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僕は周囲に対する認識を少しだけ変える

今回は職員会議で授業が潰れたところからのスタートです。

それにしても、前回、光晃に脅される形で問題を認識して緊急で職員会議を開くって・・・・

まぁ、どうやって教育するかはその学校によって違うのでとやかく言わないけど、北南高校は実習生の生徒との関わり方を見直すべきなんじゃないの?とは思います。


では、どうぞ

「さて、どうなるかな?」


 緊急の職員会議によって1時間目は見事に潰れた。誰が悪いかって?そんなの必要以上に生徒に絡んだ教師と教育実習生に決まっている。僕が家出しないとわからないなんて……真理姉さん含めてこの学校はバカばっかだな


「光晃!」


 このうるさい声は秀義か……そういえば、もう身体は何ともないから教室に戻ってきてたの忘れてた。


「何?秀義?僕が黙って家出したの怒ってるの?」


 別にどこへ行こうが僕がどうなろうが秀義には関係ない。僕が目が覚めた時に保健室の先生がいなかったのが関係ないようにね。


「そうじゃない!1時間目が潰れていきなり職員会議になった理由を光晃なら知ってると思ってな!」


 あぁ、その事か。秀義に話してもいいけど、コイツも真理姉さんや水沢先生と同類だ。別に言わなくてもいいよね


「僕は何も知らないよ。大方ここの教師か実習生が問題でも起こしたんでしょ?」


 この学校の教師ってバカだし、無駄にプライド高いから問題を起こしても不思議じゃない。生徒に見下されるようじゃ大人としてお終いだな


「そうか……」


 どこか納得してない秀義。ま、秀義が納得しようがしてなかろうが僕には関係ないけど。


「用はそれだけなら僕は寝るから」


 声のボリュームの事は言ったら直ったからいいけど、感情論に訴えられたら面倒だし、秀義と話をするメリットが僕にはない。


「はぁ、この学校にいる教師はバカばっかだし、来る実習生は実習生で思いあがってるし……」


 会議するだけ時間の無駄だといつになったら学習することやら……言うだけ無駄だから言わないけどね


 それから、1時間目が終わった頃、担任が戻ってきた。会議が終わって戻って来たか……どうせ何も出なかっただろうけど


「さっき緊急の職員会議で教職員と実習生の行動に問題がある事がわかった。そこで生徒の中で教職員か実習生に何かされた者がいないかのアンケートを取る事にした。今から配る用紙に書いてくれ」


 へぇ、緊急の職員会議で問題出たんだ。少しはこの学校の教師も見直したよ。だけど、もう少し早く気が付いてもよかったんじゃない?


「“教師や実習生に不満に思う事はありますか?”か……不満のない生徒いないでしょ。アンケート用紙を作るならもう少し上手くやれよ……せめて、“教師や実習生に思うところはありますか?”くらいにね」


 僕は1つ目のアンケートに授業がつまらない、自分の授業がつまらない事を棚に上げて居眠りする生徒を怒鳴りつける。大学からやり直せと書いた。この後も教師や実習生にされて困っている事などの項目があったけど、とりあえずは不満を書いておいた


「アンケートごときで教師や実習生が学習するなら苦労はしないのに」


 こんな事で改善されるならブラック企業は存在しない。校長は何を考えてるんだか……ま、僕には関係ないけど。何か大きな問題が起これば嫌でも自覚するだろ


「さてと、アンケートも書き終ったし、提出してサボるか」


 先生に怒られる?次の授業は真理姉さんだし、水沢先生も見学に来る。ここ2~3日は教育実習生と関わり過ぎた。当初は教育実習生と関わらないって決めてたんだし、それが元に戻っただけ。それだけの事だから気にする事はない


「関わらなければ意識する事もない」


 いつものサボりスポットで1人呟く。水沢先生を意識したから家出した。サボった僕が悪いとはいえ教育実習生のサポートをしろだなんてそもそもが間違いだったんだ


「光晃君……」

「水沢先生ですか……何か僕に用でも?」


 いつの間にか入って来ていた水沢先生に声を掛けられた。この人はここで僕に声を掛けて大丈夫なんだろうか?


「光晃君、どうして家出したの?」


 真理姉さんから何も聞いてないのかな?この人は?どっちでもいいか……


「別に。先生には関係ないでしょ?実習生である水沢先生には」


 水沢先生には関係ない。2週間しかいない人間にプライベートの事や込み入った事を話す理由はないし


「…………」


 水沢先生は無言で涙を流す。教育実習生が泣いたところで痛くもかゆくもないけど、この人が泣くとなぜか心が苦しい


「どうして泣くんです?水沢先生は実習生で僕は生徒です。先生と僕との関係は教師と生徒ですが、2週間の間だけです。それが終われば教師と生徒でも何でもない。貴女はただの女子大生で僕はただの男子高校生です。それだけの関係なんですよ」


 心が痛むけど、ここは我慢しなきゃいけない。僕にとって実習生や教師は僕にとって害でしかない。それは水沢先生でも例外じゃない


「それだけじゃないもん……」

「はい?」

「私にとってはそれだけじゃないもん!!光晃君は初恋の人だもん!!」


 教師が生徒に恋愛感情なんて持つなよ……この人は自分の立場を理解しているのかな?何のために実習に来たの?教員免許を取得する為じゃないの?そこから教師になるかは別として


