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僕は面倒な体育教師に絡まれる

今回は光晃が葵衣と職員室に行ったところからのスタートです

最初に一言だけ、作者は教師が嫌いではありません。以上!

では、どうぞ

「失礼します」


 僕は水沢先生と共に職員室にやって来た。理由は単純明快だ。水沢先生の替えのストッキングを取りに来た。ただそれだけの理由であり、僕が悪い事をして先生に呼び出されたとかじゃない。そもそも、僕は教育実習生と同等なくらい教師も嫌いだ


「おう、どうした?岩崎。今は授業中だろ?」


 ガタイのいい体育教師が話かけてきた。はて、誰だったかな?教師や教育実習生というものが嫌いな僕にとっては教師の名前と顔なんて覚えるだけ時間と脳の無駄遣いだ


「授業サボって小谷先生から生徒指導室で指導を受けてたので、間に合いませんでした。それはさておき、水沢先生、早く替えのストッキングを持って更衣室で履き替えてきてください」

「う、うん……」


 水沢先生はストッキングを持って職員室横の更衣室に入っていった。さて、この間に僕はここから出るか


「水沢先生もいなくなったので僕はこれで失礼します」


 これ以上教師が集る場所にいるのは御免だ。早々に退散してしまおう。そう思ったが────


「待て、岩崎」


 暑苦しい体育教師に呼び止められてしまった。はぁ、本当にこういう教師は面倒だ……


「何でしょうか?」


 無視するとしつこいし、五月蠅いのでとりあえず反応はしておく。あんまりしつこいようなら教頭か校長にでもチクればいい


「お前、授業サボったって言ってたな?」

「ええ、言いましたけど?それが何か?」


 特に興味もない体育教師の問いかけにいつもと同じように素っ気なく答える。別にこんな奴、怖くも何ともない


「罰としてお前には反省文50枚を命じる!!」


 はぁ……だから嫌なんだよ……教師も教育実習生も……大体、もう罰なら真理姉さん───小谷先生から言われている。今更コイツから言われる筋合いなんてない


「お断りします。罰なら小谷先生から既に言われていますので」


 担任や教科担任、生徒指導から罰を言い渡されるならまだしも、コイツから言われる筋合いなんてないし、コイツは僕の担任でも何でもない


「お前、俺の言う事が聞けないのか!!」


 出たよ……自分に従わない奴を力でねじ伏せようとするバカ教師。僕がコイツの名前や先生と呼ばない理由の1つはこの傲慢なところだ。生徒は先生の言う事を何でも聞くと思っているのか?


「貴方に従う理由がありません。それでは」


 コイツと関わるだけ時間の無駄だ。僕はそう思い職員室を後にしようとした。だが────


「待て、教師に対してその態度!!お前には反省文50枚だ!!」


 あ?先に喧嘩吹っかけてきたのはそっちだろ?授業サボった罰は既に言われているって言ってんのに何でお前から言われた罰まで受けなきゃいけないんだよ?いい気になるのもいい加減にしとけよ?


「しつこいですよ?罰なら小谷先生に既に言われているっていう説明を聞いてなかったんですか?それとも、その耳は飾りですか?」

「き、貴様!!教師に向かってそんな口利いていいと思っているのか!?」


 二言目には教師、教師ってうるさい奴だな。コイツは何か勘違いをしているみたいだし、この際だからはっきり言っておくか


「二言目には教師、教師って言いますけど、別にアンタが偉いわけじゃないって事が1つ、もう1つは生徒あっての学校って事解ってます?」


 このバカ教師みたいに勘違いしている教師はたくさんいると思う。だけど、生徒あっての学校である。それは在校生に限らず、その年の入学者や次年度の入学希望者も含まれる。このバカはそれを忘れているんじゃないかな


「そんな事、お前に言われなくても解っている!!」


 いや、解ってないでしょ?解ってたらさっきみたいな傲慢な態度は取れないし


「僕からしてみれば解ってないと思いますけど?大体、貴方がどこでどう振る舞おうと自由ですが、保護者や近隣住民から苦情が来るような事はしない方が学校と貴方の為だと思いますよ?それでは」


 言いたい事を言って僕は職員室から出る。こういう奴の相手をしているのも時間の無駄だし。何より、水沢先生とは関わりたくないし


「はぁ……」


 職員室を出てしばらく歩いたところで溜息が出る。真理姉さんもそうだが、教師や教育実習生ってそんなに偉いのか?そう思っている奴が教師や教育実習生として僕に絡んでくるなら僕は学校になんかいたくない


「あの小屋に戻るか……」


 1時間目をサボった時に使った小屋に戻る。僕の居場所はあそこしかない。学校に僕の居場所はない


「どうせ罰を与えられているんだし、水沢先生のサポートだって絶対にしないといけないわけじゃない」


 それに、教師や教育実習生がどんなに困っていようが、傷つこうが僕の知った事ではない。高校卒業したらこの学校の教師とは関わる事はないし、教育実習生は実習が終われば関わる事はない


「期限付きの関係でしかないのに大きなお世話なんだよ」


 玄関に着いた僕は1時間目と同じようにして抜け出し、小屋に向かった。


「学校に通っている間はここが1番落ち着くな」


 ここなら誰にも邪魔されずに勉強でも読書でも好きな事ができるし、うるさい教師もいない。僕にとっては天国のような場所だ。教育実習生のサポートをしろ?ふざけるな。自分は教師だ?なら僕が尊敬に価する行動や言動をしてみろ。何もできないなら黙ってろ


