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妖精、休憩する
「♪〜」
休憩しようというリューンの提案により、
私達二人はリグル広場で休むことにした。
「どうかしました?」
鼻歌を歌っていると、視線を感じたので聞く。
当の本人はビクッとしつつ、少し間を置いてから言った。
「その歌……いつも思うけど、不思議だなーと。」
言われてから、そういえばそうだなと改めて感じる。
「うーん、なんか自分でもわからないんだよね。
いつ、どこで聴いたのかもわからないの。」
気付いたら歌っている。
「でもすごく、懐かしくてポカポカした気持ちになるの。」
「…そっか。」
「うん。」
もしかしたら妖精に関わる歌なのかもね、と笑う。
「さてと!」
ベンチからひらりと飛び降りる。
「休憩おーっしまい!」
その言葉にリューンは嫌そうな顔をする。
そんな表情を見て「今度はゆっくり行くから」と微笑むティナ。
しょうがないか、とため息をつく。
「お供させていただきます、姫。」
主に仕える執事のように礼をした。
(……リューン、なんだかキモチワルイよ?)
(酷っ!)