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第四十八話:「アレックス、ついに輝くかと思った件」


「なあ、ちょっと聞いてくれよ!」

アレックスが急に立ち上がり、大声で叫んだ。さっきまでのパニック状態から、一転して自信満々の態度になっている。


「今度こそ、俺がこの世界で輝いてみせる! もう俺をただのお飾りなんて言わせない!」

彼は拳を天に突き上げ、茜と神様に堂々と宣言した。


「えっ、どうしたの、急に?」

茜は驚きの表情を浮かべながら、アレックスを見上げる。神様も興味深そうに彼を見つめていた。


「うーん、アレックス君、また何か企んでるの?」

神様は肩をすくめながら、ニヤリと笑う。「大丈夫? 今回も茜ちゃんにまた主役を取られちゃうんじゃない?」


「違うんだ! 今回はちゃんと考えがある!」

アレックスは断固として言い放つ。「俺は…この世界の真実を暴く!」


「えっ…真実?」

茜が戸惑いながら聞き返す。


「そうだ!」

アレックスは何かに気づいたかのように、突然真剣な顔を見せた。「この世界は、実は俺たちが思っているよりもはるかに複雑で、しかも…」


「待って、それってメタ発言じゃない?」

茜が笑いをこらえきれず、突っ込んだ。


「ええと、そうだね、アレックス君、その発言はちょっと危ない線を越えてるかも」

神様も目を細め、鋭く指摘した。


「いや、そんなことはない! 俺は知ってるんだ…この世界には俺たちの知らないルールが隠されているって!」

アレックスは本気でそう信じているようだった。だが、茜と神様の反応は明らかに冷めている。


「ま、まあ、それなら試してみてもいいんじゃない?」

茜は苦笑いしながら、肩をすくめた。「どうせ何も起こらない気がするけど」


「そんなことはない! 俺はやる!」

アレックスは再び拳を握りしめ、決意を固めた。


そして彼は大きく息を吸い込み、周囲を見渡した。「この世界よ…俺にその真実を示せ!」


何も起こらなかった。


「……」

茜と神様が互いに顔を見合わせる。


「アレックス君、どうだい? なんか、見えた?」

神様が茶化すように言うと、アレックスは無言でうつむいた。


「……くそっ」

彼は小さくつぶやき、肩を落とす。


「だから言ったじゃん」

茜が軽くため息をつきながら、アレックスの肩を叩いた。「また空回りだったね」


「そんなことは…そんなことはない!」

アレックスは再び顔を上げ、強がりを見せた。「次こそ…次こそは!」


「うん、もういいから、休んで」

茜は彼の背中を軽く押し、座らせた。


「ワン!」(ほんと、毎回こうだな)


魔王(犬)がまた出てきて、静かに吠えた。その声には、呆れと笑いが混じっているようだった。


「まあまあ、アレックス君、そう簡単にはいかないよ。もう少し肩の力を抜いてさ、楽しもうよ」

神様が微笑みながら、彼の肩を叩いた。


「楽しむって…俺は本気で輝きたいんだ!」

アレックスは涙目になりながら叫んだが、その声は誰にも届かないまま、また一つの冒険が静かに幕を閉じた。


+++++


次回予告:「アレックス、奇跡を起こしたかと思った件」

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