8/18
7話 懐きと軽蔑
「ほら、挨拶しな」
月夜が促すと、白髪が頭を下げる。
「よろしくお願いしましゅ……」
噛んだ。
「きゃー!!何この子!!超可愛いんだけど!!好き!!」
白髪の少女を抱きしめて気づく。
そういえば、俺って、男だった……。
ミスった。
死のう。
初めて女の子を抱きしめてしまった。
柔らかい。
後悔していると、意外にも腕の中で少女が握り返してきた。
あれ?モテ期ってやつか?
「この子は奴隷だったんだ。一般常識もほとんどないよ。それに優しくされた事なんてないからね。初めて優しくされて懐いちゃったのかもね」
月夜が少女に聞こえないように声のトーンを落とす。
「もし、下心を持ってやってたら、嫌われてただろうね。この子、敵意には敏感だから。抱きしめる瞬間だけ、女の子モードで良かったね」
危なかった。
だが、決めた。
「四方田啓利。ぜひ、依頼を受けさせてもらいます!!」
金髪の方と目が合う。
「気持ち悪い。近づかないで」
ですよねー。
初対面の少女をオネエ口調で抱きしめてるんだもんね!!
5分前からやり直したい。
やっぱり、このメンバーはしんどいから、依頼をキャンセルしたい。
「ちなみに金髪の子はツンデレだ」
月夜が囁く。
よーし、依頼、頑張っちゃうぞ。
全力の現実逃避。




