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水沢先生は恋する乙女だと僕は思う・・・・多分

今回は保健室を出たところからスタートです

昨日は更新できずに申し訳ありませんでした

では、どうぞ

「はぁ……あの保健医余計な事を言ってくれたな」


 保健室で休ませてもらっている時に言われた一言。それは水沢先生を異性として意識しないのか?という事だった。考えなかったわけじゃない。だけど、水沢先生を異性として意識すると第一に僕が手につかないという事、第二に水沢先生は教育実習中だ。僕から告白して受け入れられても水沢先生から告白されてそれを受け入れても学校にバレたら大変な事になる。真理姉さんと水沢先生の唇を奪ったのは家の中だから問題はない。家の中でする事にまで口出しされる謂れはないし


「体調がよくなったのはいいけど、もう2時間目始まってるんだよなぁ……」


 体調がよくなって保健室を出たはいいけど、既に2時間目の授業が始まっている。今から戻っても僕にとってはあまり意味がない。どうせ無意味にうろついていても教師に絡まれるだけだし、バカの1つ覚えじゃないけどサボりスポットでゆっくりしようかな


「僕も進歩しないなぁ……」


 サボりスポットへ来た僕は本当に進歩しないと思う。授業に遅れてでも出席すればいいのにそれをしない。僕自身、勉強ができる方ではないけど授業に遅れただけで授業を欠席し、サボりスポットへ来てしまう。教育実習生が来た初日にもここへ来た


「まぁ、教育実習生である水沢先生と関わってきた今でも教師と教育実習生は大嫌いな事には変わりないけどね」


 人間そう簡単に変わるなら苦労はしないし、バカ教師や教育実習生に関わるなと言った時点で関わって来ない。だけど、しつこく関わってくるって事は人間は簡単に変わらない。


「水沢先生を先生としてではなく、水沢葵衣という1人の女性として意識したらどうなるんだろう?僕は水沢葵衣をどう思っている?年上の女性?それともすぐ泣く面倒な女?」


 1人で考えても答えは出ない。第三者に聞く?僕の周りにいる第三者に異性関係の悩みを相談したところ想像してみよう


『光晃!とうとう異性に興味を持つようになったんだな!』


 秀義に相談したら暑苦しく絡まれるに違いない。秀義は却下の方向で考えよう。次は理沙だけど……


『なに~?岩崎もようやく水沢先生を意識し始めたか~。よし!お姉さんが相談に乗ってあげよう!』


 ウザい……ものすごくウザい。理沙も却下だ。後は真理姉さんだけど……真理姉さんは大人だし、それなりの意見を出してくれると思うけど


『光晃にも春が来たんだね!ううっ……よかった……本当によかった』


 何だろう?高校生なのに何回目かでようやく婚活に成功した三十路の親みたいな感動のされ方をされる場面が想像できる


「ダメだ……僕の周りには碌なのがいない」


 僕が恋愛事を相談できる相手が誰もいない……こんな事なら恋愛関係の悩みを相談できる友達くらい作っておけばよかった


「はぁ……結局は自分で考えなきゃいけないのか」


 最終的には僕が答えを出さなきゃいけない事にはなる。だけど、その答えを出すために相談できる相手が1人もいないなんて……だけど、考えてみれば僕の為に泣いてくれる異性は真理姉さんを除くと水沢先生だけだという事もまた事実。


「僕の為に泣いてくれるのは身内以外では水沢先生だけだった……」


 僕の為に泣いてくれる異性……考え方を変えると周囲に冷たい態度をとり続けたのに自分の事をずっと考え続けてくれたのは水沢先生以外にいたかな?僕に関わってくる教師や教育実習生は冷めた態度の僕を集団にうまく溶け込ませた。自分はできる人間だという証明欲しさにしつこく関わってきた。水沢先生はそんな事関係なく僕と一緒にいたいというだけだった


「水沢先生と付き合ったら幸せかもしれない」


 僕はあまり異性に興味を示す方ではないし、水沢先生は……僕が家出しただけで狂気を感じさせるる行動をとる。あの様子だと浮気する心配はないだろうと思う


「私と付き合ったら幸せなの?」

「そりゃもちろん」

「へぇ~、そうなんだぁ~、えへへぇ~」

「そんな事で照れなくて……も?」


 ごく自然に会話してたけど、僕は今、誰と話してた?幽霊?水沢先生の声によく似てたけど……


「えへへぇ~」


 自分で言うのもアレだけど、振り向いたらデレデレの水沢先生が立っていた。いつの間に入って来たんだ?この人は……前世は忍者だったのか?ってくらいに物音1つ立てずに入ってきたみたいだけど


「水沢先生?」

「えへへぇ~」

「水沢先生」

「光晃君が私と付き合ったら幸せって言ってくれた……」


 ダメだ。完全に自分の世界に入りきっている……これは多分、すぐには戻ってこないだろうなぁ……戻ってくるまでしばらく待つとしよう。


「妄想の世界は楽しかったですか?」

「うん……」


 妄想の世界から帰ってきた水沢先生は真っ赤になって正座して俯いていた。自分が妄想に浸りきって我を忘れているところを生徒に見られて相当ショックだろう


「そうですか」


 今の僕はそうですかしか言えない。水沢先生が暴走したり妄想の世界に行ってしまうのは慣れてしまった。慣れって恐ろしいもので、慣れないうちは違和感しかないけど、慣れてしまえばどうって事ない。いや、むしろ慣れてしまった方が楽なのかもしれない


「光晃君、さっき言った事は本当?」


 ショックから立ち直った水沢先生がしてきたのは質問だけど、何の事だかサッパリわからない。さっき言った事?何の事だろう?


