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ある少年の話  作者: 片山
5/11

幕間  日常の裏側で1

「またか……」


 ここはトラストにある冒険者ギルドの一室だ。

 冒険者で溢れかえって賑わっている受付とは打って変わり、この空間は不穏な空気に包まれている。


「これで何件目だ?」


「確か6件目です」


 男性職員の質問に対し女性職員が即座に答える。


「もう死者が出ている。そろそろこちらも本格的に動き出すしかない」


 先ほど質問したのとは別の男性職員が切り出す。


「どう思いますか、ギルド長」


 女性職員が言葉を放った先にいたのはあごひげを蓄えた、顔の至る所にシワのある男性だった。

 ギルド長と呼ばれた男は、今まで場を俯瞰するだけであったが、ついに重い口を開けた。


「このことはもう王国には報告してあるな?」


「はい」


「では、Bランク以上の冒険者を集め、直ちに討伐隊を北の森に派遣するように。王国には調査隊の編成を要請しろ」


「分かりました」


「それと北の森への立ち入り制限を王国と協力してかけるように。それでは解散」


 ギルド長の解散の合図と共に、部屋にいた職員達は慌ただしく自らの役割を果たすために部屋を後にした。


「はてさて……」


 ギルド長は一人になった部屋で、誰に言うわけでもなく呟く。


「この王国に一体何が起ころうとしているのかな?」


 それは王国の行く末を案じる賢人のようであり、またこれから起こることを楽しみにする無邪気な少年のようでもあったーー



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