表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
210/214

【過去編94】真理姉さんで遊んだ僕は教育実習生の授業で仕方なく質問をする

今回は真理で遊ぶ光晃と教育実習生の授業で質問をする話です

光晃の意外な要求と真理の妄想にご注目!

では、どうぞ

 真理姉さんが泣いた日の昼休み。泣いた当人である真理姉さんから生徒指導室に呼び出されていた


「光晃、呼び出された理由は解ってるよね?」


 神妙な面持ちで語りかけてくる真理姉さんを見ると僕がいなくて大泣きした人とは思えなかった。ただ、教育実習生の世話をしろだなんて自分は教師として指導の類は出来ませんと自白したと捉えられても無理のない事を平然と頼んできた真理姉さんは僕がサボろうとした事について強くものを言えた立場じゃない


「呼び出された理由?う~ん……解かんない!僕バカだしさ!」


 この時だけは珍しくおちゃらけてみた。いつもなら『呼び出された理由?先生が実習生の指導を生徒である僕に押し付けた事以外には心当たりがありません』くらい言うんだけど、いつもいつも同じだと面白みに欠けるからね。たまには教師の煽り方を変えてもいいだろうという短絡的発想だ


「そう、解からないか……」

「うん!真理姉さんが生徒に鳴海先生の指導を押し付けようとした事に嫌気が差して僕がサボろうとしていた事で呼び出したのならそれはお門違い!ブー、それは呼び出す事自体が間違ってるから!」


 多分、このやり取りは僕にとって黒歴史にしかならない。今はそう思ってる


「違うよ。私が光晃を呼び出したのはサボろうとした事の件じゃないよ」


 サボろうとした事じゃないとすると僕には本格的に心当たりがなかったため、お手上げだった


「ふ~ん、じゃあ、何で呼び出したの?」

「光晃、いなくならないよね?って確認の為」


 いなくなるも何も僕の帰る場所は今も昔もあの家だけなんだけど?なんて涙を流しながら僕を見つめる真理姉さんの前で言えるはずもなく……


「僕がいなくなるわけないでしょ。そりゃ、真理姉さんの頼み事には若干イラっとしたけどさ」


 教育実習生の指導を丸投げされた時は本当にイラっとした


「ご、ごめん……」

「謝れって言ってないんだけど……まぁ、いいや。今度から教育実習生とか関連で頼み事する時は僕の成績が少し上がるとか、何か報酬付けてからにしてね」


 本当はこんな事よくない。でも、タダで教師の言う事を聞いてやるつもり何て毛頭なかった僕は何かしらの対価を要求する事に。遠回しに『教師の言う事なんて絶対に聞いてやらないからな』って言ってるんだけど


「わ、わかった……じゃあ、報酬を付ければ鳴海先生の指導案を手伝ってくれるんだね?」

「は?」


 僕は実習生関連での頼み事はメリットを付けろと言った。その例えに成績を上げるとか一歩間違えば不正行為になりかねないものを要求んだけど……真理姉さんがそれに乗って来るとは思わなかった


「鳴海先生の手伝い……報酬を付ければ光晃は引き受けてくれるんだよね?」

「そ、そうだけど、僕はなるべくなら教育実習生と関わりたくないんだけど?」


 報酬の話をしたのは僕だけど本音を言うと教育実習生にも教師にも関わりたくないと言うのが本音だった。報酬を付ける……教師が僕の満足するような報酬を出せればいいけど、大抵の場合は出せないだろう事はやらなくてもわかる


「報酬……光晃が望むもの何でもあげるから……だから、お願いだから鳴海先生のお手伝いをしてあげてください……。お願いします」


 たかが教育実習生ごときの為に生徒である僕に頭を下げる真理姉さん。一瞬、報酬は北南高校の教師全員を下僕かペットにしようだなんてゲスい考えが頭の片隅を浮かんだ。でも、人の弱みに付け込んでゲスい事をしようだなんて思わなかった


