行く?」
「いや、病気じゃないから」
いきなり教育実習生を品定めするような発言する奴は病気だと思うけど?
「いきなり教育実習生を品定めするような発言する奴は頭がおかしいとしか言いようがないんだけど」
「光晃は教育実習生の先生2人と密室で関わったわけだけど、いい人いなかったのかな?って思って聞いただけなのに酷い言われようだな」
「当たり前でしょ。秀義がどういう意味で教育実習生がいい人と言っているかは知らないけど、僕にとって教育実習生は恋愛対象に入らないし、誰かいい人って言っても教育実習生は2人だけでしょ」
問題を起こさなければ教育実習生は3人いたけど、1人は暴力事件を起こして実習が打ち切られた。その結果、水沢先生と羽山先生の2人だけになってしまった。
「光晃って本当に頭が固いよな~、もう少し男子高校生らしく年上女子っていいよなくらいは思わないのか?」
年上女子ね……それだと3年の先輩も年上女子に入るけど、その辺はどうなんだろ?
「秀義、年上女子なら水沢先生と羽山先生だけじゃなくて3年の先輩でもいいと思うけど?その辺はどうなの?」
「いや、なんて言うか、公にできない関係での恋愛だから燃えるものがあるから3年の先輩はないな」
秀義の年上女子が好きなところは禁断の関係での恋愛をしたいと思うようになったみたいだけど、僕にまで自分の恋愛観を押し付けないでほしい
「秀義、今、3年の先輩と先輩と付き合ってる人を全員敵にまわす発言してるって自覚している?」
「え……?」
「いや、“え……?”じゃなくて、周り見てみたら?」
「俺達の話なんて誰も聞いてな────この話は止めよう」
秀義が周囲を確認すると教室中の殺意に満ちた視線と軽蔑の視線が集中していた。殺意に満ちたを送っている男子は3年の先輩と付き合っている奴だろうし、軽蔑の視線を送っている女子は……言うまでもない。女性をものとしてしか見ていないと取られかねない発言をした秀義が悪い
「恋バナを振ってくるのはいいけど、考えて発言しようね」
年上女子が好きだろうとそれは人の好みだからとやかく言う事はしないけど、否定的な意見は大声で言わない方がいい
「お、お前、本当に光晃か……?」
「秀義、それはどういう意味かな?」
失礼な奴だ。僕が岩崎光晃以外の何に見えるというんだ?特撮映画じゃあるまいし、僕に変装した別人だとでも言いたいのかな?
「今までの光晃なら恋バナする事を容認するだなんて事ありえなかっただろ?」
言われてみればそうだけど、それは必要のない事だったからしなかっただけで僕だって人並みに恋をする
「その手の話をする必要がなかったからしなかっただけで僕も健全な男子高校生だよ?恋バナに興味暗いあるさ」
「そ、それは意外だった……」
“それはどういう意味かな?”とは聞かなかった。今までの行いを考えるとそう思われても仕方のない事だからね。
「そう?僕だって人間だって事をわかってもらえて何よりだよ」
秀義の評価を変えたところでどうして僕に恋バナを振ってきたかを聞いてみようかな?
「おう!光晃も人の子だって事はわかった!」
「僕が人の子だってわかった秀義はどうして僕に恋バナを振ってきたのかな?」
前にも秀義に恋バナを振られたけど、今回は具体的だと思う。ここまで秀義が踏み込んだ恋バナを振ってくるって事はなにかある
「い、いや、光晃と恋バナをするのもいいかな~と思っただけだぞ?」
そんな挙動不審な感じで言われても説得力はないよ?本当の事を吐いてもらおうかな
「建前はいいから本当の事を言ってくれないかな?」
「うっ……言わないとダメか?」
言いたくないのかな?それとも、言えない理由が何かあるのかな?
「別に言わなくてもいいけど、僕だって本当の事は言わないよ?」
秀義が僕から何を聞き出したいかは知らないけど、本当の事を言わないと僕だって本当の事なんて言わない。
「わ、わかった!言う!言うから本当の事を言ってくれ!」
「最初からそう言えばよかったのに……」
傍から見れば上から目線だなと感じるだろうけど、話を振ってきたのは秀義の方で、秀義は僕から何かを聞き出そうとしているのは明らかだから多少の上から目線は許してもらってもいいと思う
「ごめんなさい」
「うん。で?どうして今回は踏み込んだ内容の恋バナを振ってきたのかな?」
「じ、実は……」
「実は?」
「実は理沙と水沢先生に頼まれてな……」
あの2人は一体何を考えているんだろう?僕の恋愛に対する価値観や好みの女性を聞いたところでいい事なんて1つもないのに……
「何を頼まれたかは知らないけど、秀義は僕に何を聞きたいの?」
理沙と水沢先生が僕の何を知りたいかは知らないけど、秀義の質問を待つとしようかな?これじゃ恋バナじゃなくて合コンとかそっちの方が表現的に正しいんじゃないかな?
