表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/214

僕は水沢先生の事を真剣に考える

今回から実習2週目です。

光晃はこの1週間で答えを見つけ出せるのか?

では、どうぞ

「月曜日か……また長い1週間が始まった」


 教室に入った途端にサラリーマンみたいな事を言っている。僕自身がそう思ってしまう。だけど、それは働いている人や学生ならみんな1度は思う事だと思う。朝は水沢先生と真理姉さんが先に出てしまったため、僕は平和な時を過ごせたけど、学校に来たらそうもいかなくなる。


「岩崎~、何辛気臭い顔してんの~?」

「そうだぞ!光晃!朝からそんなだと1日が辛いぞ?」


 土日に水沢先生と真理姉さんの相手をして、学校に来たら来たで秀義と理沙の相手をする羽目になる。頼むから静かにしてくれよ……真理姉さん、水沢先生を含めてあんまりうるさいと動物園に送り付けるよ?


「そう思うなら少し静かにしてくれないか?」


 秀義と理沙に言ってわかってもらえるとは思わないけど、言うのと言わないのじゃ大きく違う。できれば言われなくても静かにしてほしいけどね


「ごめんごめん」

「すまんな!」


 軽いノリで謝る理沙と秀義。コイツ等……悪いと思ってないな……ま、いいや。秀義と理沙がうるさかろうと僕は寝るだけだし。僕は秀義と理沙を無視し、意識を夢の中へと落とした。秀義と理沙が話し掛けてくるけど無視だ無視


「あれ?」


 目が覚めると周りは1時間目の授業の準備を始めていた。どうやら僕はHRの間の時間ずっと眠っていたらしい。


「よう!光晃!起きたか?」


 目覚めた瞬間の秀義の声はいつもの倍以上にうるさく感じる。理沙がいないだけマシだけど


「あー、うん。起きた起きた」


 まだ目が完全に覚めてないせいか、秀義の対応がいつもより冷たくなってしまう。だけど、秀義は何の用では僕に話しかけた?


「いつもより冷たい……じゃなく、ほら」

「何?このプリント」


 秀義に渡されたのは前回、僕に絡んできた実習生の件でも見た事があるプリントだった。正確には少し違うけど


「お前が先週校長には売り飛ばした数学教師に何されたかを書くプリントだよ」

「あー、そんな事もあったね」

「忘れてたのかよ……」


 呆れた目では僕を見る秀義だけど、僕の性格知ってるならわかるでしょ?僕が興味ない人間の名前なんて覚えないって


「だって興味ないし?それに、覚えていても僕には何の得もないから」

「そりゃそうだけどよ……」


 秀義、あのバカ教師を庇っているのか、そうじゃないのかどっちなの?


「これって絶対に提出しなきゃいけないの?」


 不満がある生徒はたくさんいるだろうと思う。だけど、不満を言ったら報復されるんじゃないかって思っている生徒もいると思う。教師の接し方についての調査書じゃなくて、1人の教師に不満はありますか?っていうプリントなんて提出したところでっていうのはある


「いや、絶対に提出しなきゃいけないなんて事はない。提出するのも担任じゃなくてもいい。提出しやすい先生に提出すればいいらしいぞ」


 秀義の説明はバカの割にわかりやすい。今回だけだけど。ついでにバカ教師がどうなってるか現状を崩し聞いておくかな


「秀義はあのバカ教師がどうなってるか知ってるの?」

「バカ教師?ああ、光晃が売り飛ばした数学教師か。アイツは今は自宅謹慎だって言ってた」


 自分でも聞いといてなんだけど、コイツはそういう情報をどこから入手して来るんだろう?


「よくそんな情報を入手できたね」


 ありがとうより先に秀義の情報収集能力に感心してしまう。秀義もこの学校に知り合いがいるのかな?


「ああ!担任がHRで普通に話してたぞ?」


 バカは秀義や理沙だけじゃなくて、この学校の教師全員バカだった事を僕は再確認した瞬間だった。問題を起こした教師の事を生徒に対して説明しなきゃいけないと思うけど、いない理由を率直に言うのはどうかと思う。


「秀義、僕は頭が痛いから保健室に行ってくる……」


 自分の通っている学校の教師がバカだと改めて知り、いろいろな意味で頭が痛くなった。それこそ水沢先生と今の段階で付き合ってもいいんじゃないか?と思うくらいに


「おう!お大事にな!」

「うん……」


 今回ばかりは秀義に体調が悪いから静かにしろって言う気力もなく、ただ頷くしかないできなかった。この学校は個人情報とかのセキリュティは大丈夫なのかな?


