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のんびりしたいです  作者: 薊の花言葉
6/12

第6話 家族(主に妹)にびっくりされた

zz……。

……はっ?!気が付いたらもう家だった。病院を出てすぐの所にあるコンビニ辺りまでは覚えているが、そこから後の記憶が無い。まぁ僕は睡眠が趣味の一つに入っているくらい好きなのだ。だから暇さえあれば寝てしまうのはしょうがないだろう。


……などと考えながら玄関のドアを開け、自分の部屋で荷物をまとめる。その間に母さんは、妹と父を起こしに行ったようだ。階段を下りる足音が2つ聞こえる。

2人をあまり待たせたくないので、僕は急いで荷物をリュックサックに詰め込み、階段を駆け下りた。


リビングのドアを開けると既に妹の緑と、父の慎二が座って待っていた。なので、僕は急いで荷物を置いて母さんの隣に座り、2人の居る方へと向いた。

すると、先程からやたらとそわそわしている緑が、身を乗り出さんばかりの迫力で、こう言ってきた。


「お兄ちゃん!女の子になっちゃったってホント!?」


「……うん」


すると、2人共目を丸くし、こちらをジロジロ見てきた。

……まぁ当然の反応だな。今まで一緒に過ごしてきた家族の1人が、突然性別が変わったと言われたら、とても驚くだろう。


そんな中、緑が真顔で僕の隣まで来て、こちらを見下ろしている。……なんか怖い。すると呟くように、こう言ってきた。


「立って」


「え」


「いいから立って」


「……うん」


緑の有無を言わさぬ雰囲気に負け、僕は大人しく立つ。

すると、いつの間にか履いていたズボンがずり落ちていて、相棒跡地が家族にこんにちはとあいさつしていた。紐が解けていたのかなと思いながらズボンを履き直そうとしたが、2つの手がそれを妨害した。

緑だ。緑の手が邪魔をしている。何故履かせようとしてくれないのだろうか。というか凄い力でズボンを脱がせようとしてくる。


ズボンを脱がせようとする意図が分からないが、緑なりに考えあってのことだろう。それに、正直抵抗するのが面倒臭くなってきたので、大人しく脱がされることにした。

ズボンが床に着いた次の瞬間、緑の手がこちらの下半身を調べる様に触ってきた。


「ない……ホントにない……」


そう言いながらしばらく触っていたが、あるはずの物が無いと理解したのか、触るのをやめた。

そしてズボンをガバッと乱暴に上に戻し、こう言ってきた。


「ホントに女の子になっちゃったんだね……」


ようやく信じてもらえたようで何よりだ。

すると、今まで黙っていた父さんが、口を開いた。


「ここで話していても詳しい事は分からないから、早く病院へ行った方がいいんじゃないか?」


確かにここでのんびり話していても何も解決しない。緑もそう思ったのか、急いで出掛ける支度をしに自室へと走っていった。

そして、支度が済んだ緑を連れ、4人で車へと乗り込んだ。

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