僕は朝、柔らかい感触で起きて教育実習生に絡まれる
今回は寝起きの光晃は真理と葵衣のある部分の感触で起きて、学校では別の実習生に絡まれる話です
何か光晃の発言がちょっとあれかな?と思いますが・・・・
では、どうぞ
「あん♡」
朝、僕は右手に伝わる柔らかい感触で目が覚めた。何だろう?このマシュマロみたいな感触は……
「いやん♡」
今度は左手に右手と同じ感触が伝わる。だけど、僕の部屋を含めてこの家にはこんな感触のクッションやぬいぐるみを置いてはいない。そもそも、ここは客間でクッション自体ない
「「エッチ……」」
左右で頬を赤らめている真理姉さんと水沢先生。あ、この左右のマシュマロみたいな感触は2人の胸の感触か。
「戯言ほざいてないで起きてください。2人とも」
ラブコメの主人公ならここは顔を赤くして慌てるところだけど、生憎僕はそんな事はしない。動揺しても無駄だし、動揺したり顔を赤くしたりすると相手の思うツボだ
「光晃のエッチ……」
真理姉さんは僕がわざと触ったみたいな感じでチラチラと僕を見てくる。
「光晃君、触りたいなら言ってくれればいつでも触らせてあげるのに……」
水沢先生は僕が許可なく触ったかのような言い草だ。
「2人ともウザい」
部屋を出る前に2人に一言言い残して部屋を出る。最初は謝ろうかと思ったけど、あの人達の反応を見て謝る気が失せた。昨日は強引に家に戻されたが、やっぱり出て行くべきだった。
「朝から疲れる人達だな……」
勘弁してほしい。ただでさえ面倒な人達なんだ。これ以上の面倒事は勘弁してほしい
「学校を休むと真理姉さんがうるさいし……サボりスポットに行ってもうるさいし……」
じゃあ、普通に授業を受けろよ。って話になるけど、中には授業の半分を自分の自慢話か身内の話に費やす教師もいる。別に僕を含めた生徒は教師の自慢話にも身内の話にも興味はない。授業をしてくれればそれでいい。ただそれだけだ。僕にとっての教師は授業をするだけの存在であり、それ以上でもそれ以下でもない
「今日は1日保健室にいるかな」
北南高校の教師は問題が起こると毎回授業を潰してまで学年集会をするような連中だから正直、授業を受ける価値があるか?って聞かれれば、そんな価値ないと僕は思う。先月も先生の車に悪戯されたとかで学年集会をやったけど、教師がどんな車に乗ってるか興味ないし、見栄や自慢の為に学校にブランドものの車で通勤する教師がバカなだけだし
「光晃、ちゃんと授業は受けなきゃダメだよ?」
真理姉さんが背後から注意してきた。じゃあ、生徒が自分から受けたいなと思う授業をしろ。居眠りゼロの授業をしてみろ
「じゃあ、生徒が自分から受けたいなと思う授業をするか問題が起こる度に授業を潰して学年集会をするなよ。あ、あと、自慢話や身内の話を授業中にしないのであればちゃんと授業を受けるけど?」
「うぐっ!」
教師としてはぐうの音も出ないだろう。たまに横道に逸れてしまったとか、家族の看病で前日寝てなくて睡眠不足で授業中に寝てしまったなら仕方ないと思うけど、そもそもが自慢話とかから入るのは教師としてダメでしょ
「まぁ、真理姉さん達には無理だって理解してるからもう言わないけどね」
言ったところで真理姉さん含めて教師は何も学習しない。居眠りしている生徒を指導もとい怒鳴りつけて終わりだ。自分の授業のどこがダメか?なんて考えない
「せ、先生たちは一生懸命やっていて……」
一生懸命やっているなら自慢話とかは授業中に出てこないし、話が逸れても授業の内容に関連のある話ならいいけど、身内の話か自慢話だし……
「一生懸命やって身内の話や自慢話しか出てこないの?実習生もそうだけどさ、職員室で何やってんの?自慢話大会?給料もらってるならその分の仕事くらいしたら?」
こんな事真理姉さん1人に言っても仕方ないのでここまでにする。
「ぐうの音も出ない……」
真理姉さんは真っ白に燃え尽きていた。そうなるくらいなら言わなきゃいいのに……教師が生徒に口で勝てると思ったら大間違いだ。自分の半分も生きていない生徒に言われちゃ終わりだと思う
「光晃君、さすがに言い過ぎなんじゃないかな?」
今度は水沢先生が異を唱えてきた。教師の次は教育実習生か……めんどくさいな
「言い過ぎ?どこが?僕はただ教師に対して保護者から学費を貰ってるんだからその分の仕事はきちんとしろ。って言っただけですよ?どこが言いすぎなんです?」
「せ、先生達だって夜遅くまで教材研究したり資料作りしたりするわけだし、一概に否定するのはよくないと思う……」
この人はわかってないな……僕が言ってるのはそんな夜どうとかじゃなくて、生徒に居眠りするなとか怒鳴って逆切れするよりも先に居眠りする暇がない授業をしろっていう事なんだけど、解ってるのかな?