「そう。僕が望むもの何でもくれるんだ?」

「わ、私にあげられるものなら……」


 私にあげられるものならという真理姉さんの言葉を聞き、僕の中には僅かながらイタズラ心が芽生えた。従姉とはいえ女教師が頼み事を聞いてほしい一心で僕に懇願してくる。僕が望むなら何だって差し出す覚悟はあったと思う


「そう。じゃあ、真理姉さんの初めてを貰おうかな?」

「な!?ななななななななななななななな何言ってるの!?光晃!?」


 僕が欲しいと言ったものを聞いて真理姉さんは顔を真っ赤にして驚いていた。


「何って真理姉さんが用意出来そうな範囲で僕が欲しいものだけど?」

「だ、だからって……そ、そんな、わ、私の初めてが欲しいだなんて……」


 この時はやり過ぎたと今では反省している。さすがに初めてが欲しいだなんて誤解されても仕方ない


「何を勘違いしてるのか知らなけどさ、僕は確かに真理姉さんの初めてが欲しいとは言ったけど別に卑猥な事じゃないからね?R-15的な展開にもR-18的な展開にもならないからね?」

「えっ……?ならないの?」

「ならないよ?僕が欲しいのは真理姉さんの初めての補習授業のだもん」

「…………………」


 僕の言い方が悪かったのは明白だけどさ、初めてって聞いただけで下ネタを真っ先に思い浮かべる真理姉さんは男子中学生と大差ないと思ったのは気のせいかな?


「何?もしかして僕が真理姉さんに卑猥な事を要求すると思った?するわけないじゃん!も~、ちょっとした言葉遊びなのに~」


 本当は言葉遊びは名ばかりでほとんどが嫌がらせだったんだけどね


「こ……」

「こ?」

「光晃のバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


 この日、生徒指導室に真理姉さんの叫び声が響き渡る事になった。そして、その後殴られたのは言うまでもない。その後、僕は放課後遅くまで残り鳴海の指導案作りを手伝う事になったんだけど、その時鳴海から『頬に大きな手形が付いてるけどどうしたの?』と聞かれ、答えに困った事を補足として付け足しておこう



 鳴海の研究授業2日前に何とか指導案の方はОKが出た。それはいいとして、研究授業前日は鳴海とは特に接触する事なく学校を終え、帰宅。ただ、その日の深夜、リビングでくつろいでいる時にまたまた真理姉さんからの頼み事があった


「光晃、明日の鳴海先生の授業の件で頼みがあるんだけど……」

「何?指導案を作り終えたんだから僕に頼む事なんてもうないはずだよ?」


 内心『また何か面倒な事を押し付けられるのか……』と呆れはしたものの『教師だとはいえ従姉からの頼みだから聞くだけ聞こう』と思い、話だけでも聞く事にした


「いや、今度のは鳴海先生の手伝いじゃなくて授業が止まった時の為の頼みなんだけど……」


 僕はまだ鳴海の授業を受けるだなんて一言も言ってなかったのに何故か勝手に受ける前提で話を進める真理姉さん


「授業が止まった時の頼みと言われても僕は鳴海の授業を受けるだなんて一言も言ってないんだけど?」


 普通の授業ならともかく、教育実習生の授業を受けるだなんて僕は嫌だった。理由は簡単で研究授業って教育実習生の場合だとその学校の先生全員とは言わないけど、大なり小なり見学しに来る。そんな状況だから居眠りも出来ない。僕にとって居眠り出来ない授業なんてカレーライスカレルー抜きを食べてるようなものだ


