表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/214

僕は保健室で目が覚める

今回は保健室からのスタートです

前回の話もそうですが、今回の話でも真理が狂気にも似た行動をします。

昨日はヤンデレを追加しようと思ったのですが、真理も葵衣も狂気にも似た行動に出るのはあくまでも一時的なものなのでヤンデレは付けません


では、どうぞ

「どこだ?ここは?」


 真理姉さんに気絶させられた僕は気が付くと見知らぬ天井を見つめていた。薬品の独特な匂いから薬品がある場所というのはわかる。


「あ、ここは保健室か……」


 目が覚めた時点で気が付くべきだったけど、気絶させられたという事の方が大きくてここがどこかを認識するのが遅れた。薬品の独特な匂いで保健室が連想できないほどに


「あ♪光晃♪起きた?」


 目覚めて最初に聞いたのは真理姉さんの楽しそうな声。僕は真理姉さんに気絶させられたんだった……そして、ここへ運び込まれたというところか……


「まり……ねえ……さん」


 地下室にいた時もそうだけど、今の真理姉さんは普通じゃない。得体の知れない狂気にも似た何かを感じる


「もう、学校では小谷先生でしょ?」


 呼び方を指摘してくるところはいつもの真理姉さんだけど、その前の行動が普通じゃない。普通、気絶させるか?


「小谷先生、どうして僕を気絶させてここへ?」


 家出した生徒を連れ戻すのに気絶させる必要はない。時間が掛かっても説得して連れて来ればいい。だけど、真理姉さんと水沢先生は説得じゃなく、僕を気絶させた。そこが腑に落ちない


「だって、説得して素直に言う事を聞くような性格してないでしょ?光晃は」


 それはそうだけど、気絶させて強引に連れてくるなんて正気の沙汰じゃない。


「だからって、気絶させて連れて来なくてもよくないですか?僕じゃなかったら親からクレームが来ますよ?そして、校長や教頭にも知られますよ?」


 親からのクレームが入り、校長や教頭に知られても減給や謹慎くらいなら軽い方だけど、教員免許剥奪とかシャレにならない。まして、警察沙汰ともなれば学校の評判にも関わってくる。真理姉さんだけじゃなく、この学校の教師はその辺りの自覚が足りない


「それで光晃が取り戻せるなら安いものだよ♪」


 ダメだ。話が通じるとかそんなレベルの問題じゃない。完全に狂っている。とにかく、ここは何とかしないと


「小谷先生がそれでよくてもこの学校に勤めてる他の教師や在学中の生徒は困ります。特に3年生は進路に関わってきます。その辺りを自覚してください」


 別に教師がどうなろうと知った事ではない。だけど、進学や就職を控えた3年生は大いに困る。問題を起こした教師が勤めている学校から来た生徒のレッテルを貼られる事になる


「じゃあ、出て行かないでよ!!どうして家出なんてするの!?私何か悪い事した!?」


 保健室に真理姉さんの声が響く。よく見ると真理姉さんは泣いてる。真理姉さんは何も悪い事はしていない。これは僕の問題だ。僕が水沢先生を意識したから家出した。それだけの事だけど……何て答えたものか……


「別に。これは僕自身の問題で真理姉さんが悪い事なんて何1つとしてないよ」


 これは僕自身の問題なのは確かだ。僕が水沢先生を意識したからこうなった。真理姉さんは関係ない。だけど、家にいれば嫌でも学校に行かなければならない。実習期間なら水沢先生と顔を合わせなければならない。そうならない為に家出した


「じゃあ、どうして何も言ってくれないの?光晃はいつもそうだよね……いつも1人で決めてさ、そんなに私は頼りにならないかな?」


 頼りにならないか……そんなの決まってる。頼りにならないよ。教師は自分の体裁が守れればそれでいいって考えてる奴しかいないし。少なくとも僕が関わってきた教師はそうだった


「頼りにならないよ。教師なんて。約束は守らないし、自分の体裁を守る為に時には生徒に嘘まで吐くじゃん。そんな連中のどこをどう頼れと?頼ってほしいなら自分の行動を見直してからにしたら?」


 教師は頼りにならない。これは間違いないけど、もう1つある。教師はものを調べない。情報の授業を受けていてそう思った。ただ、教科書の内容をなぞるだけの退屈な授業しかできない。そんな連中を頼るなんて馬鹿げてる。


