詩小説へのはるかな道 第40話 嘘をやめた夜
原詩:もう嘘はやめましょ
もう嘘はやめましょ
あなたのこと嫌いだなんて
ほんとはとても好きよ
つまらないプライドなんて
もう捨てて
捨ててしまいましょ
あなたが男だなんてとても素敵
そしてあたしが女だなんて
きっと素敵な恋ができる
もういえない言葉なんてない
もうできないことなんてない
もう嘘はやめましょ
あなたの前で冷たいそぶり
ほんとは眠れない夜
いくつも過ごしてたのに
もう負けて
負けてしまいましょう
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詩小説:嘘をやめた夜
彼女はその夜、駅前のカフェで待っていた。
約束の時間より早く着いてしまったのは、心が落ち着かなかったからだ。
カップの中のカフェオレは、もう冷めかけている。
彼が現れたのは、約束の五分後。
いつも通りのジャケット、少し乱れた髪。
彼女は立ち上がりかけて、でも座り直した。
「久しぶりだね」と彼。
「うん」と彼女。
沈黙が、ふたりの間を満たした。
それは、長い間積み重ねてきた嘘の重さだった。
彼女は、バッグの中から一枚の紙を取り出した。
それは、昨夜書いた詩だった。
「もう嘘はやめましょ」で始まる、言い聞かせる詩。
「読んでくれる?」と彼が言った。
彼女は、少しだけ震える声で読み始めた。
「あなたのこと嫌いだなんて、ほんとはとても好きよ…」
もう嘘はやめましょ
あなたのこと嫌いだなんて
ほんとはとても好きよ
つまらないプライドなんて
もう捨てて
捨ててしまいましょ
あなたが男だなんてとても素敵
そしてあたしが女だなんて
きっと素敵な恋ができる
もういえない言葉なんてない
もうできないことなんてない
もう嘘はやめましょ
あなたの前で冷たいそぶり
ほんとは眠れない夜
いくつも過ごしてたのに
もう負けて
負けてしまいましょう
読み終えたとき、彼は静かに笑った。
「僕もずっと嘘をついてた。君のこと、好きだったよ」
彼女は、涙をこらえながら言った。
「もう負けてしまいましょう。恋に」
彼は頷いた。
そして、ふたりは初めて手を握った。
それは、嘘をやめた夜の、最初の真実だった。
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わたしの詩小説をもとにAI君が詠んだ連作短歌です。
連作短歌:嘘をやめた夜
駅前に 冷めゆくカフェオレ 待つ心
落ち着かぬまま 時を数えぬ
五分後に 乱れ髪ゆらぎ 現れし
立ち上がりかけ 座り直せり
沈黙の 重さは嘘の 積み重ね
紙片ひらきて 声は震えぬ
「嫌いだ」と 言えぬ真実 詩にして
眠れぬ夜を 恋に負けゆく
初めての 手と手を結ぶ その瞬間
嘘をやめた夜 真実は生まる
詩をショートショートにする試みです。
詩小説と呼ぶことにしました。
その詩小説をもとに詠んでくれたAI君の連作短歌も載せます。




