5.最高の贅沢と最高の幸せ
俺の一番の贅沢。そして、一番の楽しみは友達をレンタルすることだ。
翌日、俺は始めて友達をレンタルした。俺の趣味に合わせた女性が紹介され、彼女は初回から笑顔を絶やさなかった。
人とコミュニケーションを取ることが不得手な俺の話を、ひたすら辛抱強く聞いてくれた。俺が行きたいところにもついてきてくれた。俺の趣味を理解しようと、いろいろな質問をしたり、本を読んだりもしているらしい。
どんなにつまらない俺との時間を、顔色一つ変えずに、彼女はそばにいてくれる。
あれから半年、今の俺は変わったらしい。
同僚が言う。
「お前、最近笑うようになったよな。怒らなくなったし、みんな仕事がしやすくなったって喜んでるぞ」
そんなことがあるかよ
俺はそう言って笑った。
笑った―――
そうだ、笑ったんだ。
園美といたころよりも、今の方が充実感を感じるのはなぜだろう。
「この間、ジャズが好きだとお聞きしたので、今日はジャズの聞けるお店をピックアップしてきました」
彼女はそういうと、雑誌を開いた。
そこにはジャズの聞けるレストランという記事が載っていた。
俺はにっこりと笑顔を向けると、
「ありがとう。今日は、ここで音楽を楽しみましょうか」
今日が終われば、また一か月俺は全力で仕事をする。一か月後の今日という、最高の贅沢と最高の幸せな時間のために。
レンタル・フレンドとの大切な時間を持つために―――
end
最後までお読みいただきありがとうございました。
レンタル・フレンドが本当にビジネスとして存在することを知り、そこからこの小説のストーリーを思いつきました。
皆さんの心には、何が映ったのでしょうか。。。
では、また次回作でお目にかかりたいと思います^^