「あら?岩崎君、どうしたの?」


 教師のバカさ加減が酷すぎて保健室のドアをノックし忘れてしまい、保健室に入ってすぐに保健医に声をかけられる。


「頭痛がするので休ませてください」

「じゃあ、そこのベッドを使ってちょうだい」

「わかりました」


 入り口から見て1番手前のベッドに入る僕。頭痛の原因が自分の通う学校の教師がお喋りだからとは口が裂けても言えないし、それで保健室に来て休むだなんて黒歴史もいいとこだ


「末代までの恥になりそう……」


 今の僕の状況は自分に彼女ができたら言えないし、自分の子供にも言えない。


「岩崎君、寝ているところ悪いけど少しいい?」


 突然、保健医に話しかけられた。自分の仕事しなくていいのかな?とはいっても今いるのは僕だけだけど


「少しだけなら構いませんが、何ですか?」


 保健室を利用する生徒が少ないって事はケガや病気の生徒が少ないって事でいい事ではあるからいいかもしれないけど、それはそれで暇なのかもしれない。少しだけなら世間話に付き合ってもいいかな?


「岩崎君って水沢先生の事が好きなの?」


 前言撤回。話に付き合ってもいいかなと思った僕がバカだった。どうして保健室で保健医と恋バナなんてしなきゃいけないのかな?


「いきなり何言ってるんですか?」


 そもそも、どうして僕が水沢先生を好きな前提で話が始まる?


「いや、岩崎君って水沢先生の事が好きなの?って聞いたんだけど?」


 同じ事を2回言わなくてもわかる。僕はどうしてそうなるのかが知りたいだけなんだけど


「どうしてそうなるんですか?」


 そうなる意味が全くわからない。もしかするとこの学校で働いてる人達は頭がイかれてるのかもしれない


「え?だって水沢先生の好きな人が岩崎君だから」

「はあ、そうですか」


 もういろいろと聞くのが面倒になってきた。この調子だと聞かなくても勝手に喋り出すだろうし


「うん、水沢先生本人から聞いたから間違いないよ」


 ドジだ……水沢先生は本物のドジだ……自分の立場をわかってない


「そうですか。ですが、僕は水沢先生と付き合う気はありませんよ」


 僕は水沢先生と付き合う意思がない事をハッキリと伝える。当たり前だけど教育実習生と付き合ったりして文句を言われたら面倒だし、僕の感情で人1人の人生を壊すわけにもいかない


「どうして?」


 この人は僕が教師と教育実習生が嫌いな事を知らないのかな?それとも、知って知らないフリしてるだけなのかな?


「嫌いだからですよ。教師も教育実習生も」


 僕は水沢先生がどうのではなく、僕は教師と教育実習生が大嫌いだ


「ふ〜ん、そうなんだ」


 興味がないと言った感じです返してくる保健医。興味がないなら最初から聞いてくるな。答えるだけ無駄じゃないか


「なんですか?僕が水沢先生の好きじゃなかったら都合の悪い事でもありますか?」


 僕が誰を好きになるかは僕自身が決める事であってこの人が決める事じゃない。僕が水沢先生を好きじゃなくても文句を言われる筋合いはない


「別に?ただ、もう少し水沢先生を異性として意識してもいいんじゃないかなと思っただけだよ」


 この人は僕が水沢先生を異性として意識した結果、告白したらどうなるかって事を理解してない。僕もそうだけど、水沢先生は実習を打ち切られる可能性がある。それを理解してないのかな?理解して言っているとしたらかなり悪質だけど


「水沢先生が教育実習生である以上僕はあの人を意識する事はありませんよ」

「そっか、ごめんね。体調が悪いのに話に付き合ってもらって」

「別に構いませんよ」


 話が終わると僕は毛布を被り、保健医はカーテンを閉めた。水沢先生を異性として意識しても僕は実習期間中に告白する事はしない。それをしたら水沢先生の努力を無駄にしてしまう


「何だかんだ言っても水沢先生の事を意識しているのには変わりないか……」


 恋愛対象としてじゃなくても水沢先生を意識してしまっている事には変わりない。水沢先生はそういう意味では今までの実習生よりも厄介な相手かもしれない。


「水沢先生の実習が終わる前に自分の気持ちをハッキリさせておかないとね」


 水沢先生と約束したからには実習が終わるまでに自分の気持ちをハッキリさせないといけない。そうしなければ水沢先生の気持ちに答えられない。別にこのまま好きか嫌いかをハッキリさせる必要はないけど、それは水沢先生に失礼だと思うし、僕は教師と違って約束を守る。


「僕は水沢先生の事をどう思っているんだろう?」


 自問自答をしても仕方ない。だからといって周囲に相談できる相手もいない。恋愛となると全然ダメだという事を自覚しながら僕は眠りに就いた


今回から実習2週目です

光晃は答えを見つけ出して葵衣の想いに答えられるのかどうかがこの1週間に係っています

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