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醤油を買いに出た僕は面倒な場面に遭遇する

今回は醤油を買いに出た光晃が面倒な場面に遭遇までの話です

醤油買うだけで面倒事に遭遇するってある意味才能じゃないかと思います

では、どうぞ

「秀義は何かわかったのかな?」


 僕は昼休みが終わり授業に出てもよかったんだけど、水沢先生を意識してしまいそれどころじゃなかった。なんて言い訳にしかならない。結論から言うと授業をサボっている。秀義は水沢先生の身内が素行不良だという情報の真相を確かめる為に学校に戻った


「ま、真相がわかったところで僕が何かをするわけがない。まぁ、水沢先生の身内が素行不良だったら教師と水沢先生は精々頑張ってね」


 本気で頑張れとは思ってないけど、一応は応援しておく。教師や教育実習生の身内がどうなろうと僕の知った事ではない


「僕には何の関係もないんだけどね」


 何の関係もない。これは間違ってない。素行不良は本人と家族の問題だ。相手がいるなら相手の問題でもあるけど、相手がいるかどうかわからない今は本人と家族の問題と言っておく。僕にとっては本当にどうでもいい事だけど


「光晃!わかったぞ!」


 秀義が勢いよくドアを開けて入ってきた。僕の部屋じゃないけどドアはゆっくり開けてほしい。だけど、今は歓迎するとしよう。情報を持っているのは秀義だし


「そう。で?何がわかったの?君がモテないわけ?それとも、ウザい教師や教育実習生をこの世から消す方法?」

「光晃、お前な……まぁ、いいや。わかったのは水沢先生の身内の事なんだけどな!」


 それならそうと最初に言ってほしい。相変わらず主語がない奴だ。これじゃ将来が心配だな


「ふーん、で?水沢先生の身内がどうしたって?」

「ああ、水沢先生の身内────水沢先生の妹さんなんだけどな、素行不良はしてなかったぞ」


 素行不良はしてないか……つまり、素行不良はしてないけど別の事はしているという事か


「そう、素行不良はしてないけどそれ以外はしていると。そういう事でいいかな?」

「あ、いや……」


 何だ?歯切れが悪いな……何だ?おっと、いけない。僕は教育実習生の身内の世話なんてしない。そう決めたんだった。


「まぁ、いいや。水沢先生の妹が何してようと僕には関係ないし」

「光晃、そう言わずに聞いてくれよ!」

「嫌だよ。興味ないし」


 本当に興味ない。教育実習生の身内がどうなろうと僕には関係ないし、助けてって言われても金が発生しなければ絶対に助けも世話もしない


「そう言わずに聞いてくれよ~」


 気持ち悪いうえにウザい。だけど、聞かなければこの調子で永遠に絡まれそうだから聞いておくか


「はいはい、聞くからそのテンションで絡まないでくれない?ハッキリ言ってウザい」

「ウザいって言わないでくれ……」

「言われたくないなら気持ち悪いテンションで絡むな。っていうか、さっさと話せ」

「わかったよ……水沢先生の妹さんは最近家族とうまくいってないらしい」

「あ、そう」


 水沢先生の妹の話は大した事はなかった。家族とうまくいってない?そんなのどこの家庭にだってある話だろ?


「聞いといてそれはないだろぉ……」

「男がしょぼくれて喜ぶのは腐女子だけだ」

「お前酷くね?」


 酷いと思うならそれっぽい雰囲気を醸し出すな。このバカは言っても直らないからもう言わないけど


「別に?真理姉さんや水沢先生もそうだけどさ、嫌ならさっさと僕の周りから消えろ」


 真理姉さんも水沢先生もそうだけど、秀義に頼んでいてもらってるわけじゃない。いつでも消えてもらって構わない。別に死んでも構わない。本当に必要ないし


「い、いや別に、そ、そういうわけじゃ……」

「そう。なら文句言うな。別に僕は真理姉さんも水沢先生も秀義、お前もそうだけど、別に僕は別にいてほしいって言っていてもらってるわけじゃない。全く、僕の海外行きを揃いも揃って邪魔した事を忘れてないから」

「ゴメン……」


 秀義は申し訳なさそうに謝ってきた。僕の態度にケチをつけなければここまで言われなくて済んだのに


「ま、僕の海外行きの話はもういいけど、人に文句を言う時は内容と言う人を選んでから言おうね」

「わかった」


 とりあえず、秀義は黙らせた。だけど、素行不良の生徒の話は振り出しに戻った。まぁ、いいや。バカの事を気にするだけ時間の無駄だし


「まぁ、これで素行不良の生徒の話は振り出しに戻ったわけだけど……」

「ああ、完全に振り出しだな」


 当分の間は教師のバカ話が続くと思うとうんざりする。素行不良の内容がどんなものであれ、担任のバカ話に付き合わされる方の身にもなってほしい


「そもそも、素行不良の内容がどんなものであれ僕達生徒に何ができるわけでもないし、調べるだけ時間の無駄じゃないかな?」


 素行不良の内容が何にしろ僕達生徒は何もできない。かと言って教師にできる事と言えば注意を呼びかけるくらいしかできないけどね


「それもそうだな」

「そうだよ。僕達が何かを調べようとも後は教師の仕事だからね。僕達生徒は何もせずに帰宅するのみだよ」


 部活がある秀義は部活に行き、部活がない僕は特にする事がないので帰宅する事にした。しかし、素行不良ね……


「さて、夕飯の準備に取り掛かるかな」


 帰宅した僕は夕飯の準備に取り掛かる。だけど、醤油が切れていたのを忘れていた。今晩は刺身にしようと思ったのに……


「醤油が切れていたか……まだスーパーも開いているから買いに出るかな」


 昨日のうちに買い足しとけばよかったかな?と思いつつもスーパーへと向かう。制服のままだけど、悪い事をしに行くわけじゃない。切れている調味料を買い足しに行くだけだから何の問題もない


「それにしても、1人の生徒の行動で他の生徒が迷惑しているのがわからないとは……」


 ウチの学校って教師はクソだし、来る実習生は問題を起こすしそのうち潰れるんじゃないかな?