「さっき言った事って何の事ですか?」

「私と付き合ったら幸せだって事」


 1人きりだって思って言った事か。まぁ、その人がいない時に出た言葉って本心だという説もあるし……僕自身がそう感じているのは本当だけど


「本当ですよ。僕は水沢先生と付き合ったら幸せだと思います」

「じゃ、じゃあ───」

「その先はまだ言わないでください」


 水沢先生が言おうとした言葉は予想ができる。“私と付き合ってください”って言うと思う。僕だってできる事ならそうしたいけど、それをしてしまうと万が一の時に大変な事になる。水沢先生の実習を台無しにしてしまう事にもなりかねない


「で、でも、同じ気持ちなら……」

「水沢先生は今、実習中じゃないですか。そんな状態で僕と付き合ったりしたら残りの実習期間で学校にバレたら実習が打ち切りになる可能性も出てきます。そうなったら水沢先生の努力が水の泡になってしまいます。僕は自分のせいで水沢先生の努力を台無しにしたくないんです」


 それに、付き合うなら教育実習が終わって人目を避けるようにじゃなく、教育実習が終わってから堂々との方がいい


「光晃君、私の事をそこまで思ってくれてただなんて……私、嬉しい!」

「身内以外で初めて僕の為に泣いてくれた女性ですから。それくらいしても罰は当たらないと思っただけです」


 本当はそれだけじゃない。水沢先生の努力を無駄にしない為もあるけど、僕が教師ごときに言い負かされない為でもある。特にあの体育教師は何を言ってくるかわからないし


「光晃君……」


 頬を赤らめて僕を見つめる水沢先生だけど、僕は教師に文句を言われたくない。それと、この学校の教師よりも教師に向いてるんじゃないかと思う水沢先生の努力を無駄にしたくない。ただそれだけの事


「ようやく昼か……」


 2時間目が終わった後、僕は教室に戻り3時間目、4時間目の授業を受けた。3時間目が英語で4時間目は情報だった。3時間目が始まる前は秀義が、4時間目が始まる前は理沙がグッタリしていたけど暑さのせいかな?


「岩崎はいるか?」


 ようやく昼食だというのに教室に来たバカな体育教師のせいで台無しになった。教室もバカが来たせいで騒々しかったのが急に静かになったし……何しに来たんだか


「何ですか?今から昼食なんですけど?」


 大事な昼休みを邪魔されて不機嫌にならないわけがない。僕はバカに昼休みを邪魔され非常に機嫌が悪い。


「光晃、お前何かしたのか?」


 秀義が僕に質問してくるけど、僕には身に覚えがない。この教師を基準に考えると悪さをしていなくても常に自分の行動を制限しなきゃいけない。コイツはすぐに言いがかりをつけてきそうだし


「いや、僕は何かをした覚えはないよ?大体、この教師を基準にすると行動が制限されるし」

「それもそうだな」


 いつもは否定する秀義だけど、今回は僕の意見に同意してくる。珍しい事もあるものだなぁ……秀義が僕の意見に同意してくれるなんて


「岩崎!お前、2時間目をサボったらしいじゃないか!来い!生徒指導室でたっぷりと指導してやる!」


 保健室に行ってただけなのに酷い言われよう。コイツは他の教師と情報交換はしないのか?真理姉さんと水沢先生が言ってた事が本当なら必要な事を伝える為でもコイツと会話したいだなんていう奴はいないと思うけど


「体調崩して保健室に行ってただけなのに生徒指導室に呼ばれて指導ですか……それって本当に指導ですか?」

「何だと?俺の指導は指導じゃないって言いたいのか?」


 本心から言うとそうだ。コイツのしている事は指導ではなく、誰にも相手にされない事のストレス解消だと思う。本人は気づいていないと思うけど


「そうですけど?貴方は自分が生徒よりも偉いって事を示したいだけか、おそらく職員の誰も相手にしてくれないから生徒にストレスをぶつけているだけじゃないですか?」

「お、おい、光晃」


 秀義が僕を止めようとしてきたけど、僕はそれを制し体育担当のバカへと対面した。コイツに遠慮や配慮をする必要なんてない。


「お、お前、教師にそんな口を利いていいと思っているのか!?」


 学習しない奴だなと思う。僕は前回も言ったと思うけど、生徒あっての学校であって教師の為の学校ではない。生徒から事情も聞かずに責め立てる教師がいるだなんて保護者が知ったらどうなると思う?答えはクレームの嵐だ


「別に学校は教師の為じゃない。学校は生徒の為にあるんだよ。この教室にいる誰かが親にこの事を言って保護者からクレームが来たらアンタは校長や教頭、周りの教師になんて言い訳をするつもりですか?」


 決めつけて物事を言う人間のする言い訳なんて決まっている。自分は悪くない。自分を守る見苦しい言い訳をするだけで、どうしてそう思ったかなんて説明できるわけがない

今回は保健室を出たところからのスタートでした

最後は面倒な教師に絡まれましたね

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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