入学試験を受けよう!
ここからやっと登場人物が増え始めます!
ここはミロンガルブ学園。
グランウェイン王国王都の南西に位置しており、湖に浮かぶ小島にそびえ立つ、伝統ある学び舎である。王都にあると言っても外れに位置しており、一般の冒険者が徒歩で日中を潰してやっとたどり着けるくらいには、王城から離れている場所だ。校舎はゴシック様式に似た建物で、鐘楼が学園の中央として目印となっている。
学園の西には広大な森があり、魔物が生息しており、強いレベルの魔物が出ない事から、この森は学園の訓練場として使用されている。
さらにその先は山が連なっている。山にはワイバーンが縄張りを作り住み着いており、その中には、人々の伝説でしか語られていない古竜が住んでいる。その暇を持て余した古竜が人化し、偶に世界をふらふら旅に出ていたりするのだが、それはまた別の話。
両親に学校へ行きたいと表明し、あれから約四年。リルテはミロンガルブ学園の入学試験を受けに来ていた。
伝統ある学園であるがゆえ、簡易ながらも試験があるのだ。内容は身分証明と筆記に実技試験とあり、これによりクラスが分けられる。競争原理を働かせる事が目的で、時期によりクラスの異動も行われている。
身分証明は鑑定石が使われ、名前、年齢、種族、殺人や窃盗などの犯罪歴が確認できる。仕組みは解明されていないらしいが、曰く「魂の記憶で判別している」とされている。
入学できる最低年齢は定められているが上限はない為、例年受験する者が多く、足早に試験が行われる。そのスピード感にリルテが戸惑っている内に、気付くと残すは実技のみとなっていた。
内容は、得意な方法で的を攻撃するというものであった。
「おー!やっぱ魔法って凄いな!」
試験の列に並んでいる最中、不意に後ろから大きな声がしたので、リルテは振り返った。
そこには金髪ベリーショートで目鼻立ちがはっきりした男子が立っていた。
「悪りぃ、女の子なのにいきなり驚かせちまって。魔法ってあんま見た事がねぇから感動で大きな声が出ちまった。俺はジュール。今年12歳だ。宜しくな!」
「僕はリルテ。君と同じで12歳。でもれっきとした男だよ?」
リルテは、ジュールよりも20㎝ほど身長が低かった為、自然と上目遣いで答えた。
そう、性別を間違えるのは無理もなかった。約4年も経ったとゆうのに、あの頃からリルテの容姿は相変わらずの美少女ぶりであった。
しかもこの答え方なので、ジュールは少し間が開いてしまった。
「……いやっ!間違えたのは悪かったが、その仕草といいほんと女みたいに可愛いなお前っ!」
気が付くと、近くにいた誰もが頷いていた。
「ん?ありがとう?」
皆の反応に理解できず、戸惑ったリルテをフォローするかの様に、透かさずジュールが手を差し出した。
「まぁ、合格出来たらそん時は宜しくな!」
そんな軽いやり取りを交わし、二人が握手したと同時に大きな爆発音がした。
「へにゃーーーーっ!?」
その声と共に、二人の足元へ女の子が転がってきたのだった。




