表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
のんびりしたいです  作者: 薊の花言葉
9/12

第9話 女の子レベルが1上がった

私こと、青山小鳥は今女性用の下着売り場で買い物をしている。と言っても娘の物を買いに来たわけでも、かといって自分の物でもない。息子の物を買いに来ているのだ。


これだけだとただ単に女装に理解ある親が女装好きの息子の為に女性用下着を買っていると思われるかもしれない。しかしそうではないのだ。いや、女性用下着を買いに来ていることはあっているけれど。まず訂正すると、息子は決して女装好きなわけではなく、普通の男性服を着ていた。次に息子ではなく、今後は娘と呼んだ方が正しいのかもしれない。何故ならつい先日、突然息子は女になってしまったからだ。といっても性転換手術をしたわけではない。予兆も何もなく、一夜にして性別が変わっていたのだ。


正直これは夢だと何回も思ったが、夢ではなかった。夢だと思いたかった。今まで自分達なりに愛情を込めて育ててきた息子だった。特別頭が良かったわけでも、運動が得意だったわけでもない子だったが、それでも自分達にとっては大切な息子だったのだ。極端に男らしくなって欲しかったわけじゃない。でも男の子として、いつか大切な人が出来た時に、いつでも大切な人に優しく、また守れるような子になって欲しいと思って育ててきた。

それが突然女になったのだ。混乱しないはずがない。しかし今一番混乱しているのは息子の方なのだ。だから今は私達がしっかりしないといけない。


そう思いぼーっとしていた自分を励ます様に頬を叩いて気持ちを切り替える。今は女になってしまった息子の為に下着を選んでいたのだ。たしか今の息子の胸はほぼ無いに等しく、しかも身長は150センチあるかないかくらい小さかった。なのでブラは今のところ子供用のブラで、ショーツはまぁ普通のやつでいいだろう。

……いや、女の子になったばかりで、まだ女物の下着を着るのは抵抗感があるだろう。だからブラはキャミソールとブラがセットになっているやつで、ショーツは今時女性用でもボクサー型のがあるからそれにしよう。

とりあえず入院中に着られる分だけ買っておこう。そう思い適当なやつをいくつか選んで買い物カゴに入れる。あと買うものは……服だ。おそらく体格が変わっていて、今まで着ていた服はサイズが合わないだろう。でもいきなりスカートや短パンは厳しいだろうから、なるべくボーイッシュな服を選ぼう。そう思いいくつか買い物カゴに入れ、レジでお会計を済ました。

そして帰宅し、下着と服に付いてるタグを取って、下着や入院に必要な物を大きめのバックに入れて、すばるが入院している病院へと向かった。


◆◆◆


今日も昨日と同様午前中だけ検査だった。検査を終えて病室に戻ると、手に大きめのバックを持った母さんがいた。う~ん。入院するのに必要な物は一昨日自分で持ってきたはずだけど。


「おはよう母さん。そのバックは何が入ってるの?」


「おはよう。このバックには貴方の下着が入っているわ」


「……下着は一昨日持ってきたじゃん」


「違う違う。男性用の下着じゃなくて、女性用の下着を買って来たのよ」


「……」


女性用の下着かぁ……。そこはまったく考えてなかった。何か今まで男だったから、女物の下着を着るのは恥ずかしいというか、着ちゃいけないような気がして落ち着かない。

そんなことを思ってたら、母さんが下着を机の上に出してきた。……あれ?なんか思ってたやつと違うな。それは、よくある女性用の三角形のパンツじゃなくて、僕らが穿いてるようなボクサーパンツみたいな形のやつだった。う~ん、これなら恥ずかしくないし、穿けるかも?


「あとすばるはまだ胸が小さいから、ブラじゃなくてブラと一緒になっているキャミソールにしたわ」


「へえ~。そんなのがあるんだ~」


「これならすばるも恥ずかしくないでしょ?さっそくだけど着けてみてくれない?」


「……うん。分かった」


そう言いながらまずパジャマの上を脱ぎ、キャミソールを着る。……恥ずかしい。今まで上半身の下着といえばノースリーブのシャツぐらいしか着なかったけど、これはいかにも女の子が着ますよというデザインのやつだ。だからとっても恥ずかしい。


「サイズはどう?きつくない?」


「……サイズはぴったりだよ」


「良かった。じゃああとショーツも穿いてみて」


かなりの恥ずかしさを感じながら、パジャマのズボンとボクサーパンツを脱ぎ、女用のパンツを穿く。う~ん。パンツは何となく普通な感じだからそんなに恥ずかしくないかも。穿いてみた感じボクサーブリーフに近い感じだからかな。


「パンツもサイズはぴったしだよ」


「そう。良かった。それじゃあ今日からその下着を着てもらうから、今まで穿いていたやつは家に持って帰るけど、それでも良いかしら?」


「……良いよ」


「そう。じゃあお母さん帰るけど、何か家から持ってきて欲しい物とかある?」


「今のところはないよ」


「そう。じゃあまた来るね」


「また」


そうして母さんは帰っていった。しばらくしてから改めて自分の下着姿を見る。こうして見ると本当に自分が女の子になったんだなと感じる。……ずっと見てたらまた恥ずかしくなってきたから、パジャマを着なおす。……これからはずっとこの下着を着なきゃいけないんだよな。だから恥ずかしがってないで出来るだけ頑張ろう。そう思いながら、その後夕飯を食べ、今日の生活を終えた。

やっと!!!下着イベントが書けた!!満足!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