「理沙と水沢先生からは光晃の好みの女性と結婚したら何をしたいかを聞いてくれと頼まれた!よって聞きたい事は光晃の好みの女性とその女性と結婚したら何をしたいかを答えてくれ!」
突然言われても回答に困る質問をぶつけてきた秀義。好みの女性はともかくとして、結婚なんて考える年齢じゃないから考えた事もない。結婚絡みの質問は本当に困る事だと思う
「好みの女性はそうだなぁ……癒される人かな?で、その人と結婚したら一緒に料理とかしてみたいかな?」
理沙と水沢先生に頼まれたとはいえ、好みの女性と結婚したら何をしたいかという今まで生きてきて考えた事もない事を聞かれて困ったけど、嘘は吐いていない
「そうか!ありがとな!」
「どういたしまして。で、水沢先生はわかるけど、どうして理沙まで?」
「水沢先生は言わなくてもわかっていると思うが、理沙は何でも光晃を弄れるネタがほしいからとか言ってたぞ?」
「ああ、なるほどね」
水沢先生は割とガチで気になって、理沙は僕に浮いた話がない事や僕に直接聞いても適当にはぐらかされそうだから秀義に頼んだというところかな?
「察しがよくて助かる。でもよぉ、今まで俺達は幼稚園から始まって現在、高校生だけどよ1人くらいこの人いいなって思う女性はいなかったのか?」
今の秀義は完全にオッサンと化している。酔っ払いのオッサンと同等くらいウザい。だけど、秀義に言われた事を考えてみる。この人いいなと思う女性か……1人も思いつかない
「いないね。周りの女子に興味も関心もなかったし、女教師とかウザいだけだったし」
男性教師もウザかったけど、女性教師は感情でものを言う奴しかいなかった。正直、ウザい事この上ないのは覚えているけど、この人いいなと思う女性は1人もいなかった
「光晃、お前枯れてるよな……」
秀義から同情の視線を感じるけど、僕は同情される覚えはないし、同情されても何とも思わない
「うるさいよ。今までそういう風に思える相手がいなかっただけで今は違うんだからいいでしょ?」
昔と今は違う。僕が昔から変わらなかったのは教師や教育実習生が大嫌いだってところだけで人並みに恋はしたいと思っているし、今現在は人並みに恋をしている。誰も聞かなかったから答えなかったけど
「へぇ~、光晃にも好きな人の1人や2人いるんだな」
「さすがに僕にだって好きな人くらいいるよ。っていうか、好きな人が2人もいたら変でしょ」
高校生になって初恋を経験している最中で好きな人が2人もできるのは変だと思うし、僕限定で言うなら器用じゃないから同時に2人の女性を好きになる事がない
「いや、好きな人が何人いてもおかしくはないと思うぞ?国によっては一夫多妻制とかある国はあるしな」
「そりゃそうだけど、僕は器用じゃないからね。好きな人は1人入れば十分だよ」
僕は女性に対してそんなに貪欲じゃないからね。彼女と妻は1人いれば十分なんだ。
「光晃って意外と一途なところあるよな?」
「別に、彼女が1人いるだけでも金がかかるのに彼女が2人もいたら倍の金がかかるでしょ。僕は一途なんじゃなくて節約家なんだよ」
「あ、はい」
秀義は言葉にしていないけど、顔が言っている。“彼女にくらい金の出し惜しみをするな!”と。だけど、家計をやりくりしている僕にそんな事を求められても困るんだけど?
「毎日家計をやりくりしている立場としては彼女にかかる金でも節約したいんだよ」
「俺は何も言ってない!」
「言葉にしなくても顔が言っているんだよ。ま、秀義も家計をやりくりするようになれば理解できるよ」
「そ、そうですか……今度、母上に聞いてみます」
なぜか敬語で話されてしまったけど、どうしてかな?僕を尊敬したとか?秀義に限ってそれはないか
「そうしたら?秀義ってバカみたいに食べるから食費とか結構かかってるはずだから」
回答に困る恋バナと僕を人造人間扱いした仕返しに皮肉を言って秀義との話は終わり、HRが開始された。だけど、高校生も結構疲れるね。こんな面倒な話を日常的にしなきゃいけないだなんて……こんな事なら僕は友達とかいらないかも……
今回は光晃が理想の女性像を語りました
これから光晃が普通の男子高校生にのか、どうか・・・・
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました




