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【過去編75】僕の中3生活は爆弾発言から始まる

今回から中3編スタートです

中3に進級した光晃に何か変化は訪れるのか?

では、どうぞ

 持田さんに突然呼び出され永山と対峙した日から時は経ち、僕達は中学3年生となった。永山や他の教師陣が大変な事になったのは前にも話したと思う。そうなった理由は秀義や鶴田君を始めとする同級生なんだけどね。理由は単純明快、永山が職員室でイジメ問題を笑い飛ばした音声だったり、動画だったりをネットにバラ撒いたのが1人や2人だけじゃなかった。そして、同じように教育委員会に流したのも1人や2人じゃなかったから。さすがに2桁を超える人間が似たようなものを流せば嫌でも注目される。それはいいとして、永山は僕達が中2の間は担任だったけど、僕達の進級と同時に学校を辞めた。話が長くなったけど、今回は僕達が中3の時の修学旅行の話をしよう


「…………………またこの面子か」


 僕達は中3に進級した。この学校のシステムは中2、中3はクラスが持ち上がりというシステムらしい。つまり、学年が変わってもクラスが変わらないので進級したという実感が沸かない。この時は修学旅行の班決め。と言っても班決めはあり得ないくらい早く決まった。


「なんだよ光晃、文句あんのか?」


 僕に絡んできたのは毎度お馴染み名倉秀義。文句?文句はなかったけど、新鮮さに欠けたのは確かだ


「文句はないよ。ただ、去年の宿泊学習の時も同じ面子だったでしょ?」


 中2の時の宿泊学習の班も同じメンバーだった。おっと、中2で思い出したけど、持田さんをイジメていた連中は永山の音声をバラした後くらいから肩身が狭い思いをして過ごしたらしい。これに関して言えば自業自得としか言えないんだけどさ


「そうだな!去年の宿泊学習も同じメンバーだったな!」


 去年も同じメンバーだった事を豪快に笑い飛ばす秀義。嫌ではないけど、新鮮さに欠けていた


「まぁ、僕の事を知ってるメンバーだから文句は言わないけど、去年みたいに護ってくれとか言わないでよ?」


 中2の時の始まりは秀義の護ってくれ発言だった。この発言がきっかけで持田さんに声を掛けられ、永山の無能っぷりが露呈した。永山の歯車を狂わせた元凶は秀義と言っても過言じゃない気がする


「今年も護ってくれよ!光晃」


 名倉秀義という男は人の話を聞いてなかったのか、人の話を聞かないのか、僕が言った事スルーし、中3にもなって護ってほしいと言ってきた。


「あー、はいはい、出来たら護ってあげるよ」


 2年の時もそうだけど、護らないとは言わない。ただ、絶対に護るとも言わない。持田さんの自殺未遂で学んだけど、僕は神様じゃない。他人とした約束や他人の身を絶対に護り切れるだなんて言えない


「おう!期待してるぜ!」


 絶対に護ると一言も言ってないのに無駄な期待だけ寄せてくる秀義。コイツに言われるとプレッシャーの類を全く感じないのは幼馴染だからなのか、それとも、秀義関係でピンチにならないからなのか……その謎は今も明らかになっていない


「はいはい。それより、秀義は今年も班長になったんでしょ?」

「おう!今年も班長だぜ!」

「だったら早く先生の元へ行ったら?他の班の班長はもうとっくに集まってるみたいだよ?」


 修学旅行の班も秀義が班長になったらしい。そして、この時は班長が集まって何やら先生の話を聞かなきゃいけない時だった。別に僕は学校生活を平穏に過ごせればそれでいいから特に興味はなかったんだけどね。それはさておき、班長である秀義は先生の元へ行ってしまい、他の班員も別のところに行ってしまっていた。とどのつまり僕1人だった


「岩崎君」


 束の間の1人を満喫しているところに声を掛けてくる1人の女子。その女子とは中2の時にかなり交流を持った人物だった


「何?持田さん。今年はイジメもないから平和だと思うんだけど?」


 僕が中2の時にかなり交流を持った女子。そんな女子は言わずもがな持田彩菜さん。秀義の発言がきっかけで彼女とは話す事が多くなったり、一緒に行動した


「そうだね。今年はイジメられてないから平和に過ごせているよ。これも岩崎君のおかげかな?」

「僕は何もしてないよ。ただ、永山や持田さんをイジメていた連中が勝手に自爆しただけでね」


 僕は何もしていない。ただ永山が自ら破滅するように後押しをしただけだった


「そうかな?岩崎君のおかげで永山先生が学校からいなくなったし、私をイジメてきた子達は大人しくなったんだよ?これでもまだ何もしてないって言うのかな?」

「してないよ。永山が学校からいなくなったのはアイツが職員室でしていい話としちゃ悪い話を弁えてなかっただけだし、持田さんをイジメてた連中だってそう。イジメがバレたら自分達の肩身が狭くなったり、進学に支障が出るってちょっと考えたら解るのに止めなかった。どっちもバラされたら困る事がバレただけなんだから」


 ただ僕は永山のバラされて困る事をバラしただけだし、持田さんをイジメてた連中は因果応報


「それでも、岩崎君のおかげだよ!さすが、私の王子様だね!」

「「「「は?王子様?」」」」


 持田さんの王子様発言によりクラスが静まり返った。もちろん、僕の思考も停止した


「はい?僕が王子様?」


 僕は意味が理解できなかった。どうして僕が王子様になるの?今でも謎なんだけど、人を助けるくらい誰にだって出来るよね?