「そういえば1時間目の睡眠を邪魔されたっけな……」


 まだ昼前だが、今日は疲れた……関わりたくないと思っていた教育実習生のサポートや別に教育実習生が知らなくていい事をベラベラと生徒指導室で話してしまった


「はぁ、少し寝るか」


 1日が終わっていないにも関わらず、眠気が一気に襲ってきた。教師や教育実習生と関わると碌な事がない……僕にとって教師や教育実習生は疫病神と同等の存在だな


「ん~、よく寝た……」


 1時間目の疲労が嘘のように吹っ飛んだ。これも教育実習生と関わらない時間はストレスを感じないからなのか、少し寝ただけなのに寝る前にあった疲労感はなかった


「さて、今は何時だ?」


 念のために時刻を確認しておく。教室に戻って授業中だったら困るし、何より水沢先生や真理姉さんには出くわしたくない


「12時か、授業が終わって昼休みだな」


 ちょうどいい時間に目が覚めたようだ。今なら教室に戻って荷物を持ってここへ戻ってくるくらいは簡単にできそうだな


「光晃!やっと戻ったか!」


 この無駄にデカい声で僕に話しかけてくる人間なんて1人しかいない


「秀義、ボリューム下げて」

「おう!悪いな!」

「だから、声がデカいって」


 声もデカいけど、テンションも高い。そのウザいくらいに高いテンションを僕にも分けてほしいくらいだ。


「悪いな!これが俺なんだ!」


 少しも悪びれる様子がない秀義。まぁ、いい。コイツとも高校卒業と同時におさらばだ。それまで耐えればいいだけの話だ。


「もういいよ」


 コイツに構っていると昼休みが終わってしまう。そうならないうちにさっさと荷物を持って退散しよう


「ん?光晃?帰るのか?」

「うん、ちょっと具合悪くて」

「そうか!お大事にな!」

「話聞いてた?僕は具合が悪いって言ったよね?」


 コイツは人の話を聞いてたのか?聞いていたとしても覚えていなければ意味なんてないけど


「おう!もちろんだ!」

「じゃあ、そういう事なんでよろしく」


 僕は秀義の返事を待たずに教室を出た。本当に勘弁してほしい。1人になりたいわけじゃない……だが、必要以上に僕に絡んできて性格がどうとか言うのを止めてほしいだけ。そもそも、関係ない人間が僕に絡んでくること自体がふざけた話なんだ


「水沢先生は2週間で、教師連中は3年間、秀義は卒業までの付き合いだ。それまで僕が耐えればいいだけの話だ。終わるのが早い順に切り捨てればいい」


 自分はどんな人間が必要か解っている。僕に必要な人間は僕の性格を強引に変えようとする人間でも、ウザいくらいに絡んでくる人間でもない。僕に必要な人間それは────自分の意見を強引に押し付けない人間だ


「あれ?岩崎君?」

「あ……水沢先生」


 こんな時に出くわすとは運がない。今日は厄日か?それとも、僕が呪われているだけなのか?


「今帰り?まだ授業あるよね?」


 こういう奴が1番ウザい。別に僕がいつ帰ろうと関係ないのに授業あるでしょ?とか今帰り?とか聞いてきて干渉しようとする奴が僕は大嫌いだ


「別に、関係ないでしょ。さっさと次の授業見学の準備するなり生徒と触れ合えと言われてるなら僕に構わずに生徒と触れ合えばいいでしょ」

「で、でも……助けてもらったお礼まだ言ってなかったし……そ、それに岩崎君の事が心配だし」


 コイツもか……教育実習生はみんな言う。君の事が心配だと。だけど、僕はそんな言葉は聞き飽きた。学校というものに通い始めて何回聞いたか……


「僕の心配はいりませんし、水沢先生が一声掛けてくれたのをお礼として受け取っておきます。では」


 これ以上教育実習生に関わるつもりはない。精々生徒や教師とトラブルを起こさないで無事に実習を終わらして大学へ戻ってくれ


「で、でも、ありがとうって言ってない……待っててくれるものだとばかり思って職員室に戻ったらいつの間にかいなくなってたし……」


 待つわけないだろ?僕はアンタもそうだが、他の教育実習生と関わるつもりなんてないんだから


「それはすみません。ですが、ありがとうの言葉ならもう聞いたんで、よろしいでしょうか?」

「で、でも……」


 はぁ……さっきからオドオドして、でもしか言ってないし……これ以上僕の時間を奪わないでくれないかなぁ……


「僕は具合が悪いんで早く帰りたいんですけど?」


 具合が悪いと伝えて早く解放されよう。このままじゃいつまで経っても帰れないし


「あ、ご、ごめん!そうとは知らずに引き止めてしまって……」

「いえ、先生は好意で僕に声を掛けてくださったのでしょ?なら咎める事はしません」


 その好意で必要以上に僕に絡んでこなければの話だけどね。今は波風立てないようにするために言わないけど、あまりにもしつこいようなら言うよ?


 僕は水沢先生に一礼してから玄関に向かう。さすがに何もなしじゃ後々面倒な事になる。特に教師連中にバレたらね



今回は光晃と葵衣が職員室に行ったところからのスタートでした

今回の話は多分ですが、言われた事がある人って言うのはあんまりいないんじゃないかなぁ・・・・

実際のところどうなんだろう?と思いながら書きました。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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