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ある少年の話  作者: 片山
7/11

きょ~はたのしい……

タイトルが変なのはお気になさらず……

 試験から数日ーー

 僕は先生から呼び出しをくらった。

 教室には先生と僕の二人だけ。

 沈黙が続く中、ついに先生が口を開いた。


「ルイス。今日呼ばれた理由が分かりますか?」


「ええ。補習ですよね」


 僕はあらかじめ用意しておいた言葉を返す。


「それもあります。しかし、重要なのはそちらではありません」


 ですよね……。

 なんとなく予想はしていた。

 補習が重要じゃない、となると残ったのは……


「ルイス。試験は何点満点ですか?」


「えーッと、千点満点だったと思います……」


 この学院の筆記試験は通常千点満点で行われる。

 試験は魔法理論や魔法薬学なんかが全部まとまって出題される。

 その分試験は一回で済むのだが、何を隠そう問題数がとんでもなく多い。

 今回は200問と比較的少ない方だ。

 つまり単純計算で一問あたり五点ということになるが、実際は記述問題の配点が高いので、単語を書くような知識問題は配点が二、三点ぐらいになる。

 さあ、ここで思い出してみよう。

 僕は一体試験で何問解いたのか。

 そしてその問題は当然のごとく知識問題だ。

 ここまでくれば賢い人は分かるはずだ。

 そう、つまり何が言いたいかと言うと……


「では、千点満点の試験で二十一点を取る生徒がいたら、あなたはどう思いますか?」


「はは……そんな生徒いるわけないじゃないですか」


「……そのいるわけない生徒があなたですよ……ルイス!」


 笑って誤魔化せるはずもなかった。

 先生は今までこらえていたものを全て吐き出すように声を張り上げた。

 あ、これは逃げられないな。


「だいたいあなたは……」


 あーあ、説教が始まった。

 何かデジャヴのようなものを感じながら、僕は先生の説教を聞き流す。


「……分かりましたか、ルイス?」


「はい。というわけで、お話は以上ですよね? それでは僕はこの辺でーー『待ちなさい!』ーー……まだ何か?」


「ええ。あなたはこれから楽しい楽しい補習の時間ですよ?」


 チッ、と心の中で舌打ちしながら、僕はこの場から逃げられないことを悟った。

 それから僕がどうなったかは言うまでもないだろう。



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