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第四十三話:「出口を目指したらさらにカオスな場所に辿り着いた件」


「魔王(犬)、ほんとにあの看板信じていいのかな?」


茜は走りながら、遠くに見える「EXIT」の看板をじっと見つめていた。なんだか怪しい匂いがプンプンする。でも、ほかに出口らしいものはないし、飛びつくしかない。


「クゥーン」


魔王(犬)はポジティブなのか無邪気なのか、とにかく楽しそうに走り続ける。茜は彼の無邪気さに少しだけ癒されるが、油断はできない。こんな世界、絶対にまともじゃない。


「これ、絶対また何か罠だよね。出口っぽく見せかけて、実はもっとカオスな場所に送り込まれるとか…」


すると、どこからともなく声が聞こえた。


「お、すっかりこの世界のノリを分かってきたじゃん、茜ちゃん!」


「うわっ!?」


茜はびっくりして立ち止まった。空からふわっと現れたのは、誰あろう、例のズボラ神様。しかも、なんか妙にチャラい。


「お、お前か! やっぱりまた何か仕組んでたんでしょ!? それにしても、何そのチャラい口調!」


「いやいや~、テンション変えたほうがウケるかなって思ってさ~。いまどきさ、神様もカジュアルに行かなきゃね?」


神様は腕を組んでにやにや笑っている。そのチャラい態度に茜はさらにイライラを募らせた。


「なにそれ、ウケ狙い? ふざけないでよ!」


「おっとっと、怒らないでよ、茜ちゃん。ほら、異世界っていったらさ、波乱万丈な展開じゃん? こういうノリでしょ?」


神様は軽くウインクをして、指を鳴らした。すると、周りの風景がぐるりと回転し始め、目の前の看板がピカピカと派手に輝き出した。


「おいおい、まさかこれって…」


茜が恐る恐る看板を見ていると、その「EXIT」の文字が一瞬で「EX-CHAOS」に変わった。


「出たよ。やっぱりカオスだ…って、もうそのまんまじゃん!」


茜は思わずツッコんだが、神様は大笑いしている。


「そうそう! 異世界ってさ、こういう無駄に大げさで、混乱の渦に巻き込まれるのが定番っしょ?」


「定番とかいらないから! 私、ただ元の世界に戻りたいだけなんだけど!」


茜は拳を振り上げたが、神様は軽やかにヒラリとかわした。魔王(犬)は、興味津々でその様子を見つめている。


「まぁまぁ、焦らないでよ。まだ異世界を満喫してないでしょ? これからが本番だぜ、ベイベー!」


「誰がベイベーだよ! ってか、神様のキャラ変おかしすぎない!?」


茜は頭を抱えた。もう、どうツッコんでいいのか分からないくらいカオスだ。


「とにかく、さっきの玉で私の願い叶えてよ! そうすれば全部解決でしょ!」


「おっと、玉ね~。うん、それは考えてもいいんだけどさぁ…やっぱし、もうちょっと遊びたいんだよねぇ~」


「いや、遊びとか言ってる場合じゃないから! あたしの人生かかってんだよ!?」


茜が真剣に詰め寄ると、神様はようやく少しだけ真面目な顔になった…気がした。


「まぁ、わかったわかった。とりあえず、この『EX-CHAOS』って看板の先にある場所をクリアできたら、願いについて考えてあげるよ」


「えっ…また条件つき!? そんな、ゲームじゃないんだから!」


「いや、これ異世界だし、そういうノリでしょ~?」


「もう、そのノリやめろ!!」


茜は叫んだが、神様は気にせずヒラヒラと手を振って消えていった。結局、また彼女はこのわけの分からない試練に挑むしかなくなった。


「はぁ…どうしてこうなるのよ…」


魔王(犬)は「クゥーン」と慰めるように鳴きながら、茜の足元に擦り寄ってきた。彼女はその頭を撫でつつ、再び前方の「EX-CHAOS」の看板を見据えた。


「もう、こうなったらやってやるしかないか…」


彼女は深く息を吐いて、魔王(犬)と一緒に再び歩き出した。この先に待ち受けているのが何であれ、もうツッコむ力すら残っていない。


+++++


次回予告:「EX-CHAOSが思った以上に超カオスだった件」

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