試験
僕は教室の窓に映った自分の顔をぼんやりと眺めていた。
相変わらず変な髪だなと我ながら思う。
僕の髪は短く切られてはいたものの、その髪はところどころはねていて寝癖のようになっていた。
この髪型もおかしくはあるが、やはり一番おかしいのはその色だろう。
僕の髪は白と黒が混ざったーーといっても一本一本バラバラというよりは、ある箇所は白である箇所は黒といったように同じ色である程度かたまっているーー奇妙なものになっている。
こんな髪をしているのは世界中探しても僕だけではないんだろうか?
なぜこんな髪をしているのかと言われれば、それは魔術的欠陥と言うべきか、あるいは精神的欠陥と言うべきか。まあ、そんな感じだ。
さて、なぜ僕が窓を眺めているのか?
理由は簡単。退屈だからだ。
まあ、普段の授業も退屈なので窓をあるいはその外を眺めているのだが、今日は一段と退屈である。
何を隠そう、今日は試験である。
椅子に腰かけた僕の前に置かれているのは無数の問題が書かれたプリント、そして答えを記入する解答用紙。
いまだに一問も解いていないが、さすがに0点はマズいので何問か解くことにした。といっても、そもそも分かる問題がほとんどないのだが……。
辛うじて十問程解いたところで、
「そこまで!」
と声がした。
生徒は皆一斉に走らせていたペンを止め僕もそれにならう。
これで試験はおしまい。
後は結果を待つだけだ。