「え?鳴海先生の授業出ないの?」

「当たり前でしょ?研究授業って事は先生方が見学に来るんだよね?」

「う、うん、私も含めて手の空いてる先生は来ると思うよ?」

「だったら嫌だよ。面白くなくても居眠り出来ないし」


 授業中に居眠りする前提で話を進めるのはどうかと思う。でも、面白くもない授業で居眠りするのは間違ってはいない。面白くないものは面白くないんだから。


「教師としては居眠りする前提で授業を受けてほしくないんだけど……とりあえずお願いを聞くだけ聞いてくれないかな?」


 頼みを聞くのはいい。しかし、僕は教師や教育実習生を補助するなら報酬を求める男だから何等かの報酬は要求するけどね


「別に聞くだけなら聞いてあげるけどさ、実行するとなると報酬は貰う事になるんだけど?」

「わ、私にあげられるものなら……」


 真理姉さん個人が学習しないのか教師が学習しないのかは不明だった。昼と同じ事言ってるしね


「じゃあ、真理姉さんの身体でも貰おうかな?」

「な!?ななななななななななななななな何言ってるの!?光晃!?」

「何って欲しいものだけど?」

「わ、私の身体って……だ、ダメだよ!私達従姉なんだよ!?ほ、法律的には結婚するのには何ら問題はないけど……で、でも、こ、心の準備が……」


 僕が変な事を言ったせいで真理姉さんが昼同様に暴走を始めた


「どんな妄想してるのかしらないけど、僕は真理姉さんに卑猥な事するつもり全くないんだけど?」

「えっ……?ないの?」

「ないよ。確かに真理姉さんの身体が欲しいとは言ったけどさ、休日の買い出しに人手が欲しいから真理姉さんの身体って言いはしたけど、誰も卑猥な事するだなんて一言も言ってないよ?真理姉さんってもしかしてムッツリ?」


 我ながらワンパターンだとは思う。そんなワンパターンな手に引っかかる真理姉さんもどうかしてるけど


「こ……」

「こ?」

「光晃のバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


 深夜のリビング、真理姉さん魂の叫びが響いた。なお、学校ではなかったので僕は真理姉さんの心を弄んだ責任としてこの日は真理姉さんと一緒に寝る事になったんだけど、その際、幼い頃の時みたいに『真理お姉ちゃん』呼びを強要された




 鳴海の研究授業当日。その日の4時間目が鳴海の教育実習の集大成でもある研究授業だ。まぁ、この日のHRや1時間目、2時間目、3時間目の授業の話なんてしても仕方ないから4時間目まで話を飛ばすけど、鳴海の研究授業はなぁ……始まりでコケたからなぁ……


 4時間目。鳴海の研究授業


「はぁ……ついにこの時が来てしまったか……」


 この日は朝から憂鬱だったけど、この時間は特に憂鬱だった。教育実習生の研究授業は学校の教職員が見に来るという生徒からすると迷惑でしかないオマケ付きだからだ


「まぁ、いいや、寝よ」


 鳴海の授業がつまらないと決まったわけじゃないこの段階で僕は睡眠学習を選択。別に鳴海京香という人間が嫌いなわけじゃなかった。教員になり教壇に立った時に居眠りをする生徒の1人や2人出てくると思う。そんな時に教員・鳴海京香がどのように指導するのか見てみたかった


『───きて』


 寝ている僕を誰かが起こす声がした


『起きて岩崎君』


 また僕を起こす誰かの声


『岩崎君、起きてぇ~』


 今までは普通に起こそうとしていただろう声の主が半べそを掻き始めたっぽい


「岩崎君~!起きてってばぁ~!」


 顔を上げると半べそを掻いた鳴海がいた


「起きましたよ。で?僕に何かご用でしょうか?」


 授業前に寝たから鳴海が僕を起こした具体的な時間は定かではなかった。授業をする教員を見てもただ授業の準備で早めに教室に入ったとも捉えられる。だから僕は周囲を見回した。すると──────


「「「…………………………………………」」」


 教師達が僕を睨んでいた。睨んでいる教師達を見て僕は授業が始まっている事を察し、一応の体裁として僕は身体を起こす事に。


「岩崎君、一応、授業始まってるんだよ?」


 僕を睨む教師達と苦笑いの鳴海


「みたいですね。すみませんでした、そうとは知らずに」

「う、ううん、わかってくれればそれでいいの」


 鳴海は教壇に戻り、授業を再開。その後はこれといったトラブルなく授業が進んだ。ただ、終業時間20分前、僕としては出来れば起こってほしくない出来事が起きた。それは……


