頼まれました。
ヒラリとワンピースの裾を広げながら数歩近づき、少女は彼女の手を取った。そして、まるで見えない何かを探すように、ジッと眼を見つめながら語り出した。
「頼みたい事は異世界で、ある対象の子たちを見つけたら助けてやってほしいんだぁ。妾が観察…もとい監視をしていたんだけれど、最近ちょっと手が離せない状況になっちゃってねぇ」
だからお願い!と言わんばかりに彼女を見つめた。言葉からは強制的な物を感じなかった為、ついで程度なら頼み事を受けてもいいかなと考えていた。
心を読んだのかニコッと少女は笑い、話を続けた。
「転移は君の体がもう消滅してしまって出来ないし、転生という形をとるけど異世界ミウドレンは、割と平和な世界だから安心してねぇ」
口を開かないまま話を進められた事に苦笑しつつ、混沌とした世界に送られる事が無くなった事に彼女は安堵した。
「でも君は僕の子で、あの子の子ではないから少し不安だし、異世界で動きやすくなるように、何か一つお願いを聞いてあげるよぉ」
少女の提案は人生を遊んで暮らせたり、最強の存在として無双を行えたりできる、望んだ物を手に入れるチャンスであったが彼女は無欲であった。
向こうは平和らしいので別にチートなスキルが欲しいわけでもなく、「生活するのに便利」ぐらいの程度を思い、ゲームなどによくあるアイテムボックスみたいに、物を簡単に運べるようなものを思い浮かべ提案した。
「あーそれだったら次元空間を使えるようにしてあげるー。おまけでこの中に、私のお気に入りの剣<イネイン>も入れておくねぇ」
剣と魔法の世界だから一応ね!と可愛くウィンクをした後、両手を前に突き出し手を光らせた。
すぐに光は収まり、続けて少女は説明を始めた。
「対象の子を見つけるのには、スキルアナライズっていう鑑定みたいなものをつけておいたから、そのスキルを使うと対象の人物には星マークが見えるよぉ」
「あっありがとうございます。あっ!ほんとだ。星マークは見えないけれど、目の前に神様という文字が浮かんで見えます!」
それを聞き少女は、当然っ神様ですからっ!と腰に手を当てて胸をそらした。
可愛いなぁと彼女が思っていると少女は突然、上を見上げた。
「あっ時間がなくなっちゃったから君をあちらに送るね。それと、我と会話した事と君の前世の記憶も引き継げるようにしておいたからぁ。それじゃ頑張ってねー」
こうして彼女は、異世界に転生されたのだった。




