神様と遭遇です。
彼女は対応する事が出来ていなかった。
つい先程まで病院で寝ていたのが、目を閉じた瞬間ただ真っ白な空間にいたのだから。
今の状況に至る出来事が考え付かずこてん、と首を傾げた時、背後から声がした。
「珍しいね。ここに迷いこむ子がいるなんて」
急に、声を掛けられてビクッと肩を跳ねさせた彼女だが、すぐさま後ろを振り返った。
そこには肩に触れるぐらいの長さで白銀に輝く髪を揺らし、白いワンピースを着た青い眼をしたビスクドールのような少女がいた。
「あっごめんね。驚かせたね。私も滅多に無い事だから思わず声をかけちゃった」
少女はテヘペロ!と、完璧な仕草をつけていた。
彼女は一瞬見とれていたがすぐに今の自分の状況が分からない事を思い出した。
「こ、ここはどこですか?」
「ああ、ここは僕の自室みたいなものかなぁ。因みに余は神様です。エッヘン!」
ドヤ顔をした少女に対し、神様と聞き不安げな表情をした彼女だが、神様に遭遇している事で自身の死を悟り、一人納得していた。
一人称がころころ変わる事には触れず、彼女は死んでしまった事実から気持ちを切り替えた。
「まぁーそうですよね。いつ死んでもおかしくない状態でしたから。では、ここは天国ですか?」
想像する地獄とはかけ離れた光景から彼女はそんな質問をした。
「違うよー。さっきも言ったけどここは我の個人部屋みたいな物なんだ。だから、君みたいに迷い込む子はそうそういないんだけどねー」
うーんと目を閉じて考える仕草を一頻り行ったあと、少女は何か閃いたのかポンっと手の平を叩いた。
「これも何かの縁だし、君に頼みたい事があるんだけどいいかなぁ?」
あれ?異世界転生物みたいな事を言い始めたぞ?この流れは厄介事を押し付けられるのでは?と身構えながら、彼女は取り敢えず話を聞くことにした。