「光晃……じゃあ、教師が少しでも頼りになるってところを見せれば私の事を信用してくれるの?」


 面白い事を言うね。真理姉さん。教師が頼りになるところを少しでも見せてくれるなら真理姉さんの事を見直すよ


「そうだね、教師が少しでも頼りになるところを見せてくれれば真理姉さんを信用するよ。まぁ、どうするかは知らないけど、頑張ってみれば?」


 上から目線なのは僕だっていい気はしないけど、もしも教師が頼りになれば僕は真理姉さんを信用する。これは間違いない


「わかった、ちょっと待ってて」


 真理姉さんは僕に待てと言って出て行った。僕の要求が1日で叶うくらいなら今まで苦労はしてない。僕の要求は必要以上に教師や教育実習生が僕に絡んで来ない事だもん。そんなの叶えられるわけがない


「僕が長年言い続けた事を1日で叶えられるかな?ま、無理だろうけど」


 本人が言い続けて無理だったんだ。それを一介の教師である真理姉さんが騒いだところでどうにかなる問題じゃない。


『失礼します、岩崎君いますか?』


 外から校長と思しき女性の声が聞こえてきた。ここは病院じゃないし、病室じゃないんだから声を掛ける必要はないと思うんだけど


「はい、いますけど?」


 一応は返事を返す。さすがに無視はよくないし、今のところは無害なんだ邪険に扱う理由もない


「失礼しますね」


 ドアを開けて入ってきたのは校長だった。校長が僕に何の用だろう?


「校長先生が僕に何の用ですか?」


 僕は家出したけど、校長には関係ないはず……それが何の用だろう


「ええ、岩崎君が教師や実習生に必要以上に絡まれて困っていると小谷先生から聞きましてね」


 真理姉さん……教頭を通り越して校長に言ったのか?


「確かに、教師や実習生に必要以上に絡まれて困ってますけど……」


 ここで僕が教師や実習生を庇う必要も意味もない。困っていると言ったところで僕は痛くもかゆくもない


「それはこの前の実習生の件と関係ありますか?」


 いきなりぶっこんだ質問をする校長だけど、あの実習生はもういない。打ち切りなった人間を今更悪くいっても問題はないだろう


「そうですね、あの実習生は問題を起こしましたが、それも関係ありますね」

「そうですか……」


 校長は目を伏せた。この人はひょっとして今まで僕の状況を知らなかったのかな?


「はっきり言いますけど、熱意で何とかなるなんて戯言を信じて僕に絡まれると迷惑です。それに加えて授業はつまらない。この学校の教師も来る実習生も救いようがないですね」


 校長を責めてるわけじゃない。だけど、学校のトップが知らない事は問題がある。この人にはそれを自覚してもらおう


「そうですか……教師としては耳が痛い話ですね……」

「例え教師として耳が痛い話でも僕が感じていた事は事実です。教師や実習生がどうなろうと僕には関係ありませんが、自分の価値観で接してくるのは止めて頂きたい」

「わかりました。明日の職員会議で今の話を議題として取り上げさせて頂きます」


 この校長はバカか?明日じゃ遅いってわからないのかな?今からでも緊急の職員会議を開いてこれを問題にするべきだろ?


「校長先生」

「何ですか?岩崎君」

「貴女バカですか?」

「はい?」


 校長は理解できないといった顔をしている。さっき話したのは僕自身の話だけど探せば僕と同じ思いをしている生徒はまだいるかもしれない。そんな現状を知ってこの問題を明日の会議の議題にする?明日じゃ遅いんだって気が付かないのか?


「さっき話したのは僕自身の話です。ですが、この学校の生徒の中には僕と同じ思いをしている生徒がいるかもしれません。僕は男ですが、もし女子生徒が僕と同じ状況だったら?もっとひどい状況だったらどうします?責任取れますか?明日の会議で取り上げる?それじゃ遅いんですよ。今から緊急で職員会議を開いて議題にしなきゃね。幸い今だったら1時間目の授業が始まる前の休み時間です。やろうと思えばできると思いますよ?ま、問題が起きてからでもいいとおっしゃるなら明日でも構いませんけど」


 脅迫しているようで悪いけど、僕は絡まれる程度で済んでる。だけど、男女交際を迫られている生徒もいるかもしれない、別の問題が起きているかもしれない


「わ、わかりました……今から緊急の職員会議を開きます」


 校長は苦虫を噛み潰したような顔をして出て行った。これだから教師は困る。問題を先に先にと延ばし、問題を先送りにする


「精々頑張ってください。会議で問題が出てくるとは思いませんけど」


 問題が出てくるわけがない。大人数の前で自分が問題を起こしてます。なんて言うバカはいない


「校長には悪いけど、何も問題は出てこないと思うけど」


 真理姉さんが校長に話したのが原因だとしても、問題が浮き彫りになるだけで明らかになるとは思えない。教師は問題を隠すから

今回は保健室からのスタートでした。

葵衣の行動もそうですが、真理の行動も光晃に黙っていなくなってほしくないだけなのです

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