「うん!王子様!お母さんとお姉ちゃんも言ってたよ?お婿にするなら岩崎君みたいな子にしなさいって!」

「「「「はぁぁぁぁぁ!?お婿ぉぉぉぉぉぉ!?」」」」


 今度は持田さんの発言でクラスが騒然となった。っていうかさ、持田さん爆弾落としすぎだからね?その爆弾を落とした当人である持田さんはというと─────


「キャッ!言っちゃった……」


 自分の発言に顔を真っ赤にしていた。この時の持田さんに中2の時の面影など微塵もなかった


「言っちゃったって……」


 僕は僕でどこから突っ込めばいいのかわからなかった。ただ、母親と姉公認という事実から目を背けたくはあったけど


 クラスを騒然とさせた修学旅行の班決めを乗り越え、その後、男子に追い回されるというラブコメ的イベントもなく、この日の学校が終わり、僕は無事に帰宅する事が出来た。出来たんだけど……


「光晃!知佳という者がありながら持田さんと婚約したってどういう事!?」

「光晃君、その話、私も詳しく聞きたいなぁ」


 帰宅した真理姉さんが連れてきた二枝と智花さんがなぜか僕が持田家(母、姉、持田さん)に認められたという話を知っていて問い詰められていた


「いや、それは持田さんが勝手に言ってる事であって僕は持田さんと結婚するだなんて一言も言ってないからね?大体、知佳達はどこでその話を知ったの?」


 二枝は小学校、智花さんは高校でそれぞれ教師をしているので僕が通う中学の話を知っているはずがなかった。だと言うのにそれを知っていた。これはどういう事でしょうか?答えは1つだよ


「名倉君が教えてくれたんだよ!光晃が知佳達に黙って持田さんと婚約したってね!!」

「秀義……」


 二枝達が持田さんの話を知っている理由は簡単だ。同じクラスにいる誰かがそれをバラしたから。僕と持田さんの事を知っていて二枝達が僕の家に時々来るって事を知っている人物でバラす奴なんて1人しかいない。そう、名倉秀義しかね


「光晃君、名倉君の事を恨むのは後にして私達の質問に答えてもらっていいかな?」

「そうだよ!知佳は持田さんと婚約した事まだ納得してないんだからね!」


 納得してないんだからね!なんて言われても答えようがなかった。だって、婚約どころか彼氏、彼女として付き合ってすらなかったんだから


「いや、納得してないと言われても……そもそも、僕と持田さんは彼氏、彼女として付き合ってすらいないんだから。それに、秀義からなんて言われたか知らないけど、僕は初恋すらまだなんだけど?」


 毎回しつこいようだけど、僕の初恋は葵衣と言っても過言じゃない。宮村さんも持田さんも一緒に行動しはしたけど、そこから恋愛感情が芽生えるかと言われればそれは別の話だ


「じゃあ知佳が初恋の相手になってあげる!だから知佳と婚約しよう!!」


 二枝はドヤ顔で何を言い出すんだろうか?普通に考えてダメでしょ?僕と二枝は元とはいえ教え子と教師なんだし


「お姉ちゃんはダメでしょ!元とはいえ教え子と教師なんだし」


 僕の思っていた事を代弁してくれたのは他でもない智花さん。結論から言うと僕は持田さんともそうだけど、二枝とも智花さんとも婚約なんてしなかった。中3の段階で誰かと婚約したら葵衣とは付き合ってなかったわけだから言わなくても解ると思うけど


「え~!知佳も光晃と婚約し~た~い~!」


 いい歳した大人が駄々を捏ねた。


「ダメ!お姉ちゃんの代わりに私が光晃君と婚約するから!」


 智花さんも智花さんで意味の解らない事を言い出した。


「それこそダメ!光晃とは知佳が婚約するから智花は大人しくしてなさい!」

「お姉ちゃんこそ!学校にバレたら大変な事になるんだから大人しくしててよ!」


 二枝と智花さんによる僕置いてけぼりの姉妹喧嘩が始まった。僕は姉妹喧嘩が始まり、逃げるチャンスだと思った僕は二枝と智花さんが喧嘩している間に自室へ戻る事にした。



 自室に戻り、僕はベッドへ寝ころんだ。


「今年は平穏な学校生活を送れると思ったんだけどな……あれかな?今年は女難から始まる学校生活なのかな?」


 僕は平穏な学校生活を望んでいた。それは今も変わらない。でも、中3に進級してすぐに僕の平穏な学校生活は崩れ去った。持田さんの発言によりってね


「嫌ではないけど、持田さんには僕よりもいい人がいるでしょ……二枝と智花さんもだけど」


 好意を寄せられるのは嫌じゃなかった。持田さんは可愛い系だったし、二枝は黙っていれば美人。妹の智花さんだって二枝と姉妹だから同じ事。そんな人達が僕に好意を寄せてくれていた。だけど、中3の頃の僕は初恋すらまだしてない状態で恋愛というのがどういったものなのかを理解してなかった


「人を好きになった事のない僕に持田さん達の中から1人を選べって言われても困るんだけどなぁ……」


 当時の僕は恋愛というものを理解してないお子ちゃまだった。もちろん、好みのタイプは?って聞かれても困ったしね。そして、これが後に波乱を巻き起こす事になるだなんてこの時の僕は予想だにしていいなかった。あれは本当に疲れた……

今回から中3編スタートです

中3になってもクラスは持ち上がりの為、あまり大した変化はありませんでした。あったとして持田さんの爆弾発言くらいでしょうか

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました

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