「別に僕は教師が夜遅くに何してるかなんて興味ありませんよ。ただ、生徒の居眠りとかで逆切れしてる暇があるなら授業を向上させろって言ってるんです」
僕は授業を向上させろと言っているだけで自慢話や身内の話をするなと言っているわけじゃない。ただ、授業の話よりも自慢話や身内の話が多いと言っているだけ
「光晃、私達にもう少し優しく接してくれてもいいと思うんだけど……」
真理姉さんがこんな事を言ってきた。もう少し優しくねぇ……それがお望みならしない事もないけど
「そ、そうだよ……私達は光晃君にそんな態度取られると辛い……」
水沢先生もか……しょうがないなぁ……じゃあ、お望み通りにしますか
「そうですね。2人が望むように優しくしてみますよ」
「「本当……?」」
「ええ、ここじゃなんですから部屋に戻りましょうか?」
「「う、うん……」」
部屋の前じゃさすがにいろいろとキツイし、それに、さっきの仕返しをするチャンスだ。思いっきり優しくしてやる
「さて、どちらから先に優しく接しますか?」
真理姉さんと水沢先生。優しく接してほしいと言う人は2人だけど、僕は1人しかいない。2人同時になんて無理だ。だから、順番に優しくする。
「私は後でいい。水沢先生からお願い」
「え!?そ、そんな、小谷先生から……」
2人とも譲り合っているけど、これじゃ埒が明かない。仕方ない、2人同時には無理だって言ったけど、2人同時にやってみよう
「真理、葵衣、おいで?」
「「…………」」
僕が両腕を広げ、真理姉さんと水沢先生が僕の腕にスッポリと収まった。この2人が似ている部分は依存体質なところだと思う
「2人ともいい子だね」
「「えへへ~」」
僕が頭を優しく撫でただけでこれだ。依存されるのは嫌だけど、この2人をもう少し依存させて学校で僕が動きやすくするか。
「いい子の2人に僕からお願いがあるんだけど、聞いてくれる?」
「「うん、何でもお願いして……」」
ほう、何でもか……この2人にできる事なんて限られてる。だから、この2人には僕が学校で他の実習生に絡まれないようにしよう。学校の教師で関わるのは真理姉さんだけ、実習生は水沢先生だけ。本当だったら教師や実習生と関わるのは嫌だけど、仕方ないか……
「じゃあ、真理姉さんか水沢先生は学校で授業中以外は常に僕と一緒にいる事。僕に手伝ってほしい事があるとでも言えば2人とも僕を連れ出すくらい簡単に出来るでしょ?」
「光晃がいいなら、そうするけど……いいの?」
「何が?」
「実習生や教師に絡まれるの嫌がってたのに私達が学校で関わっても光晃君はいいの?」
そんな事か。本当は嫌だけど、他の教師や実習生に絡まれるよりはマシ。熱血バカの相手してるよりもこの2人の方がやりやすい。この2人は僕が信用して頼んでると思っているみたいだけど、勘違いしないでほしい。僕は君達2人を利用するために優しくしているだけに過ぎない
「他の教師や実習生に絡まれるなら真理と葵衣の方がマシだよ。それとも、僕と学校で2人きりになったりするの嫌かな?」
「「嫌じゃない……」」
「じゃあ、お願いできる?」
「「うん……」」
この2人が似たもの同士で助かった。他の実習生や教師に絡まれない為に使えるものは何でも使う。悪いけど、僕はアンタら教師や実習生を手放しで信用しない。使えるとわかったら信用する。それだけだ
「さて、準備しないと遅刻するよ」
さて、学校で他の実習生や教師に絡まれない駒が揃ったところで登校準備をする。ま、この2人にはそんなに期待してないけどね
「「うん!」」
真理姉さんと水沢先生……精々利用させてもらうよ。僕が好意を寄せていると思いこんで頑張ってね。
「…………」
「…………」
学校に着いてすぐに秀義と会ってしまった。僕はコイツと話す事なんて何1つない。
「光晃!!」
秀義を無視して教室に行こうとするが、逆に秀義から声を掛けられた。
「何?声のボリューム落とせって言ったのまだ直ってないの?」
昨日散々言ったのに直らないなんて学習能力がないんじゃないの?