「水沢先生、その話はまた後でにしませんか?」

「え?」

「今先生が初恋の話をすると拙いんですよ。学校の事とかね。僕だってどうなるかわかりませんし……だから、その話は後です」


 この時、僕は我ながら甘い事を言ったと思う。拒絶しようと思えばできたのにしなかった。水沢先生の恋バナを後回しにした。


「後っていつ?」


 涙目で問いかけてくる水沢先生。だけど、具体的にいつ?だなんて聞かれても困る


「そうですね……水沢先生の教育実習が終わってからにしましょうか?」


 我ながら甘い提案だと思う。だけど、水沢先生の実習が終われば付き合っても問題ない。学校関係ではね。これなら教師に文句言われないし


「本当に実習が終わればさっきの話の続きをしてくれるの?」

「ええ、もちろん。水沢先生の実習が終わればいくらでもしますよ」


 教師と生徒の恋愛はタブーだけど、関係が変われば問題ない。よく映画とかでは教師と生徒の恋愛をテーマにしたものがあるけど、アレってかなり危ない橋を渡っていると思う


「うん!それまで実習頑張るね!」

「そうしてください」

「ところでどうして家出したの?」


 できればそれは忘れてくれた方がよかったけど、適当に誤魔化しておくかな


「悩みがあって1人になりたかったからですよ」


 嘘は吐いてない。悩みがあって1人になりたくて家出したのは事実だし


「そう……でも、誰かに相談してからでもよかったんじゃないの?」

「僕の性格で誰かに悩みなんて相談すると思いますか?」

「……しないね」


 水沢先生は僕の性格をよくわかっているみたいでよかった。僕ほど性格がわかりやすい奴もいないと思うけど


「そういう事です。で、水沢先生に聞きたい事があるんですけど?」

「何かな?」

「今日の職員会議で教師と実習生の生徒に対する接し方について何か言われませんでしたか?」

「うん……昨日、あの人が問題を起こして緊急会議を開いたんだけど、生徒との関わり方について教師も実習生も関わりすぎだって言われたよ……」


 あの人とは昨日問題を起こした実習生の事を指してるのだろう。それで、教師も実習生も生徒に関わりすぎだって言われたと、こんなところだろう


「で、その後は?僕達生徒はアンケートを取られたんですけど?」

「うん、結局は職員会議では結論が出なかったから生徒に聞いてみましょうって事になってアンケートを取る事にしたの」


 この学校の教師を見直した僕がバカだった。自分達の行動を自分達で見直せという言う方が無理だけど


「生徒に聞いても改善する気がなきゃ意味ないような気がするけど……」

「あ、あはは……」


 僕の言葉に苦笑いを浮かべる水沢先生だけど、こんな教師や実習生に対し、辛口な意見しか言わないし、水沢先生に辛く当たっている僕のどこがいいんだろう?


「水沢先生はさっき初恋とか言ってましたけど、僕のどこがいいんですか?教師や実習生には辛口な意見しか言わないし、水沢先生には冷たい態度ばかりとるし……惚れる要素は1つもないと思いますけど?」


 僕が女なら絶対にこんな奴には惚れない。好きになる要素が何1つない。


「前にも言ったと思うけど、私がオドオドしても怒らなかったのは光晃君が初めてだった……冷たい態度とられても怒らなかったのは光晃君が初めてだった……それに、利用する為とはいえ、優しくされたら期待しちゃう……この人は私の事が好きなのかな?って」


 この人は知ってたのか……僕が利用する為に僕が優しく接した事があるっていうのを


「先生は知ってたんですか……僕が優しく接したのが先生を利用する為だって」

「小谷先生から聞いた。“光晃が私達に優しくするのは私達を利用する為で心からの優しさじゃない”って」

「そうですか……知られてましたか」

「うん、でも光晃君が教師や実習生を嫌ってるのは知ってたから仕方ないのかな?って思ったよ」


 この人はお人好しか?普通なら利用されたら怒るところだぞ?それを仕方ないってバカか?


「そうですか……でも、教師や実習生も僕達を利用して生活したり、学んだりしているからお互い様ですね」

「そうかもしれないね……」


 僕は教師や実習生を利用する事に対し躊躇いはない。だって教師は生徒に勉強を教える事で賃金を得ているし、教育実習生は短い期間という中で生徒を利用し何かを学び単位を取っている。単位をくれるのは大学だけど、何かを学ぶ事に対しては生徒を利用していると言ってもいいと僕は思う


「先生は怒らないんですね。僕の真実を知っても」

「小谷先生も私も光晃君がいなくなる方が嫌だもん……だったら利用されてるって知ってても側にいる事を選ぶよ」


 真理姉さんも水沢先生も大バカだ。利用されてるって知ってて僕の側にいようとするなんて……でも、1番の大バカは僕かもしれない。自分を必要としてくれる従姉を、好意を寄せてくれる女性を利用しようとした。いや、今も利用しようとしているんだから

今回は今回は職員会議で授業が潰れたところからのスタートでした

生徒に脅されて職員会議って・・・・

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

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