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僕は珍しく秀義と話をする

今回は起きてから学校までです

休日を除けば葵衣の実習もあとわずかです。話的にはまだ続きますが・・・・

後は葵衣の授業かぁ~

では、どうぞ

「あん♡」


 前にも同じ事あったなぁ……僕はまた柔らかい感触によって目が覚めた。僕の記憶が確かなら、昨日は1人で寝たはずなんだけど……


「真理姉さん、いつの間に潜り込んできたの?」

「え?昨日の夜だけど?」


 何を当たり前の事を……とでも言いたいような顔をしてシレッと答える真理姉さん。


「あ、そう。で?どうして僕のベッドに潜り込んできたわけ?」


 前回は水沢先生もいたけど、どうして僕のベッドに潜り込んできたのかは謎なままだった。


「前回もそうだけど、光晃が黙っていなくなったから寂しかったんだもん……」

「あ、そう」


 この人は寂しいから僕のベッドに潜り込んできたというのか……これじゃ僕に彼女ができた時には大変だな……


「光晃……」


 真理姉さんが僕をきつく抱きしめる。彼女作る前に修学旅行とか、1人暮らしするなんて言った時にはどんな事になるやら……


「真理姉さん、暑いんだけど?」


 7月に抱き着かれたら暑くて当然だよね。僕のリアクションは間違ってない。だけど、僕にも責任がないわけじゃないから強くは抵抗しない


「ごめん、もう少しこうしてて……」

「もう少しだけね」

「うん……」


 真理姉さんは静かに泣き出した。学校では絶対に見せられないよね、真理姉さんのこんな姿。凛としている真理姉さんが僕1人いなくなったくらいで抱き着いて泣いてるんだから。


「落ち着いた?」

「うん。もう大丈夫だよ」


 5分後、真理姉さんは泣き止み元の真理姉さんに戻った。僕としては学校に行くまでに元に戻ってくれて助かってるけどね


「じゃあ、私は先に学校に行くけど、戸締りしっかりしてきてね」


 真理姉さんは先に行ってしまった。教師だから僕より早く出て行って当たり前だけどね


「さて、僕も行くかな」


 朝食を終えた僕は戸締りをして学校に向かった。教育実習生が来てから僕は家出した回数が増えた気がする。大体、僕が家出なんて大胆な事をするのも教育実習生が来てからなんだよなぁ……


「昨日のアンケートで教師や実習生が変わってくれるといいけど……」


 登校中に昨日実施されたアンケートを思い出していた。アンケートごときで変わるなら僕が必要以上に絡むなって言った時点で変わっているから期待するだけ無駄なんだけどね


「よう!光晃!」


 校門前で秀義に声を掛けられた。声のボリュームを落とせと言うのももう飽きたな……


「おはよう、秀義」

「おう!おはよう!光晃!」


 久々に秀義と教室まで行くのも悪くない気がした。コイツと教室まで行くのは随分と久しぶりだなぁ


「そういえば、光晃は知ってるか?」

「何?いきなり知ってるか?とか言われても困るんだけど?」


 コイツは声のボリュームを落とせって言う前に主語を付けろって言う方が先みたいだ


「ごめんごめん、光晃はこの学校に素行不良の生徒がいるって噂知ってるか?」

「知るわけないだろ?興味ないし」


 僕が教育実習生と関わらない為にはどうしたらいいかを考えているうちに素行不良の生徒がいるって噂があったのか……はぁ、一時の快楽や快感に身を任せるバカのせいで教師の余計な長話に付き合わされるのか


「だよな!知るわけないよな!」

「うん、今知ったね。興味なかったし」


 援交か……今日のHRはその話をされるんだろうなぁ……チッ、万が一見つけ出したらその生徒どうしてやろうかな?相手がいたらソイツもタダでは済まさない。


「光晃?何かよからぬ事を考えてないか?」

「別に?教師の無駄話の話題を作ったその生徒と相手をどうしてやろうかとか考えてないよ?」

「バッチリ黒い事考えてたんだな……」


 秀義は僕を怯えた目で見つめてきた。失礼な奴だな。ただ僕は教師の無駄話に付き合わせてくれたお礼をしようと考えてただけなのに


「どんな目的があってそういう事してるかは知らないけど、教師の無駄話に付き合わされたんだから何かしらの制裁を誰かからされてもおかしくないでしょ?」

「光晃、怖いぞ?」

「うるさいよ。秀義」


 僕と秀義はこの話以外にもいろいろな話をしたけど、やっぱり素行不良の生徒の噂が1番印象的だった


「素行不良か……本当に迷惑な奴もいたもんだ……」


 秀義が他の生徒と話している間、僕は素行不良の生徒を見つけたらどうしてやろうかを考えていた


「よーし、HRを始めるぞー」


 担任と水沢先生が入ってきてHRが始まった。HRが始まったという事は素行不良の生徒の無駄話が始まるのか……


「えー、今日は素行不良の生徒がウチの学校にいるって噂だが、それについては現在調べている。みんなも妙な勘ぐりや詮索をしないように。以上!」


 この担任はバカだ。調べたところで何かが出てくるわけがない。教師が調べてわかるくらいなら噂なんて流れているわけがないし


「調べて出てくるくらいなら苦労はしないって……」


 担任のバカさ加減にゲンナリしながらも僕は睡眠学習に入った。これ以上、聞いても無駄な話に付き合ってやる事はない


「光晃!HR終わったぞ!」


 秀義のバカデカい声で目が覚めた。寝起きなんだからもう少し静かにしてほしいものだ


「寝起きなんだからもう少し静かにしてくれないかな?」


 秀義のバカデカい声にも困ったものだ。これは彼女できないタイプだな。失礼ながらも僕はそう思う。


 秀義をやり過ごし、面倒だなと思いつつも1時間目の授業を受ける。そもそも、この学校の教師は理解しているのだろうか?自分の授業よりも塾の講師の授業の方が面白いって思われる事がある事を。理解していれば居眠りした生徒を怒鳴りつけるだなんて事しないと思うけど


