夢の中?
とりあえず、思いついたので投下してみました。
よろしければ読んでください。
目を覚ますと見慣れない場所にいた。
ーここどこだ?まぁ、何はともあれこういう状況はやっぱりあのセリフでしょう。
「知らない天井だ…。」
ー天井ないけど
そう、俺は気づけば草原のど真ん中にいた。春の日のようなうららかな日差しの下、草原で大の字になって寝転んでいたのだ。時折、気持ちの良い風が吹き抜けていく。
ーこれは夢だな。昨日の夜はきちんと自分のベッドに入って寝たはずだし…
それにしてもとても気持ちが良い。こんな夢なら大歓迎である。
そのままぼへーっとしていると、ドドドドドドドドッ
何やら不穏な音が聞こえてきた。何かの大群が押し寄せてくるかのような…
ー嫌な予感…っていうか、嫌な予感しかしねぇ!!
音のする方を見ると、砂埃を濛々とあげながら黒い大群がこちらに向かって押し寄せてくるのが見えた。
ーえ、俺終了?
慌てて立ち上がり、必死になって草原を駆け抜ける。
ーなんとなくこのまま終わる気はしないと思ってたけど、まさか、こんな仕打ちはないでしょう!?ていうか、なんで俺、夢の中でもこんな不憫なの…そもそも何でこんな夢みてんの、俺!?
そんなことを考えつつも足をものすごい勢いで動かす。運動神経はそこまで悪くない。まぁ、中の上くらいだが…。
ぜぇはぁ言いながら走っていると、目の前に森が見えてきた。
ーあそこまで逃げ切れば…!
そう思い何とか森にたどり着く。木の陰に隠れるようにして息を潜めていると、先ほどの大群は森にはぶち当たらず横にそれて行った。
「…た、助かった〜」
思わず呟きへなへなと腰を下ろす。しばらく、息を整えて、少し頭が冷えたところで考える。
ーあいつら一体何だったんだよ。ていうか、俺、目ぇ覚ませよ!!なんだって夢の中まであんなんに追いかけられなきゃならんのだ…。
そう、彼は動物にはとことん嫌われるのだ。お陰で敵意をむき出しにした動物たちに追いかけ回された事が今までにも何度もあった。
そして、彼は薄々この状況が変なことにも気がついていた。夢にしてはリアルすぎるのだ。
夢の中で走ったからといって、焦燥感だとか、恐怖だとかがあるのはわかる。しかし、夢にしてはどうしても説明できないことがあった。
それは、全力疾走による体の疲労感である。
いくら夢で走ったからといって、この疲労感はありえない。喉の渇きは現実で喉が乾いてるのかもしれないが、それでもおかしい。
さらに、体に感じる風や、日の光もとても心地の良いものではあったが、夢の中でここまで、はっきりと感じたことは今まで無かったのだ。
ーこれはいよいよもって、怪しいな。もしかして、異世界転生しちゃった?ククク
ニマニマと少し嬉しそうにしながら考えている顔ははっきり言って少し気持ち悪い。
「おい、今誰か俺のこと気持ち悪いって言わなかったか?」
…なんかやたらと感だけは鋭いようで…
それはさておき、彼は現実においてもそういう話が好きであった。それゆえの反応であろう。
彼の名前は鈴橋 凛太朗。
ごく平凡な男子高校生をやっている。
それなりに友達はいて、毎日楽しくやっているようだ。そんな彼の趣味はゲームにマンガ、ラノベと多岐に渡る。その中でも最近は転生物、異世界物にはまっているためにそんな答えに至ったのだろう。
しかしまぁ、こんなのに友達いたんですね。作者的には少しびっくり。こういうのっていないのが、セオリーだったりすると思ってたけど、そうでもないんだね。まぁ、それなりに、だけどな(笑
「何やら失礼なことを言われている気がする…」
とかなんとか、彼がぶつくさ言いだしたので余計なことは言わないでおこう。
話を戻して、彼がニマニマしながら、異世界転生の可能性に想いを馳せていると、木々の間を何かが駆けていく。それが頭の上を通りこそうとした時だった。頭の上から木の実がボロボロと落ちてきた。
「いだっ、痛い、痛い」
ー何?今度は何?
次の瞬間木から飛び降りてきた猿のようなものがすごい形相で襲ってきた。恐らく自分たちの餌を取られたと思ったのだろう。
「な、な、俺何もしてないじゃんー!!」
そう叫びながらまたも走る。森の中では不利と思いながらも草原への道は閉ざされていたので仕方なく反対の森の奥へと逃げていく。
「餌は俺とってないよ!ほら!」
手を広げて猿たちに見せるがそんなことは御構い無しに怒りをあらわに鳴き叫んでいる。
ー怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!よく見たら猿じゃないよね、アレ?
一見猿のように見える奴らは猿の大きさではない。明らかに大きすぎるのだ。
ー下手したら俺よりでかいじゃん!!
そんなのに押しつぶされたら確実に危ないわけで、彼はまた必死に走るしかなかった。猿たちは凛太朗向けて飛びかかってくるのだが、間一髪でなんとか逃げ延びている状態である。そう長くは続くまい。あまりにも一方的すぎるその攻防はすぐに終わりを迎えることとなる。
主人公不憫ですね。
でも、勝手に動いてくれるので、作者的にはとても楽です。