「高校卒業後は海外にでも留学するかな」


 このままだと僕が卒業する頃にはウチの高校の評判は地に落ちてないか心配だ。万が一評判が落ちていたら海外の大学に進学する事も考えなきゃいけないな


「さて、醤油を買って早く帰ろう」


 スーパーに着いた僕は目的の醤油を買う。ウチの高校の教師はバカだから醤油を買いに来たと言ってもそれは嘘だとか変な言いがかりをつけられる。まぁ、状況判断能力が乏しいから仕方ないか


「おい!お前!そこで何してる?」


 ほら来た。何もかも決めつけたようにしたこの聞き方は……はぁ、どうして買い足しをしに来ただけなのにバカに絡まれるんだか


「何ですか?スーパーの袋を持っているんだから買い出しに決まっているでしょ?バカですか?」


 僕に絡んできたのは予想するまでもなく、ウチの高校の教師だった。スーパーの袋持ってんだから見てわからないかな?このバカは。最近はエコバッグを持って行く主婦が多いけど、この時ばかりはスーパーの袋をもらっておいてよかった


「そう見せかけて実は夜遊びをするかもしれん!!学校まで一緒に来てもらおうか?」


 実に頭の悪そうな事を言い出した。醤油を持って夜遊びする高校生がどこにいるんだよ……本当にバカだな


「夕飯の準備がありますのでお断りします」


 僕は醤油を買いに来ただけで、夜遊びをしようとは思っていない。それに夕飯の支度の途中だから早く帰りたい。夕飯の支度と言ってもまだ何もしてないけど


「貴様!教師に逆らうのか!?」


 学校外でも教師を振りかざすのか……はぁ、ここはスーパーの前で店員含めて大勢の人がいるっていう状況で僕に────高校生に絡んだら警察を呼ばれても仕方ないぞ?


「貴方がどこのどなたかは知りませんが、ここで騒ぎを起こせば勤め先にまで知られる事になりますよ?」

「くっ……貴様ッ!!」


 ん?貴様?あ、コイツはウチの学校で数学を担当している奴か。興味ないから忘れてた。そもそも、貴様って呼ばれて思いだすなんて教師としてじゃなくて人として地味だ


「別にここで貴方が騒ごうが僕には関係ありませんが、いいんですか?貴方の事を不審な目で見ている人たくさんいますよ?」


 場所を考えずに騒いでいたせいか周囲の人が数学教師を不審な目で見ている。中には警察を呼んでいそうな人もいる。人が大勢いるところで騒ぐからこうなる


「覚えておけよ……」


 数学教師は悪役の捨て台詞のような台詞を残して去っていった。覚えておけよなんて言ってる奴に何かできた試しがない


「恥かきたくないなら絡まなきゃいいのに」


 僕も買うものは買ったので家へ帰る事にした。調味料を買いに出ただけでバカに絡まれるとはとんだ災難だった。


「さて、夕飯の支度の続き続きっと」


 学校側もどうしてあんなバカを見回りのメンバーに入れたんだか……ハッキリ言って状況判断能力なし、授業はつまらない。あの数学教師は教員に向いてないな


「何も聞かされてないけど、真理姉さんも見回り組なんだろうな……」


 真理姉さんの仕事に興味はないけど、夕飯の時間に関わるからせめて一言言ってほしい。


「も~、遅いよ~」

「ごめんごめん、仕事が長引いちゃってね」


 醤油を買いに出たらウチの高校の制服を着た少女と見た目からして40を超えてるオッサンの逢引きに遭遇してしまった


「あっ……」

「え?何?知り合いか?理沙(りさ)


 ウチの高校の制服を着た少女────理沙は気まずそうに目を反らしたが、僕はコイツを知らない。誰だったっけ?


「私のクラスの岩崎光晃」


 あれ?コイツ僕と同じクラスだったのか?興味ないから忘れてた。で、この女と一緒にいるオッサンはどういう関係なんだろう?


「へぇ~、君、岩崎君って言うんだ~」


 オッサンは厭らしい視線を向けてきたけど、僕はオッサンにそんな視線を向けられて喜ぶ趣味はないし、この女が外で何をしていようが興味はない。


「何ですか?気持ち悪い」


 無視してもよかったけど、この手の奴は無視するとダラダラと絡んでくる。一応、話だけは聞いておこう。中身も腐るものでもないし、助けを呼んだとしてもここは住宅街だ。警察もそんなに早くは来れないだろう


今回は醤油を買いに出た光晃が面倒な場面に遭遇する話でした

公共の場で騒ぐ教師って何考えてるんだろう・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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