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第二十二話:「神様の玉、調子に乗って使いすぎた件」


「これ、案外便利かも……」


茜は神様からもらった玉の力に、つい油断していた。何をしても、どうやっても、玉の力で助かる。そんな万能感に満たされてしまったのだ。


「でも、これって無限に使えるのかな……?」


「どうしたんだ、茜? 何か考え込んでる?」


隣でアレックスが元気に声をかけるが、茜は今、別のことに気を取られている。さっきまでのフェスはカオスだったが、何とか神様の玉で乗り切った。しかも、その玉の効果は、まるで茜を守るかのように何でも解決してくれる。これなら、今後どんな困難に直面しても平気だという自信が芽生えてきた。


「アレックス、ちょっと試したいことがあるんだけど……」


「お、また神様の玉か? 面白いことやるのか?」


アレックスの目が輝いている。彼もこの玉の力に興味津々のようだ。茜はニヤリと笑って、玉を取り出した。


「今度はもっと大胆に使ってみようかなって思って。例えば――」


茜は玉を掲げ、空に向かって高く放り投げた。


玉は再び光り始め、今度は空中でクルクルと回転しながら異様な輝きを放つ。そして、次の瞬間――


「え、なんか大きくなってる……?」


茜が投げた玉は、徐々に大きさを増していき、最終的には家くらいの大きさに膨れ上がった。そして、突然その巨大な玉が破裂し、中から無数の小さな玉が降り注いできたのだ。


「うわっ! なんだこれ!? 玉がいっぱい降ってくる!」


「神様の玉が……増えた?」


アレックスと茜は、雨のように降ってくる玉に驚きながらも、なんとか避けようとする。しかし、玉はどんどん増えていき、やがて地面が玉で埋め尽くされてしまった。


「これ、どうするのよ!?」


「わ、わかんない! でも面白い展開じゃないか?」


アレックスはなぜか楽しそうだが、茜は必死に玉の山をかき分けながら歩いている。神様の玉がここまで暴走するとは思っていなかったのだ。


その時、またしても神様の声が聞こえてきた。


「おいおい、茜、ちょっとやりすぎたんじゃないか?」


「えっ、神様!? これってどうすればいいんですか!? こんなに玉が増えちゃって!」


「いやぁ、確かに万能な玉だけど、使いすぎるとこうなるって言っただろ? まぁ、何とかなるんじゃないか?」


神様の軽い口調に、茜はさらに焦った。これだけの玉が降ってきたら、もうどうしようもない。


「何とかなるって……!」


「まぁ、せっかくだから楽しんでこいよ。人生は楽しんだもん勝ちだぞ!」


その言葉を残して神様の声は消えた。茜は呆然としながらも、目の前に広がる玉の世界を見つめていた。参加者たちもまた、玉の雨に混乱しているが、中には楽しんでいる者もいる。


「これ、どうにかしないと……」


茜は再び玉を握りしめ、何とかこの状況を収拾する方法を考え始めた。しかし、何をどうすればいいのか、まったく分からない。


「玉を使って状況を解決できるかも!」


アレックスが声を上げる。


「でも、さっきから玉を使いすぎたせいで、逆にこんなことになってるんだけど……」


「だいじょぶだって! 玉はまだ力が残ってるはずだ! もっとデカい玉を投げてみよう!」


「デカい玉って……そんなの危険すぎるよ!」


茜は困惑しながらも、アレックスに説得され、再び玉を手に取った。


「でも、ほんとにこれで何とかなるのかな……」


不安に思いつつも、彼女は玉を高く掲げ、今度は全力で投げた。すると、再び玉は輝き始め、空中で回転しながら――


ドッカーン!


突然の大爆発音が響き渡り、玉が消滅した。かと思いきや、周囲は再び静まり返り、今度は何も起こらなかった。


「え? 玉、消えちゃった……?」


茜は目をパチパチと瞬きをしながら周囲を見渡す。玉はすべて消え、参加者たちもぽかんとした顔で立ち尽くしていた。


「やっぱり、使いすぎると壊れちゃうのかな……」


「でも、なんか平和になったな!」


アレックスが笑顔で言うが、茜は複雑な気持ちだ。神様の玉は便利すぎたが、どうやら限界があるようだ。


「これで、神様の玉も終わりかな……」


茜はしばらくの間、神様からの助けを期待できないことを悟り、再び自力でこの異世界を乗り越えるしかないことを感じ始めた。


+++++


次回予告:「神様の玉が壊れた後、まさかの展開だった件」

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