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悪魔に魅入られた子

払魔師による、悪魔との戦いがメインの話にする予定です。

「悪魔だ!!悪魔が来たぞ!!」

「誰か、払魔師<エクソシスト>を呼べ!!」


山の近くにある、都会から離れてひっそりと生活を営んでいた村。本来なら、色鮮やかな花が咲き誇り、村人達も笑顔に満ちていた。

だが、突如現れた忌み嫌われし存在。悪魔の襲来によって、村の各地では炎が燃え盛り、悪魔に惨殺されていく人々。村人達から笑顔が消え、恐怖に変わった。


「お父さん……?お母さん……?」


少年が自宅に帰ると、見慣れた人達が倒れていた。充満する鉄の臭い、出る前には無かったハズの壁と床に飛び散る赤い液体……


「やだ……。お父さん、お母さん……」


少年はガクガクと震える。目の前の現実を否定するのかのように、ゆっくりと首も振る。その度に、短い黒髪は揺れる。赤い瞳と、比較的に白い肌は恐怖によって青ざめていた。


「ニン、ゲン……」

「コドモ、コドモ……」


不気味な声に、少年はビクッと身体を震わせる。変わり果てた母達の向こう側から、二体の悪魔が近付いていく。


「や、やだ……。やだ!」


退こうとするが、腰が抜けて思うように動けない。だが、悪魔達はゆっくりと近付く。


「死にたくない、死にたくない……!!」

「坊主!死にたくなけりゃ、そのまま腰抜かしてろ!」


突然聞こえた、聞き覚えの無い声。その後に聞こえたのは、銃声であった。そして、目の前にいた二体の悪魔には、中心に小さな穴が空いていて、苦しみながら消えていった。


「大丈夫か?坊主。」


少年は振り向く。そこには、二丁の白銀の銃を持つ、黒衣の男がいた。


「おっさん、誰……?」

「おっさんは失礼だな……。ま、いっか。」


男は、銃をしまって少年を抱き抱えた。その瞬間、窓を突き破って悪魔が入ってきた。


「しつけぇな……」


すると、男はベルトに付いていたポケットから、指輪を取り出した。


「『我が契約の名の元、来たれ。狙いを外さぬスナイパー。ガンマスター』!!」


男が詠唱を唱えると、男の足下に魔法陣が浮かび上がる。そして、指輪が光輝いたと思うと、光が弾けた。光が弾けたのと同時に、両手、腰、背中にありとあらゆる銃を持った長い緋色の髪の女性が姿を露にした。


「お呼びですか?マスター。」

「ああ。コイツらをちゃっちゃっと片付けてくれや。」

「御意。」


男をマスターと呼ぶ女性は、両手の銃で群がる悪魔を撃ち抜いていく。狙いは的確で、銃弾は一度も外れる事は無かった。

そして、最後の一体を撃ち抜いた。


「マスター。まだ、気配が残っております。」

「めんでくせぇな……。殲滅頼むわ。」

「御意。」


女性は、銃弾を装填した後直ぐ様家を出た。


「おっさん……」

「安心しろ。あのお姉ちゃんが全部やっつけてくれるさ。」


そして、銃声はしばらく響いた。


*


悪魔の掃討は、そう時間がかからなかった。


「ありがとうございます、払魔師様……」

「気にすんな。たまたま立ち寄っただけさ。」


悪魔の掃討後、払魔師たる男が生き残った村人達から感謝されていた。


「あの、払魔師様……」

「なんだ?」

「その子供は……。」

「ああ、お前らの村の子供だろ。ほれ。」

「ヒイィ!!」


男が村人に少年を引き渡そうとすると、村人は少年から避けた。


「おいおい……。たかが坊主に……」「払魔師様!その子供は悪魔の子です!滅してやってください!!」


1人の村人が頭を下げると、他の村人達も頭を下げ始めた。


「悪魔の子だァ?」

「そうです!この子供が村に現れてから、凶作に見舞われ始めたのです!」

「悪戯ばかりで、いつも他人を傷付けて!」

「その子供は、悪魔に魅入られた子なんです!!滅してやってください!!」


村人の糾弾が、1人の少年に降り注がれる。男は溜め息をついた。


「たかが悪戯坊主に、何ムキになってんだよ……」

「今回の悪魔の襲撃を見て、確信したんです!この子供がいるから村は不幸続きなんだと!」「親は死んだと言うのに、子供が無事なのですよ!?悪魔に魅入られたからこそ、生き残ったのです!!」

「何より、その漆黒の髪と赤い瞳が証拠じゃないですか!!」


男は片方の銃を取りだし、村人に銃口を向けた。


「え、払魔師様!?なにを……!?」

「お前ら、黒き髪に赤き瞳を持つ子は悪魔として育つ。っつー風習持ってんだろ?」


悪魔が蔓延る世界。悪魔に怯えるがばかりに、人は根も葉も無い迷信や風習を生み出してしまうのだ。


「何かと理由付けて、この坊主を聖職者たる払魔師に殺させる。か……。迷信にも程があるぜ。」

「し、しかし……」

「まいっか。じゃ、この坊主は俺が預かるわ。」


男の言葉に、全ての村人は驚愕した。


「そんな、払魔師様!!」

「テメェら。悪魔はどんなヤツに近付くか知ってるか?テメェらのその態度も、悪魔からみりゃいい餌だぞ?」


男の言葉に、村人達は口を閉じた。


「どうせ、そう言っても俺がいなくなったら、また坊主に押し付けるだろ。なら、俺が預かる。そーでもしねぇと、この村ホントに全滅すっぞ。荒んだ心に悪魔は巣くうからな。」


男はしゃがんで、少年と目を合わせる。


「俺は、エドガー・クロスフォード。お前は?」

「レン……。レン・グラスティア。」

「レン。か……。じゃ、行くぞレン。」


男。エドガーは少年、レンの手を取り村を後にした。

補足しますが、主人公はレンです。

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