「ごめん……」
やればできるんだからいつもそうしていれば僕だってこんな事を言わないで済むのに……
「できるなら最初からそうしてくれない?何回も言われてできないのは教師や実習生だけで十分だからさ」
本当に学習しないのは教師や実習生だけにしてほしい。さて、ウザい幼馴染も大人しくなったし、平和な学校生活を満喫しますか
「おい!教師や実習生が学習しないって言うのはどういう意味だ!!」
誰だ?この男?いきなり話に入ってきて……暑苦しい上にウザい。
「秀義、このうっとおしい人誰?」
「教育実習生の先生」
真理姉さんと水沢先生がこの場にいないし、こういった不測の事態は仕方ない。この人にも早々に退散してもらおう
「そう。僕にとって貴方の名前なんてどうでもいいんで用件だけ言いますけど、生徒の中には教師や実習生に絡まれただけでも嫌だっていう生徒もいるんです。それを何回言っても学習しないなんて学習能力がないとしか言いようがない。本当の事を言って何か悪い事でもありますか?」
「お前!!俺達をバカにしてるのか!?」
はぁ、この人は……自分の実習は学校側が即座に打ち切りだって言えば打ち切られるって事と実習先の生徒である僕との間に問題を起こせばマズイって事くらいわからないのかな?
「別に。事実を言ったまでです」
そう、僕は事実を言ったまでで、侮辱したつもりはない。
「生徒指導室で説教してやる!!来い!!」
実習生の分際で空き教室まで使って説教か……実習生の分際でいい気になるなよ?
「嫌ですよ。それに、貴方は忘れていると思いますけど、僕が同級生と喋っていたところに実習生の先生が絡んできた挙句に一端の教師気取って現場の教師に意見を仰がずに生徒を指導しようとしたって言いつけてもいいんですよ?そうしたら貴方の担当の教師は日誌になんてコメント残すんでしょうね?」
実習日誌は実習終了後に大学に提出する事になっている。つまり、今日の事を僕が学校にチクればこの人の評価は地に落ちる事間違いなし
「このっ!言わせておけば!いい気になりやがって!!」
教育実習生が僕を殴ろうとしているが、僕は全然怖くない。むしろ殴られた方が好都合だ
「別に殴ってくれて構いませんよ?生徒としても貴方みたいに教師や実習生が偉いと思いこんでいる人間は邪魔ですから。ま、貴方の実習はここで終わりみたいですけど」
「どういう意味だ!?」
この状況でまだ理解できてないとは……コイツは本当にバカだな
「ここは廊下で多くの生徒が見ている。周囲から注目を集めるって事は当然、教師を呼びに行く生徒も中にはいるでしょう。ほら、噂をすれば」
「岩崎!!大丈夫か!?」
生徒達をかき分け僕達の方へやってきたのは真理姉さん。タイミングとしてはもう少し遅くてもよかったけど、今のタイミングでもいいか
「僕は平気です。ですけど、いいんですかね?教育実習生が実習先の生徒に暴行紛いの事しても」
この瞬間、1人の実習生の実習が終わる。そんな気がした。誰が悪いって?そんなの生徒相手に熱くなった上に暴行紛いの事したコイツが悪い
今回は寝起きの光晃は真理と葵衣の胸の感触で目が覚めて学校では別の実習生に絡まれる話でした
真理と葵衣は悪ふざけが過ぎたかな?
今回も最後まで読んで頂きありがとうございました




