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のんびりしたいです  作者: 薊の花言葉
7/12

第7話 入院生活開始~

私こと、青山緑は今とても驚いている。それも人生で一番驚いている。

今の私は時間が止まったかの如く固まり、目の前にいる自分よりも小柄な兄?を凝視していることだろう。なぜ私がこれほどまでに驚いているのかというと、それも目の前にいる兄が原因なのだ。話は10分前へと遡る。


◆◆◆


今日は土曜日。私は部活動で疲れた身体をゆっくりと休めていた。

そうしたら、突然お母さんに叩き起こされた。……本当に酷い事をする。お母さん曰くすばる……私のお兄ちゃんが大変なことになり、今日から入院するとの事だ。それも家族全員に話さないといけないくらい大変なことらしい。

入院するってことは相当重い病気に違いない。……大丈夫かな。


「ヤバイ……めっちゃ心配になってきた……」


お兄ちゃんは鈍感だからか、普段から風邪を引かず、また病気なども滅多に罹ることが無い程に健康だった。そのお兄ちゃんが入院するって……

胸いっぱいの不安を残しつつ、私は階段を下りた。


リビングに下りて来た私だったが、同じくお母さんに叩き起こされたお父さんと、お母さんしかいなかった。お母さん曰く、お兄ちゃんは部屋で入院に必要な荷物の支度をしているとのことだ。

……良かった。大変な事と言っていたが、一応動けるくらいには元気なようで、少し安心した。といっても、大変な事には変わりない。

そう思っていると、お母さんがこう言ってきた。


「2人共落ち着いて聞いてね……」


えっ。出だしからなんかもう怖いんですが。そんなにヤバイ病気なのかな!?


「実はね……」


ごくり……


「すばるが女の子になっちゃったのよ」


……は?何言ってるんだこの母親は。そんな病気聞いたことがない。

……はっ!?まさかお兄ちゃんは私たちに秘密で性転換手術を!?……ってそんな訳あるかァ!そんな大金用意出来る訳ないだろこんちくしょう!!第一お兄ちゃんにそんな趣味は無いわぁ!!!

……確かにお兄ちゃんは小柄で、色も白くて小さい頃はよく姉妹に間違われていたけども。というか今でもたまに間違えられるけども。それでもお兄ちゃんはれっきとした男だ。間違っても女では無い。


「って突然言われても普通信じないわよね……」


「そりゃあそうだよ!お兄ちゃんは男だよ!?」


「まぁそうなるわよね……でも見れば分かるから」


見れば分かるって……っと、足音が近づいてくる。な、なんか凄い緊張する。本当に女の子になってしまったのかな。私は出来るだけ平静を保ちつつ視線を向けた。


……そこには可愛い女の子がいた。


◆◆◆


今私はお兄ちゃんの股間を触っています。しかし、安心してください。皆さんが想像しているようなことではありません。

なぜなら、そのお兄ちゃんは今朝からお姉ちゃんになったからです。あっ百合でもないです。

私はようやく理解しました。これは大変な事が起きたと。

なので急いで支度し、家族4人で病院に向かいました。


◆◆◆


「こんにちは。ご無沙汰してます慎二さん。緑ちゃんも久しぶりだね」


「あぁ、久しぶり」


「お久しぶりです」


「さっそくで申し訳ないですが、すばるの身体の状態について話をさせてもらいます」


そうして、まず僕の身体がどこからどう見ても女の子のものになっていること、次に今後の入院についての話を聞いた。入院は1週間から2週間の期間で、その間にありとあらゆる検査をするそうだ。そして部屋は個室だった。よし。のんびりと過ごせそうだ。


入院についての話を終え、僕らは病室へと移動した。そして衣服等の荷物をまとめて、父さんと緑は家へ帰り、母さんは買い物に行った。

これからはどうなるのだろうかと思いながら僕は入院服を着て、荷物の整理をしていたら、夕飯が運ばれてきた。なので僕はそれを残さず平らげ、そのまま横になった。そうしていたらいつの間にか夢の世界へ旅立っていた。

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