「い、以上です」


 終業時間20分前、鳴海の授業が終わってしまったのだ。高校の授業は50分で鳴海が実際に授業をしたのは僕を起こすのに5分取られたとして実質25分。途中、小話を挟んでも25分で授業が終わるとは思ってもみなかったよ……生徒としては授業が早く終わってくれたのは助かる。ただ、この日は何回も言うようだけど研究授業。各々が何かして過ごす事が不可能な時間だったのだ


「出来ればこれだけは避けてほしかった……」


 予想以上に授業が早く終わってしまい暇を持て余す僕達生徒とオロオロしている鳴海。どうしたものかと後ろにいた教師陣を見ると真理姉さんの目が『何でもいいから質問して!』と訴えかけてきた。研究授業前日に僕が真理姉さんをおちょくってあやふやになったけど、真理姉さんの頼みとは鳴海の授業が止まった時に質問をしろという事だった


「マジか……」


 真理姉さんは万が一を考えて僕に頼んできたみたいだけど僕としてはそれが現実になるとは思わなかった。それでも約束は約束。例え教師との約束でも破るのは僕の主義に反する


「あの、先生、質問があるんですけど」


 暇を持て余すのと真理姉さんとの約束があったのとオロオロしている鳴海を見てられなくなった僕は仕方なく質問をする事にした


「は、はい!何でしょうか?岩崎君?」


 テンパってはいたものの僕の声が届いたらしく一瞬で鳴海は笑顔になった。この時の授業は現在と10年前の街の変化的なテーマだったから質問の内容もそれに沿った簡単がすぐに思い浮かんだ


「10年前と今の街の変化を簡単に調べる方法って何かありますか?」


 僕にとっては教師や教育実習生に質問せずとも簡単に答えが出る質問。ただ、止まってしまった授業を何とかしよう、持て余した暇を潰すにはちょうどいいと思ってした質問


「と、図書館やインターネットで検索すれば簡単に今と10年前で街のどこが違うのかは解かります。あ、後は、10年前に発売された地図なんかがお家にある人はそれと今の街を見比べてみてもいいと思います」

「解かりました、ありがとうございます」


 その後、僕が質問したのがキッカケとなり、秀義を始めとしたクラスメイト達が質問をして何とか終業時間20分前に授業が終わってしまうという最悪の事態を避ける事が出来た。余談として、寝ていた僕は担任じゃない教師に怒られたけど、『担任に怒られるならまだしも頭ごなしに怒鳴るしか能のない奴に怒られても何も感じないから』と言ったら顔を真っ赤にしていた事を言っておこう。



 鳴海の教育実習から時が経ち、あっという間に高校1年も終わった。鳴海の教育実習の後、教師達は僕の居眠りに目ざとくなり、授業中に寝ていたら容赦なくその場で説教(笑)をしてきたけど、『つまらない授業をする方が悪い』と一蹴し続けていった。


 どうだったかな?僕の過去。覚えている範囲で話したからもしかしたら教師を嫌いになった経緯がいまいちだったかもしれないと思う。実際僕自身もどうして教師や教育実習生が大嫌いになったか自分でもよくわからない部分がある。多分、教師や教育実習生にされた小さな事が積み重なって大嫌いになったんだとは思うけど……。秀義との出会いは……別にいいか。これは誰かに聞かれた時に掻い摘んで話すよ



今回は真理で遊ぶ光晃と教育実習生の授業で質問をする話でした

珍しくこの話では光晃が真理に悪ふざけをしました。鳴海の研究授業では仕方ないとはいえ質問をしましたが、真理が北南高校の教師どころか全く別の職業だったら光晃は質問すらしなかったでしょう。って事で、過去編はこれで終わりです。小学校から高校1年生まで断片的なものになってしまいました。


今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