「ふぅ~、やっと退屈な授業が終わった~」


 退屈な授業が終わり、ようやく一休みできる。1時間目は国語だったけど、本当に退屈だった。何が退屈って国語の教科担当のクセに板書の字は癖字で読めないし、授業をしているかと思えば途中から自分の好きな作家の話しかしないしでコイツの授業を受けている意味はあるのか?と聞きたいくらいだ


「光晃、お前はまた教師に喧嘩を売るような発言を……」


 秀義が珍しく普通の声で話し掛けてきた。明日は雪かな?それとも世界崩壊?ま、どっちでもいいや。


「癖字で板書は読めない、途中から自分の好きな作家の話しかしない。そんな奴の授業のどこが面白いか秀義は説明できるの?僕には無理なんだけど?」

「うぐっ!せ、説明できない……」


 秀義は苦い顔で説明できないと言った。説明できないなら文句を言わないでほしいよ……コイツのこういうところは本当にバカだと思う。


「説明できないならヘタに教師を庇わない方がいいよ。恥かくだけだからさ」

「……わかった」


 今の間は置いといて、わかってくれたようで何よりだよ。だけど、疑問に思う。教師はあんな退屈な授業しかできない奴でもなれるのか?これなら自宅で親に教わるか塾に行ってた方が何倍もマシだ。余計な話をしないし、癖字で教わる事もないし。別に綺麗な字を書けとは言わないけど、読める字は書いてほしい


「わかればいいんだ。わかればね」


 わかれば何も言う事はない。僕はわかってくれる奴にしつこく言う趣味はないし、言いたくもない。同じ事を何度も言うのは手間なんだ。


「光晃って教師や教育実習生には結構辛辣だよな」

「当たり前だよ。僕は教師と教育実習生が大嫌いだからね」

「光晃はそう言うが、お前が2度家出した時に泣いてくれたのはその教師である真理さんと教育実習生である水沢先生なんだが、お前、どっちかに惚れてないのか?」


 何をバカバカしい。僕が教師や教育実習生に惚れるわけないのにコイツは何を言っているんだ?バカか?


「バカじゃないの?僕が教師や教育実習生に惚れるわけないでしょ?ありえないよ」


 僕はキッパリと断言した。教師や教育実習生に惚れるなんてありえないと。っていうか、どうして真理姉さんと水沢先生が出てくるんだか


「いや、俺が言ってるのは教師の真理さんや教育実習生の水沢先生にって事じゃなくて1人の人間として小谷真理と水沢葵衣に惚れてないのか?って事だよ!」


 秀義のバカにも困ったものだ。真理姉さんも水沢先生も恋愛対象として見た事は1回もない。


「ないよ。っていうか、真理姉さんと水沢先生に惚れて告白するのはいいけどさ、今付き合ったら問題になるからね」

「え?そうなの?」


 バカだ。ここに本物のバカがいる。そんな事は子供でも知ってるぞ?今付き合ったら真理姉さんはこの学校にいられなくなるし、水沢先生なんて実習が打ち切られる可能性があるなんて事はね


「はぁ……」


 秀義のバカさ加減に溜息しか出ない。誰かこのバカの脳みそを交換してくれよ……本当に


「なぁ、光晃」

「何?」

「お前は真理さんも水沢先生も恋愛対象として意識してないんだよな?」

「そうだけど?それが何?」

「惚れてないなら俺が真理さん狙っていいか?」

「は?」


 コイツ今何て言った?え?真理姉さんを狙う?いや、構わないけどさ。狙うなら水沢先生の方じゃないの?秀義の性格的に


「いや、だから、惚れてないなら真理さん狙っていいか?」

「それは別に構わないけど、秀義の性格なら狙うのは水沢先生じゃないの?」

「いや、水沢先生は完璧に光晃にホの字だし?それに、俺は前から真理さんに惚れてるし」


 初耳だよ。それにしても、秀義が真理姉さんにね……意外な事もあるもんだな


「水沢先生が僕に惚れてようと勝手だけど、真理姉さんの攻略は自分でしなよ」


 秀義が真理姉さんに惚れてるのはいいけど、攻略するのに報告はいらない。どうしようと秀義の勝手だし


「そうか!なら真理さんの攻略を手伝ってくれるよな?」


 うわ、めんどくさっ!攻略するのは勝手だけど、どうして僕が手伝うんだよ……


「面倒だから嫌だ」

「酷い!?」

「酷くない。好きな女性くらい自分でものにしなよ」


 好きな女性にアタックする事を人に手伝ってもらってたら告白する時まで手助けしなきゃいけなくなる。ま、それで幸せならいいけどね


「光晃ぇ……頼むよぉ~」

「そんな情けない声を出しても手伝わないよ」

「そんなぁ~」


 自分の恋ぐらい自分で何とかするのが筋だろ。別に失恋してもいいなら手伝ってあげない事もないけどね。


 今日は秀義と教室に一緒に来たり、秀義と恋バナをしたりと僕はどうかしている。本当に僕はどうしてしまったんだろう?







今回は起きてから学校まででした

休日を除けば葵衣の実習もあとわずかです。

意外と実習期間って短いんですよね・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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