生き返ったお姫様
ある国では、人が死ぬと死者が悲しい思いをしないように同じ時期に死んだ猫を一緒に棺おけに入れる風習があった。
昔々、牡丹という国がありました。その国では、死者が寂しい思いをしないように人が死ぬと同じ時期に死んだ猫を一緒に棺おけにいれるという風習があった。
ある日、一人の姫が死んでしまい、姫がいつもかわいがっていた猫も後を追うように息を引き取った。姫の棺おけには、一匹のとら猫が寄り添うように入れられた。
父上は姫の死が信じられず、火葬をせずいつまでも姫をそばにおいて、毎日、薔薇の花びらを姫の棺おけに入れていた。するとある日、死んだはずのトラ猫が目を開けているのに気づいた。
父上は、かかりつけの医者を呼び、確認してもらったところ、確かに猫は生きていた。ただ、目を開けるものの動くことはしない。それでも、父上は毎日、姫と猫の眠る棺おけに毎日、薔薇の花びらを入れ続けた。するとある日、姫の目が開き、姫が起き上がった。それと同時に、トラ猫も鳴き声をあげて一緒に動き出した。
城中は大騒ぎになり、祝いの宴を開いた。
それから、その国では薔薇の花が死者を生き返らせると信じて、あちらこちらで薔薇の庭園が見られるようになり、いつも心華やぐ香りがして、幸せな気分になれる地となりました。
悲しい事も苦しい事も決してあきらめないで。それはハッピーエンドがおこる前触れの修行のようなもの。




