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第二十話:「異世界フェスでサバイバルする羽目になったけど、玉の効果が思った以上にやばかった件」


「え、ちょっと待って、なんでこんなことに……!」


茜は目の前で広がる大混乱に思わず叫びたくなった。フェスが突然、参加者全員を巻き込んだサバイバルゲームに突入し、周囲は剣や魔法で戦いまくっている。逃げる者、追いかける者、そして――ピザを投げてる者?


「なにあれ!? ピザバトルしてる!?」


「そうだよ! 異世界フェスの名物、食べ物で戦うってルールがあるんだ!」


アレックスがニヤニヤしながら説明するが、茜は半ばパニック状態だ。だって、誰もが戦うことを前提にしてるのに、茜は何も持っていない。


「アレックス、私どうしたらいいの!?」


「お、そうだ! そういう時こそ、土産の玉を使うんだ!」


「玉? ああ、あの運が詰まってるとかなんとかって言ってたやつね……」


思い出した。最初にフェス会場に着く前に、アレックスが「どんなトラブルも回避できる」って言ってた謎のアイテムだ。今こそその出番らしい。


「でも、どうやって使うの?」


「簡単だよ! 玉を上に放り投げるだけ!」


「そんな単純な使い方でいいの……?」


茜は不安に思いつつも、戦場のど真ん中で剣を振り回すオークたちを見て、試さないわけにはいかないと決心した。彼女は玉を握りしめ、アレックスの言う通りに上に放り投げた。


すると――。


「ん? なんか光ってる……?」


玉が空中でキラキラと輝き始め、茜のポケットからはこの世界に来るときに神様からもらった玉も上空へ。二つの玉が一つになりフェス会場全体がその光に包まれた。次の瞬間、茜の目の前にさらに信じられない光景が広がった。


「え、ちょ、なにこれ……!?」


戦場だったはずの場所が一変し、茜の周りには――巨大なクッションが山積みになっていた。しかも、柔らかくてふわふわ。参加者たちはそのクッションに吸い込まれるように倒れ込み、あっという間に全員が戦意喪失状態になっていた。


「これ、どういうこと……?」


「ははっ、やったな、茜! 玉の効果で戦いが全て中断されるってことだよ!」


「そんなオチ!? しかもクッションで!?」


茜は半ば呆れながらも、無傷で済んだことにホッとした。クッションの海でゴロゴロしているオークやエルフたちを見て、思わず笑ってしまう。特に、さっきまで勇ましく剣を振っていたオークが、クッションに抱きつきながら幸せそうな顔をしているのは、もうシュールすぎる光景だ。


+++++


「はぁ、これで終わりかと思ったら……」


茜が少し安心したその時、再びアレックスがニヤニヤしながら近づいてきた。


「おい、茜! 次はもっと面白いことになるぞ!」


「え、もう十分でしょ!? 何が面白いのよ!」


「ほら、あそこ見てみろ!」


アレックスが指差す先には、今度はフェス会場のステージ上で何やら大きなホイッスルが吹かれていた。そして、司会者っぽい魔法使いがマイクを握りしめ、テンション高く叫んでいる。


「みなさん、お待たせしました! これより、異世界フェス恒例の『玉投げ選手権』を開催いたします!」


「玉投げ? え、まさか……」


「そう! 今度はその玉をどれだけ上手く投げるかを競うんだよ!」


アレックスは目を輝かせてステージに向かおうとしているが、茜は頭を抱えた。何度も投げるなんて面倒すぎるし、しかも戦いの中での玉投げって、何か悪い予感しかしない。


「私、もう帰りたい……」


「なに言ってるんだ! これこそ異世界フェスの醍醐味だろ!」


アレックスはそう言うと、茜を強引にステージへと連れ出す。周りには他の参加者たちも次々と玉を手にして、競技の準備を始めている。


+++++


「じゃあ、行くぞ! 最初は練習だから!」


アレックスは元気よく玉を投げた。すると、玉がクルクルと空中を回りながら、見事に司会者の頭に直撃。


「いてぇぇぇ!!」


「アレックス! 何してるのよ!」


「ごめん、力加減間違えた!」


会場中が大爆笑に包まれる中、司会者は涙目でアレックスを睨んでいた。しかし、彼は気にする様子もなく「いやぁ、いいスタートだね!」と笑っている。


「もう、絶対に普通に終わらない……」


茜は、次に何が起こるのか不安を抱えながら、フェスの混沌に巻き込まれ続けるのだった。


+++++


次回予告:「土産の玉を使ったら、想像以上にカオスな展開になった件」

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